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『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

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三橋TV第163回【指名競争入札と談合を復活させよ!】

https://youtu.be/i_qYd9Bqr1g

 

 本日は、イギリス最終日。ロンドン塔、イングランド銀行と、今まで「言葉」で語って来た歴史を、自分の目で見ることができて、幸せです。
 
【ロンドン塔】
 
 ロンドン塔は、「塔」というよりは、「城塞」です。現在の女王陛下、エリザベス二世の遠い先祖に当たるウィリアム一世(ノルマンディー公ギヨーム)がイングランドを征服し、1078年に建設を命じたのが、ロンドン塔です。
 
 中世のロンドン、「金貨」を大いに稼いだ商人たちは、金貨の「管理」に頭を悩ませることになります。何しろ、かさばる。しかも、金貨は所有者が決まっているわけではないため、部下に管理を任せ、持ち逃げされるといった事件が頻発したそうです。
 
「金貨は心労をもたらすが、金貨の欠如もまたしかりである。しかしながら、後者の場合は心労はあるていどの金額を手にすれば軽減するが、前者のそれは、多く持てば持つほどいっそうつのるという点に違いがある(セルバンテス)」

 というわけで、当時はロンドン塔が商人たちから金貨を預かるサービスを提供していました
 
 ところが、1640年。後にピューリタン革命で殺害されることになるチャールズ一世が、財政難を受け、ロンドン塔に保管されていた金貨の没収を命じます。
 さすがに、大変な騒ぎになり、チャールズ一世は没収案を撤回したのですが、もはや誰もロンドン塔を信じようとはしなくなりました。

 結果、民間の金細工商人「ゴールド・スミス(※個人名ではありません)」が金貨を預かり、預かり証(後の金匠手形)を発行するサービスを開始

 当初、ゴールド・スミスは「預けられた金貨を貸し出す」サービスを提供していたのですが、やがて自らが発行した(というか、書いた)預かり証、金匠手形が、商人たちの支払いの決算に使われていることに気が付きます。
 
 そして、ついに金貨ではなく「金匠手形(万年筆マネー)」を貸し出すサービスが始まった。「預金」といゆキーストロークマネーを貸し出す、現在の銀行の先祖です。
 
【イングランド銀行】
 
 1694年にスコットランド人ウィリアム・パターソンと財務長官モンタギューが主導し、設立したイングランド銀行は「イングランド王国政府の銀行」として、国債と同額の銀行券を発行する権利を与えられました。

 要するに、戦費調達が目的だったのですが、イングランド銀行設立により王国は「インフレ率が許す限り」において、貨幣を「万年筆」で発行することが可能になりました。結果、イングランド王国はフランスとの第二次百年戦争に勝利し、世界の覇権国になりました。
 
 いわゆる「財政革命」ですね。
 
【トラファルガー広場】
 
 銅像はネルソン提督。トラファルガーの海戦で、フランス海軍を破り、勝利を確認した直後、戦死した、世界で最も有名な海軍提督です。
 
 トラファルガーこそが、第二次対仏百年戦争の最終戦、ナポレオン戦争において、イギリスを最終的には勝利に導きました。
 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】

※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
 ゴールド・スミスのお話は、以下をどうぞ。
 
 何気に、視聴数が38万を超えていました。

 日本では、未だに400年前(ロンドン塔時代)の「常識」を引きずり、貨幣について金貨、銀貨で考える「愚かな人」が少なくないです。
「国の借金は税金で返さなければならない」
「国の借金は将来世代へのツケの先送り」
 といった主張をする人は、頭の中が400年前です。
 
焦点:停滞するGDP、強靭化に加え成長投資にも大型の財政投入論
 7―9月の国内総生産(GDP)は辛うじて4四半期連続のプラス成長を確保したが、消費増税前でも潜在成長率を下回り、足取りはひ弱だ。増税や災害により10―12月はマイナス成長に陥る見通しで、来年も五輪後の特需剥落などで通年で低成長が予想されている。
 政府の経済財政諮問会議では、災害からの復旧や防災など建設国債の対象となるインフラ投資だけでなく、持続的成長に必要な消費活性化や人材投資などに大規模な財政資金を投入するため、赤字国債活用の声も浮上している。(後略)』
 
 すでに、消費税増税「前」の段階で、日本経済は「停滞」が明らかになっています。
 
「潜在成長率を下回ったという意味で、景気は消費増税を待たずに停滞していたことが確認された」(伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミスト)

 消費税が増税された10月以降は、目も当てられない状況になるでしょう。安倍ショック、の始まりです。
 
 ようやく政府で「財政拡大」の声が出てきました。というか、これまで出なかったのが異常だったのですが、とにもかくにも早期にMMTあるいは「正しい貨幣観」を広め、日本に「財政問題などない」ことを国民が共有しなければなりません。
 
 400年前の認識から脱却し、正しい貨幣観に基づき、正しい財政政策を推進する。日本の衰退を食い止める道は、他にはないのです。
 
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