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『現代貨幣理論入門ー税金の真実ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.24
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三橋TV第148回【映画と政治 トランプ大統領vs.ハリウッド】
台風19号が日本列島に接近してきています。
気象庁によると、明日の土曜日、夕方から夜にかけ東日本に接近し、上陸の恐れがあるとのことです。
豪雨や豪風に厳重な警戒が必要です。
気象庁によると、明日の土曜日、夕方から夜にかけ東日本に接近し、上陸の恐れがあるとのことです。
豪雨や豪風に厳重な警戒が必要です。
特に、千葉県など台風15号の被災地は、復旧が途上の所にさらに台風が襲い掛かるわけで、大変、心配です。
個人的にかなり気になるのが、安倍総理大臣が国会答弁で台風19号に対する「事前の備え」を国民に呼びかけたことです。
『首相、台風19号に「先手で対策講じる」 衆院予算委
安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で、大型で猛烈な台風19号への対応について「警戒態勢を強化している。台風15号の経験も踏まえ、具体的対策を確認し先手先手で講じていく」と述べた。
首相は、暴風域に入る可能性がある地域の住民に向け「最新の情報に十分注意し、早めに事前の備えをお願いしたい」と呼びかけた。(後略)』
安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で、大型で猛烈な台風19号への対応について「警戒態勢を強化している。台風15号の経験も踏まえ、具体的対策を確認し先手先手で講じていく」と述べた。
首相は、暴風域に入る可能性がある地域の住民に向け「最新の情報に十分注意し、早めに事前の備えをお願いしたい」と呼びかけた。(後略)』
いや、もちろん、総理が発言することで、国民の台風に対する警戒心を高め、特に人命への被害を少しでも減らせるかも知れませんが、本来的な「政治」の役割は、「呼びかけ」ではありません。
予算を講じ、事前の備え、被害発生後の復旧力を高めることです。
自然災害が発生するたびに思うのですが、被災地に国会議員が赴き、記念撮影をしてSNSに載せることは、「政治」の役割ではないでしょう。
自助、共助、公助、という言葉があります。
本エントリーでは、自助を「自ら助ける」、共助を地域コミュニティ、さらには自治体による助け、公助を「中央政府が助ける」と定義します。
本エントリーでは、自助を「自ら助ける」、共助を地域コミュニティ、さらには自治体による助け、公助を「中央政府が助ける」と定義します。
97年の橋本緊縮財政以降の日本は、「公助」を縮小することを基本方針としてきました。
97年の「財政構造改革法」以降、日本政府は基本的には「支出抑制」を推進し、
「何かが増えるならば、他を削る(もしくは増税する)」
プライマリーバランス黒字化路線を突き進んでいきます。(PB目標が閣議決定されたのは、小泉内閣以降)
プライマリーバランス黒字化路線を突き進んでいきます。(PB目標が閣議決定されたのは、小泉内閣以降)
日本の場合、高齢化で社会保障支出が増えていくため、他の支出は「国民の生命を守る防災」であっても、削らざるを得ません。
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。
さらに、2013年6月の骨太の方針2013以降は、日本政府は明確に「PB赤字の縮小」を始め、
「国防」
「防災」
「交通インフラ整備」
「教育」
「地方発展」
「食料安全保障」
「科学技術振興」
「エネルギー安全保障」
といった「公助」でなければ不可能な分野の予算が容赦なく削減されていきました。
「国防」
「防災」
「交通インフラ整備」
「教育」
「地方発展」
「食料安全保障」
「科学技術振興」
「エネルギー安全保障」
といった「公助」でなければ不可能な分野の予算が容赦なく削減されていきました。
特に割を食ったのが「地方発展」の部分で、公共投資によるインフラ整備は先送りされ、さらに地方交付税が減額されたため、(本エントリーで言う)共助の維持が不可能になっていきます。
地方公務員全体の数が減らされるのはもちろん、非正規雇用が増えていき、今や二割以上が非正規。当たり前ですが、「行政の質」は低下せざるを得ません。
とはいえ、昨日の北村誠吾地方創生担当相の発言ではないですが、政府は、
「全国各地の主体的な取り組みを後押しすることで、地方が主役となるような地方創生を実現する」
と、地方経済を各自治体に丸投げ。
それはまあ、地方交付税を減らし続けている以上、
「それぞれの地方が自力で頑張れや」
としか、言いようがないのでしょう。
同じことが、「防災」の面でも見えているように思えてなりません。
すでに、2013年時点で国土強靭化基本法が成立しているにもかかわらず、政府は予算を付けず、国民の生命や安全、財産が「災害」により失われることを、あたかも「自己責任」であるかの「政治方針」を貫いた。
ここでいう「政治方針」とは、具体的に予算を増やし、土木・建設の供給能力拡大に努めたか。特に重要なエネルギー供給について、政府が予算を使い、各電力会社のサービス供給能力の強靭化に努めたのか、という意味になります。
ご存知の通り、やっていません。何しろ、予算がない以上、どうにもなりません。
とはいえ、さすがに、
「国民が災害で死ぬのは、自己責任」
とは政治家は言えないため、口先だけでは、
「警戒態勢を強化している。台風15号の経験も踏まえ、具体的対策を確認し先手先手で講じていく」
と綺麗ごとを言い、災害が起きると現場に強引に乗り込み、写真を撮って、
「ほら、被災地に来ていますよ。努力していますよ~」
というポーズだけをとる。
違うでしょ! 安倍総理を含め、政治家が本気で国民のことを考えているならば、「PB黒字化目標」という狂った目標を破棄し、「追加的」に防災のために予算を講じることです。普通に建設国債を発行すれば済む話です。
それにも関わらず、相次ぐ災害を受けてなお、政治家から「建設国債を増発しよう」という声が全く聞こえてこない。
申し訳ないですが、冒頭の総理の国会答弁における発言は、
「建設国債発行による正しい防災強化はしないし、カネも使わないけど、とりあえず何かやっているふりをしなければならないから、それっぽいことを言っておくよ」
にしか見えないのです。
世界屈指の自然災害大国において、我々国民の生命や財産を守るのは、「公助」、具体的には「国債発行と政府支出」しかないのです。
安倍総理が本気で「具体的な対策を講じる」と思っているならば、いの一番にやるべきことは、PB黒字化目標の破棄、財政均衡主義からの転換です。
日本国民は、この災害列島において「公助」無しでは生きていくことができない。この現実から目をそらすのは、いい加減いやめて下さい。
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