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『現代貨幣理論入門ー税金の真実ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.24

 

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三橋TV第145回【財務省のADAMSⅡと貨幣の真相】

https://youtu.be/ESnIiF0oqTY

 

 最悪・災厄・最凶の税制と断言できる消費税の税率が10%に引き上げられ、経済同友会の桜田謙悟代表幹事が、
「(消費税率は)25年に14%以上が望ましい」
 と、発言し、増税直前には池上彰が、
「(消費税率は)将来、35%に切り上げしないと国が持たない」
 と、テレビで解説。すでに、消費税率の更なる引き上げの議論が始まっています

 これは、当然なのです。
 
【日本の一般政府・民間・海外の収支(対GDP比%、2018年以降は見込み)】
http://mtdata.jp/data_66.html#syusi
 
 財務省の「省是」たるPB黒字化目標2025年達成のためには、海外に「リーマンショック前の外需絶頂期」以上の赤字(日本の貿易黒字)を負ってもらわなければなりませんが、現時点ですでに「不可能」であると確定しています。(というか、初めから不可能だった)

 となると、「政府の赤字縮小=国民の黒字縮小」にならざるを得ません。

 つまりは、更なる消費税増税と政府支出削減が必須という話になってしまうのです。海外の赤字が拡大しない状況で、政府のPBを黒字化するには、日本国民・企業の黒字を縮小し、赤字化に向かわせる以外に方法がありません

 消費税率を引き上げると同時に、社会保障増加分を補うべく、公共投資、防衛費、教育支出、地方交付税、科学技術振興費など、全ての支出を「一律削減」。
 
 もっとも、政府の支出=国民の所得、であるため、政府の支出削減は国民の所得、つまりはGDPを減らします。すると、税収も減少(我々は所得から税金を支払うため)。結局、PB黒字化は遠ざかり、
「更なる増税! 更なる政府支出削減!」
 という、狂気の悪循環を続けることになります。亡国の日に至るまで。

 亡国を回避するためには、国民や政治家が「貨幣」「財政」「経済」「税金」等に関する正しい知識を身に着けるしかありません。そのためには、
 
◆国民経済において、最も重要なのは「需要を満たす供給能力」である。
◆国民経済において、貨幣は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。
◆国民経済において、誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。
◆国民経済において、誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。
◆現代世界において、国家が発行する貨幣の裏づけは「供給能力」である。
 
 最低でも、上記、国民経済の五原則を頭に叩き込む必要があります。ちなみに、上記はMMT(現代貨幣理論)の骨子とほぼ同じですが、わたくし共は日本国内において、10年以上前から同じことを言い続けてきたわけでございます。

 が、日本人が何を言っても、聞いてくれないのが日本人でございます。このタイミングで、MMTという黒船が来航したことは、まだしも僥倖と言えるのかも知れません。
 
 京都大学レジリエンス実践ユニット主催「与野党全国会議員対象「MMT勉強会」」が開催されます。皆様、是非とも地元の国会議員に教えてあげて下さい。
http://mtdata.jp/MMT4.pdf
(※以前とURLが変わっています。お気をつけください)
 
 『MMT 現代貨幣理論入門』の著者であるランダル・レイ教授が来日し、京都と東京でシンポジウム&研究会が開催されます。
 
MMT国際シンポジウム2――現代貨幣理論と日本経済(京都大学レジリエンス実践ユニット主催/東洋経済新報社協力)
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。
 
『軽減税率やポイント還元にだまされるな!藤井聡・京大教授が語る消費増税の本当に怖い話〈週刊朝日〉
(前略)こうしたことには、多くの専門家が疑問を投げかけている。消費増税に一貫して反対してきた藤井聡・京都大大学院工学研究科教授は、軽減税率の意味はないと手厳しい。
「もはや『焼け石に水』で効果はありません。お店や消費者が混乱することにメディアの関心が向くのは分かりますが、そうしている間にみなさんの賃金がどんどん下がります。軽減税率のような“目くらまし”にだまされてはいけません。中長期的に毎年数十万円もの現金を取られることの方が、むかつくはずです」
 藤井教授によると、これから消費と実質賃金が落ち込むという。
実質賃金が2%下落すれば、年500万円の所得がある人は確実に10万円は失う。賃金が下がると消費が下がり、消費が下がると賃金も下がるというデフレスパイラルが進行します。トータルでは実質賃金はおよそ4%は減ると私は見ています。所得が年500万円の人は20万円の現金が入った財布を落とすのと同じです。それが毎年続くと考えて下さい。国民生活には相当の痛手となり、貧困化が進みます」
 藤井教授は、日本経済の余裕がない最悪のタイミングで増税が行われたと指摘する。
「今年、百貨店の閉店数は2ケタになりましたが、リーマン・ショック以来のことです。リーマン・ショック級の冷え込みがあるなかで増税を行うのですから、日本経済は破壊的なダメージを受けます。はっきり言って、これは人災です。政権によって引き起こされた経済災害なのです。中長期的に見れば、消費増税のせいで税収が減り、社会保障費の財源が縮小します。多くの人は景気が悪くなっても、財政の健全化のために増税が必要だと思っていますが、それは大きな間違いです」
 欧州などでは消費税率は日本より高く、増税は世界的潮流だとも言われるが、藤井教授はこう反論する。
「増税すべきかどうかの判断は、税率が高いか低いかではありません。ひとえに景気がいいか悪いかだけです。景気が悪い時に増税をすると、経済は確実に疲弊します。景気が良ければ増税しても大した影響は受けません。マレーシアや英国などでは景気の低迷期に減税しています。景気が悪い時に増税するのは理性がないとしか思えません。政府は機動的な経済対策を実行し、『万全を期す』と言っていますよね。そうであるならば、消費の下落もないでしょう。メディアはそこを検証するべきです。万全を期していたかどうかは、今年中に分かるはずです」(後略)』
 
 実質賃金は、2019年に入って以降、一度も対前年比でプラスになったことはありません。

 内閣府が9月12日に発表した7月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は前月比6.6%減。
 日本工作機械工業会(日工会)は9月26日、2019年の受注見通しを下方修正し、対前年比では31.2%減(!)となり、リーマン・ショックで受注が急減した2009年以来の落ち込みとなるとの見込みを発表

 景気動向指数を見ると、速報値段階で有効求人倍率が1.59と低迷し、8月の景気判断について「悪化」と判断する条件が全て揃いました。内閣府は、10月7日に景気判断を「悪化」と発表するでしょう(しなかったら、凄いですが、さすがにもう無理でしょう)

 日銀短観の9月調査では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス5と、前回(6月)調査のプラス7から悪化。悪化は3期連続で、2013年6月調査以来の低水準となります。

 過去の日本の消費税増税は、
「景気が上向いてきたところで、増税でぶち壊す」
 というパターンでした。

 ところが、今回は明らかに景気が悪化しているタイミングでの増税。しかも、2020年の五輪不況の最中に「もう一度(20年7月1日)再増税となるわけです。

 戦慄せざるを得ません。
 
 重要なのは、アベ・ショックが起きるかどうか、ではありません。アベ・ショックについて、「米中貿易戦争が~」「ブレグジットが~」「天候が~」「エアコンが~」「災害が~」と、政権の責任転嫁を封じることです。

 確実に起きるアベ・ショックは、間違いなく「緊縮財政路線」を継続した安倍政権の責任なのです。その上で、「次」こそ財務省の緊縮財政j至上主義を打ち壊せる「政治」を実現しない限り、我が国に繁栄の未来はありません。

 消費税廃止を! 財政拡大を!
 
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