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『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

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12月21日(土)シンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」が開催されます。
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三橋TV第161回【今、日本国民が知らなければならない災害、防災の現実】

https://youtu.be/euUnSpSAzLw

 

 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
 
 本日、英国に発ちます。

 桜の番組でも話しましたが、政策の正しさと「民主制」における正しさ(堀茂樹先生の言う「正統」)は別の話です。最終的に、
「多数決で決めましょう」
 という約束になっている民主制においては、多数決で勝った方が「正統」になります。

 この話はむしろ、「多数決で勝っても正しくない」と主張することが、何を意味するか想像すれば理解できます。

 個人の価値観はバラバラです。あなたと100%価値観を共有する人間は、一人もいません。

 「最大の共同体」である国家の政策を決める上で、価値観がバラバラな人間が「特定の方式で決める」ことを事前に定める。日本の民主制の場合は、それが投票と多数決なのです。

 多数決で特定の政策が決まったとして、それに異を唱え、「多数決に意味がない」「数の暴力だ!」と叫び、自らの価値観を押し通すということは、
「結局、我々はいかにして国家の政策を決めればいいのか?」
 という疑問に突き当たらざるを得ないのです。

 多数決で否定されたにも関わらず、あなたの意見を強引に押し通すためにはどうしたらいいのですか? テロか革命くらいしか思いつきません(他に何かある?)。

 それよりは、多数決による民主制の方が、まだしも「マシ」でしょう? という話に過ぎません。
「多数決で決まったことは、必ず正しいのか!」
 と、反発される方が多いでしょうが、多数決で決まったことが常に正しいはずがありません。とはいえ、日本が民主制を採用している以上、多数決で「決めること」は正しいのです。

 以前、テレビ番組で安倍政権を批判する視聴者に(わたくしも批判していましたが)、
「安倍総理が気に入らないならば、選挙で落とせばいい」
 と言ったところ、ツイートで、
「それができないから問題なんだ」
 という反論を受けたので、吃驚しました。

 いや、安倍総理が選挙で落選しないのは、別に問題ではありません。何しろ、民主制において多数決で選ばれた国会議員なのです。安倍総理は「正統」です

 総理が選挙に強いからといって、政治家を選挙以外の手段で権力の座から追い落とすという「発想」に、わたくしはビビったのです。テロか暗殺くらいしか想像できません。

 安倍総理を議員の座から引きずり下ろしたいならば、総理の選挙区において「安倍総理を落選させたい派」で多数派を形成するしかない。そして、これは決して実現「不可能」ではない。だからこそ、民主制は他の制度より「マシ」という話なのでございます。

 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】
※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
『「消費減税」の旗のもと、集まりつつある野党陣営。注目は立憲民主党の動向
■共産党、国民民主党と基本合意、野党結集まであともう一歩!?
 山本太郎・れいわ新選組代表が、9月の北海道ツアーに続く第2弾の九州ツアー(10月15日~28日)を行った。
 山本代表が「消費税5%減税」を旗印にした野党結集・政権交代を訴えると、聴衆から大きな拍手が沸き起こった。その直後の10月30日には、同じ考えを持つ馬淵澄夫・元国交大臣と超党派勉強会の「減税研究会」を設立。初回会合に現職議員22名が参加した。
 そして翌10月31日には国民民主党の玉木雄一郎代表とネット番組「たまきチャンネル」で対談。消費税5%減税を含む経済政策全般で意気投合したのだ。
 すでに、共産党の志位和夫委員長とは9月12日の党首会談で消費税廃止を目標にすることで一致していた。旗印の「5%減税」についても「選択肢の一つ」(志位委員長)と賛同を得ていたが、 玉木代表との“ネット党首会談”でも両者の意見は同じだった。
 共産党に続いて、国民民主党とも実質的な基本合意に至ったに等しい。野党第1党の立憲民主党の対応が注目されるが、「5%減税」旗印の野党結集までもう一段階というところまでステップアップしたといえる。(後略)』
 
 先日の参議院選挙で消費税増税を掲げた自民党が勝利したのは、政策として正しいとは全く思いませんが、民主制においては「正統」なのです。

 ならば、負けた方は、
「消費税増税は正しくない! 多数決で勝ったからといって、安倍政権は正しくない」
 などと叫ぶのではなく(多数決で勝った安倍総理は正統です)、消費税減税・廃止の勢力で「多数派」を形成するよう動かなければならないのです。多数決で勝たない限り、消費税減税・廃止は「正統」にはなりません。

 今回、野党が「消費減税」の旗の下で結集しようとしている。これで、良いのです。

 また、民主制において大切なのは、桜の番組でも語りましたが、負けた側が「同じ国民の多数派が選んだのだから」と、一種の諦め的な納得感を持つことです。そのためには、多数決で投票する人々が「同じ国民なのだから」というナショナリズムを共有していなければなりません。というか、ナショナリズム以外に、我々が少数派で負けた際に、自分を納得させる「理由」はありません(何か、他にあります?)

 大東亜戦争敗北後の我が国は、この「同じ国民という意識」つまりはナショナリズムを破壊されてきた。民主制が健全には成立し難い状況に追い込まれているのだと思います。

 結果、負けた側が、
自分の意見は違うけど、同じ国民が選んだなら仕方がない。次の機会までに、正しい(と自分が思う)政策が通るよう、多数派を形成しよう
 と、民主制的に「正統」なことを考えることができなくなっているように思えます。

 さて、本日、イギリスに向かいます。近代民主制発祥の地で、人類の歴史を変える可能性が高い「総選挙」の選挙戦について、この目で見てきたいと思います。
 
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