株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER
『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12月21日(土)シンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」が開催されます。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

三橋TV第161回【今、日本国民が知らなければならない災害、防災の現実】

https://youtu.be/euUnSpSAzLw

 

 連合王国(イギリス)滞在中です。本日はエジンバラから、ヨークへと向かいます。

 ちなみに、イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で、略称はUK(連合王国)ですが、なぜ日本で「イギリス」というのかといえば、ポルトガル語のイングランドが「イングレス」だったためです。

 日本は最初に来訪(というか漂着)した西欧人であるポルトガルから、欧州情報を仕入れました。というわけで、イングランドのポルトガル風読みが連合王国の呼び名になってしまったのですが、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、そして北アイルランドという四つの国の連合王国です。
 
 スコットランドの国旗は、青地に白い「聖アンドレ十字架(斜め十字)」ですが、これはスコットランドの守護聖人が聖アンドレであるためです。中村光さんの「聖☆おにいさん」の読者の方にはお馴染みですが、アンドレは初代教皇ペトロの弟です(前髪で目が隠れている方)。
 
 連合王国の国旗は、イングランド、スコットランド、旧アイルランド王国と、三つの国の国旗を組み合わせた「ユニオンフラッグ」でございます。

 というわけで、今後、貴重になる可能性がある(と、ガイドさんが言っていた)写真を一枚
 
【スコットランド議事堂(2019年11月10日)】
 
 風が吹いていなかったので分かりにくいのですが、左からユニオンフラッグ(連合王国の国旗)、スコットランド国旗、そして欧州連合旗と、三つの旗が並んでいます

 ブレグジットが実現すると、一番右のEU旗が掲げられることはなくなります。

 そして、将来的にスコットランドが連合王国から独立した場合、一番左のユニオンフラッグもなくなるわけです。
 
英スコットランド最大都市で独立派がデモ、行政府首相も参加

【11月3日 AFP】英スコットランドの最大都市グラスゴーで2日、独立を求める人々による大規模デモが行われた。市中心部のジョージ・スクエア(George Square)で開かれた集会には、メインスピーカーとしてスコットランド民族党(SNP)の党首でもあるニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)スコットランド行政府首相が登場。大勢の参加者らに、目標は「手の届く距離まで」来ていると呼び掛けた。スタージョン氏が独立派のデモに参加するのは、2014年に行われた英国からの独立の是非を問う住民投票運動以降、初めて。
 スコットランドにとっても正念場となる英総選挙を来月に控え、スタージョン氏は聴衆に向けて「過ちを犯さないで。12月12日の総選挙は、私たちの生涯におけるスコットランドのための最も重要な選挙なのです」と訴え、「来年中に住民投票への道筋をつける」と約束した。(後略)』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
 エジンバラ、あるいはスコットランドと言えば、やはりメアリ・スチュアート。
 
 父親のジェームズ五世が急逝し、生後六日でスコットランド王位を継承。「同盟国」であるフランスのアンリ二世の子息、フランソワと結婚。
 
 イングランド王国でエリザベス(一世)が女王の座に就くと、アンリ二世は、
「庶子であるエリザベスの王位継承権には疑義があり、メアリーこそ正当なイングランド王位継承権者である」
 と、主張しました。(エリザベスは、イングランド王ヘンリー八世の二番目の妻との間の子で、生後二年半で母親が処刑されているため、エリザベスは「庶子」扱いされていました。

 メアリは、ヘンリー八世の父親、イングランド王ヘンリー七世の孫(ジェームず五世)の娘であるため、エリザベスとは「親戚」関係にありました。メアリーの祖母(マーガレット)と、エリザベスの父親(ヘンリー八世)は姉弟です。

 ややこしい・・・。
 
 その後、またもや夫を失ったメアリーはスコットランドに戻り、従兄弟のヘンリー(また、ヘンリー・・・・)と結婚しますが、カトリックだったメアリは、スコットランド国教派との争いに巻き込まれ、夫のヘンリーが秘書のリッチオを殺害する(メアリーとの不貞を疑っていた)、そのヘンリーも急死するなどの混乱の中、イングランドに亡命。

 とはいえ、現職(女王)よりも正当なイングランド王家継承者であるメアリーと、女王エリザベス一世の関係が巧くいくはずもなく、19年の軟禁の後に、処刑。

 ところが、エリザベス女王に子供がいなかったため、結局、イングランド王位はメアリーとヘンリーの子供である「ジェームズ一世(スコットランド王としてはジェームズ六世)」が継ぐというオチになりました。
 
 ここまで読み、一発で頭に入った人はいないと思いますが、欧州の王朝の家計は複雑怪奇です。複雑な家系故に、王や女王の死後に、
「我こそが正当なる王位継承者」
  と、名乗り出る王族(外国人含む)が存在し、欧州諸国は戦争に明け暮れることになりました
 
  これは「想像」ですが、カエサルのブリタニア侵攻以前に、例えばケルト系のスコット人が各地の豪族(クラン)と姻戚関係を結びつつ、「スコットランド王室」は男系継承を貫き、余計な関係を他国の王室と結ぶこともなく、ブリテン島を穏やかに統一し、その後のローマ人、アングル人、サクソン人、デーン人、フランス人(ノルマン人)の侵攻を退け、大陸で頻発する「継承戦争」から距離を置き、悠久の時を積み重ねてきたならば、世界の歴史はどのように変わったでしょうか。

 分かりません。

 分かりませんが、論理的にはブリテン島は「統一王国」となっており、現在のスコットランド独立運動に代表される「国民国家の揺らぎ」は存在しなかったのではないでしょうか

 現在の日本において、山門国(いわゆる邪馬台国)や熊襲、隼人などに住む人々が、独立運動を起こすなど、想像もできません。

 日本とスコットランド(&イングランド)の歴史を比較すると、余計な王族を作らず、外国の王族と婚姻することもなく、日本人男性を皇族から排除した「男系天皇」を貫いた我々の先祖は、恐ろしく頭がよかったのだと思います。日本で「○○継承戦争」が起きるなど、想像もできません。というか、起きません。
 
 複雑怪奇な血脈で結びついた欧州では、王位継承戦争が絶えなかった。
 男系の皇統を貫いた我が国では、継承戦争は一度も起きていない。

 この「現実」を、日本国民は理解する必要があります。現在の日本国が、曲がりなりにも「一つの国」の「同じ国民」としてナショナリズムを共有し、「熊襲独立運動」といったバカな話が浮上してこないのは、まさしく男系皇統のおかげなのです。(縄文文明が続いた沖縄や北海道については、自作「自民党の消滅」で解説しています)。
 
 王家の血脈が複雑に交じり合った欧州、スコットランドに来て、改めて日本の男系の「賢さ」に気が付いたのでございます。
 
「日本の男系の皇統を守ろう!」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。