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『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

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12月21日(土)シンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」が開催されます。
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一般参加可能な講演会のお知らせ。
年末特別講演会「京都大学大学院教授、元安倍内閣・内閣官房参与 藤井聡様」
2019年12月4日(水) 18:45~ 東京都新宿区
【MMT (現代貨幣理論)を学び、日本経済を展望する】

 

三橋TV第166回【メディアは絶対に語らない「民主制」の真実】

 まずは、こちらの記事を。
 
『首相「新しい時代つくる」 改憲、デフレ脱却に意欲 2019/11/20
 安倍晋三首相は20日、在職日数が第1次内閣を含めた通算で2887日に達し、憲政史上歴代1位となったことを踏まえ、憲法改正やデフレ脱却に取り組む意欲を官邸で記者団に表明した。自民党総裁任期が2年近く残っていると指摘し「デフレからの脱却、少子高齢化への挑戦、戦後外交の総決算、その先には憲法改正もある。チャレンジャーの気持ちで令和の新しい時代をつくる」と強調した。(後略)』
 
 何と! 共同通信はついに「日付」までも間違えるようになったのか! 2013年(あるいは2012年)の記事じゃないか!
 
 と、思ったら、本当に今年の11月20日の記事でした。
 
 総理はデフレ脱却や憲法改正への意欲を見せた! 七年間、同じことを言っている・・・・。

 一体全体、何故にこのような愚かしい事態になってしまったのか。
 
 我が国は、七年間、時が止まり続けたのでしょうか。
 
 理由は、藤井聡先生が解説して下さいました。
 
『【藤井聡】なぜ、安倍晋三氏は憲政史上最長総理となったのか?~安倍晋三「器」論から考える空虚な結論~
(前略)安倍内閣は、
・デフレ脱却
・憲法9条改正
・戦後レジームからの脱却
 といった、多くの国民が夢見たレガシーを何一つ達成しないままに、憲政史上最長の総理在任期間を貪ったのである。(中略)
 政治には、政治を通して公益を拡大することを目的とするという政“策”的原理と、政治権力を維持し続けることを自己目的とする政“治”的原理の二種類がある。(無論後者の政治と言う言葉は、狭義の意味だ)
 普通国民は、政治家に「政策的原理」で政治を動かしてもらう事を望んでいる。ところが、政治の世界では、政“策”的原理を口にするのは単なるタテマエで、ホンネではほとんどが、政“治”的原理で動いているのが実情だ。(後略)』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
 安倍政権が「デフレ脱却」「憲法九条改正」「戦後レジームからの脱却」について、全く果たせていないどころか、状況を悪化させたことは否定できないでしょう。

 何しろ、本人までもが今頃「改憲、デフレ脱却に意欲」などと言っているわけです。
 あんた、七年間、何やっていたんだ!?

 ちなみに、わたくしは憲法改正論者というか「憲法九条第二項廃止論者」ですが、今、政治が試みたところで国民が分断され、ナショナリズムが壊されるだけの結果に終わるので、現時点での改憲には反対です。

 しかも、下手をしなくても九条二項の破棄は、国民投票で否決されかねない。また、二項を残して「三項を加憲する」など、意味不明な話というか、むしろ憲法九条二項の「国民的承認」になりかねません。
 
 まあ、いずれにせよ、安倍総理は「政治」として憲法改正を謳っているに過ぎず、「政策」として推進する気はないのでしょう。
「憲法改正!」
 と叫んでいれば、いわゆる「保守派」の方々が支持し、支持率が上がり、政権が長引く。ただ、それだけの話に過ぎません。

 政策とは、「国民のために何をやるのか?」であり、政治とは、「権力を維持し続けること」。藤井先生の、見事な定義と解説です。
 
 ちなみに、消費税増税も、財務省の省是を中心とした「政治」に過ぎません。
 
 消費税を増税すると、デフレが深刻化し、国民が貧困化する。だから、やめるべき。というのは「政策」的に正論ですが、もはや土俵はそこに無いのです。

 もちろん、消費税で社会保障の安定化云々も、建前的な政策論(しかも、嘘)であり、消費税議論の中心ではありません。
 
 消費税増税やPB黒字化路線は、緊縮派と抵抗勢力の政治的パワーゲーム、綱引きに過ぎず、「国民を豊かにするための税制」という政策の問題ではないのです。

 本来は、与党が過度に政治的である以上、野党が「政策論争」で国民に「正しい政策」を訴え、政策変更を論じるべきですが、現実には政策、政治どころか、「政局」の問題ばかりを持ち出す。政局的に目立とうという意向しか見えず、政策の話ではない。別に、政治的問題を追及することがダメと言いたいわけではありませんが、「桜を見る会」の問題を騒いだところで、国民が豊かになるわけではないのは確かです。
 
 与党が、政策ではなく政治のみで動いている中、野党は与党以上に政策を無視する。結果が、現在の安倍政権の支持率なのでしょう。

 もっとも、国会議員が国民の代表であることに間違いはありません。結局、我々の政治というよりは「ポリティクス」に対する態度のレベルが低すぎるのです。

 わたくしは、たとえ共産党であろうとも、正しい「政策」を主張するならば、「そこ」については支持しますが、「政治」的に断固否定する人は少なくないでしょう。

 そして、
「三橋は共産党の政策を支持している。三橋は隠れ共産党員だ!」
 などと、レッテル貼りをして貶めにかかる。

 この手の言論ばかりが蔓延り、民主制がまともに機能していない。
 
 とはいえ、ぼやいてばかりもいられません。ことは「我々の人生」の問題なのです。

 堀茂樹先生ではないですが、安倍政権が政策的に「間違った政策」を推進しているからといって、多数決を否定しても仕方がありません。多数決で決まる政治は、少なくとも現在の民主制の日本においては「正統」なのです。

 結局、我々が政治と政策を区別し、「正しい政策」を主張する政治家に、政治的な力を与えるしかないのです。
 
 正しい政策が「多数決」で勝利するように、一人一人が「言論」で戦わなければならない時代という話です。
 
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