株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER
『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12月21日(土)シンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」が開催されます。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

一般参加可能な講演会のお知らせ。
年末特別講演会「京都大学大学院教授、元安倍内閣・内閣官房参与 藤井聡様」
2019年12月4日(水) 18:45~ 東京都新宿区
【MMT (現代貨幣理論)を学び、日本経済を展望する】

 

三橋TV第167回【日本史上最も深い民主制の議論をしてみた】

https://youtu.be/r0wH3zlz6V4

 

 何というか、
「アベノミクスの三本の矢は、一本目(金融緩和)は放たれたが、三本目(成長戦略)は単なるレントs-カーのビジネスになり、二本目の矢は放たれるどころか、自分目掛けて飛んできて緊縮財政
 というのは単なる事実です。

 安倍政権を懸命に庇おうとする人ですら、
「安倍政権は財政拡大をしていた」
 と主張する人は、さすがに見かけません。

 むしろ、野党が「安倍政権は放漫財政」といった、事実に基づかない、見当違いの批判を展開していたので、「こいつら、本当にバカだなあ」という感想しか出てこないのですが、安倍政権が緊縮財政だったのは、統計が証明します。
 
【日本の企業・政府・家計・海外の資金過不足(兆円)】
 
 安倍政権は2013年のPB目標設定後、財政赤字を「着実」に削減し、2018年のPB赤字は、ついに2007年以来の最小値になったのです。

 わたくしは、別に安倍政権が緊縮財政だったことを責めたいわけではありません。それは、総理の価値観なり、政治的なパワーゲームの結果なのでしょう。

 安倍政権が国民を史上稀にみるほどに「貧困化」させたのであれば、その責任を採らせるべく動くだけの話です。

 怖いのは、上記が現実であるにも関わらず、
「いや、安倍政権は国民を豊かにした。財政を拡大した」
 といった、ウソが蔓延することです。これは、耐えられない。

 わたくしが財政や古代史の「ウソ」を暴き、容赦なき攻撃を加えているのは、ウソを許せないためです。わたくしは、「ウソ」が皆さんの想像を超える水準で、我慢できない(そういう性格)。

 苛政や悪政は、良い。いや、良くはないですが、人類はこの手のバカげた政治に、数千年間、苦しめられてきたわけで、苛政や悪政は、これは人類の日常です。
「苛政は虎よりも猛し」
 とは、中国のことわざですが、人類の歴史はこんなものです。

 まだしも、日本国の人びとは苛政に苦しめられることが相対的に少なかった。それで、いいです。

 問題は、苛政を苛政として認めず、
「我々は世界有数の豊かな民族だ。しあわせハッピー」
 とかやることです。北朝鮮か!韓国か!ウリナラマンセーか! 
 同じ日本人がこの手のことを言っているだけで、恥ずかしくて死にたい、マジで。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
 問題があるのかは構いません。問題があるならば、解決すればいい。

 本当の問題は、問題を問題として認めないことです。
 
補正予算、10兆円規模が必要-自民・世耕参院幹事長
 自民党の世耕弘成参院幹事長は19日、政府が編成中の2019年度補正予算案に関し、10兆円規模が必要との認識を示した。経済対策として「十分な規模感を持つべきだ」とした。
 世耕氏はブルームバーグのインタビューで、災害による経済へのマイナスのインパクトが非常に大きくなっていると指摘。経済対策の延長としての災害対策・国土強靭(きょうじん)化を、「投資という感覚を持って、いかに生産活動やGDP(国内総生産)を落とさないかという発想でしっかりやっていくことも重要」と語った。
 このほか、人工知能(AI)や再生医療など最先端の研究にも思い切って投資すべきであり、「こういうことを全部合わせて財政出動をしっかりして景気を下支えしつつ、少し成長の芽を育てていくことがここから重要ではないか」との考えを示した。
 世耕氏は、アベノミクスの第2の矢である機動的な財政出動について、「第2の矢だけは1回もちゃんと打ったことがない」との認識を示した上で、「今回の補正予算はまさに正念場だと思っている」と強調した。(後略)』
 
 うん、第二の矢だった財政出動について「一回もちゃんと打ったことがない」というのは事実であり、我々が六年以上も指摘し続けてきたことですが、
「だったら、さっさと言えや!」
 という感想を持ったのは、わたくしだけではないでしょう。

 安倍政権のアベノミクスは「金融緩和+財政拡大+イノベーション」だった(総理が、当初は言っていた)にも関わらず、現実には「金融緩和+緊縮財政+レントシーキング」になり果てました。

 これは、いいです。我々が「民主制」に基づき、多数決で選んだ政権の結末ですから、責任も取りましょう。

 でも、
「アベノミクスで財政拡大したにも関わらず、デフレ脱却できない」
 これはおかしいよね?
 やっていないのだから。

 まあ、世耕議員が「第2の矢だけは1回もちゃんと打ったことがない」と認めたのは、大いなる進歩です(解決にはほど遠いけど)。何しろ、事実です。

 というわけで、世耕参院幹事長までもが認めたのです。安倍政権は、緊縮財政でした。

 この点を「野党」に突かせ、自民党に対抗させるのです。もちろん、自民党内の真っ当な財政拡大派を支援しても構いません。個人的には、誰が政権を担おうとも、バカげた緊縮財政が終わるなら、何でも構いません。

 七年近い安倍政権の緊縮財政が結果を残せず、財政拡大派(というか「普通の政策派」)に絶好のチャンスが訪れました。この機に財務省から財政主権を奪い返さない限り、我々に繁栄の未来はありません。皆さんのお子さん、お孫さん、その先の世代は、普通に「中華人民共和国倭族自治区」の住民でございます。

 そんな未来は願い下げならば、真っ当な財政政策への転換を求め、今こそ、攻勢をかけるべき時なのです。

 世論や政治家が変わり始めています。MMTも、理解する人が増えてきています。今こそが勝機です。
 
「真っ当な財政政策への転換を!」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。