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『現代貨幣理論入門ー税金の真実ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.24

 

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三橋TV第144回【ブレグジットと民主制の本質】

https://youtu.be/Gy6glGAMPv0

 

 2019年10月1日、ついに消費税率が10%に引き上げられました。

 本日から、わたくしはこれまで以上に「消費税廃止」を訴えていきたいと思うのですが、とりあえず直近の日本経済は大変なことになりそうです。

 日本百貨店協会によると、8月の全国百貨店売上高は対前年比2.3%増。五か月ぶりのプラスで、高額商品の販売が好調だったため、駆け込み消費がゼロというわけではありません。とはいえ、14年増税時は、同じ時期の売上高が対前年比25%で伸びていたのです。

 以前から繰り返している通り、「14年とは比較にならないショボい駆け込み消費があった後に、以前と同じように大きく実質消費が落ち込み、その後は横ばいのL字型低迷になる」可能性が濃厚です。

 消費税増税推進派の財界人、日本商工会議所の三村明夫会頭が、
「驚くべきほど駆け込み需要が少なかった」
「政府も様々な対策を講じており、駆け込み需要がなかった分、消費の反動減も比較的少なくて済むのではないか」
 と、発言しています。まさに、大東亜戦争末期の日本化してきました
 
 そもそも、14年増税時にしても、駆け込み消費分を「上回る消費の落ち込み」になり、それが継続するというL字型低迷になりました(今も続いています)。別に、駆け込み消費分「だけ」落ち込んで、その後は戻るという話ではありません。

 国民の貧困化により、増税前の駆け込み消費「すら」できないにも関わらず、「いや、政府の政策が巧くいっているためだ」と強弁し、破滅へ目掛けて突っ走る。 

 そもそも、政府の需要縮小対策は10月1日以降に始まるのです。しかも、内容に精通している国民は極々少数派でしょう。

「10月の増税後に政府の政策があるから、今回は駆け込み消費は控えよう」
 などと、意味不明なことを考えた国民は、間違いなく「一人もいない」ですよ。単に、カネがないから、駆け込みできないだけです。

 さて、消費税廃止運動を始めるに際し、まずは今回の異様なショック・ドクトリンについて、室伏先生が書かれていてので、ご紹介。
 

『消費税増税のポイント還元は「どうしようもない愚策」と断言できる理由 室伏謙一:室伏政策研究室代表・政策コンサルタント

 消費税増税の影響緩和策として目玉の一つとされているのが、消費税分の一部をキャッシュレスのポイントで還元するというものだ。しかし、これには大きな問題がある。その本質と理由を解説する。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
◆消費税増税ポイント還元は何が問題なのか
 10月1日の消費税率の8%から10%への引き上げを目前に控え、駆け込み需要が一気に増えるかと思いきや限定的で、9月頭の段階で麻生太郎財務大臣をはじめ関係閣僚も増税前の大幅な駆け込み需要が生じていないことを認めている(駆け込みがないから反動減もない、などとも話しているようだ…)。
 もっとも、その理由の一つとして増税対策を講じていることが挙げられており、そもそも消費が冷え込んでいるから駆け込み買いすらもできないとは考えられていないようだ(家計調査の結果を見ても、平成30年の平均で前年比〈季節調整値〉で実質1.0%の減少、直近の調査結果でも令和元年6月は前月比〈同〉で実質2.8%の減少、7月は前月比〈同〉で実質0.9%の減少である。なぜ消費の冷え込みという理由を考えないのか、不思議で仕方がないが、「不都合な真実」ということなのだろう)。
 さて、その増税対策、軽減税率をはじめ、いくつか用意されているが、中でも目玉の一つとされているのが、消費税分の一部をキャッシュレスのポイントで還元するというものである。
 これについて、8月16日の東京MXテレビの朝の番組「モーニングCROSS」の「オピニオンCROSS neo」のコーナーで批判的に話したところ、大きな反響が得られた。
 もっとも、テレビ番組では時間が限られている中、口頭での説明が中心であるため舌足らずなところがあったとも考えられる。もちろんご覧になれなかった方も多くいらっしゃると思われるので、増税前のこのタイミングで、消費税増税ポイント還元の本質はどのようなもので何が問題なのかといった点について、改めて解説することにしたい。(後略)』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※10月1日から、長浜浩明先生の特別コンテンツ「日本人はどこから来たのか?」が視聴可能となりました。

 後略部で室伏先生が解説されていますが、ポイントは、

◆キャッシュレス決済によるポイント還元(値引き分)は、政府が負担する
◆キャッシュレスの端末導入費用の3分の1を決済事業者が負担し、3分の2は政府の補助で、対象店舗の負担はゼロ
◆キャッシュレス決済の手数料は上限3.25%で、3分の1は政府の補助
 
 と、一見、政府の支出により小売店の負担は小さいように思えますが、問題は、
 
ポイント還元制度は、2020年6月末で終了
◆2020年7月1日以降、キャッシュレス決済の手数料は自由化。決済事業者が値上げをしたとしても、小売店は言われるがままに負担しなければならない

 つまりは、消費税増税というショックを利用し、キャッシュレス決済事業者が小売店を囲い込み、2020年7月1日以降は「チャリン、チャリン」と手数料収入で潤う、いや「潤い続ける」仕組みになっているのです。

 もちろん、20年7月1日以降に、小売店がキャッシュレスを止める自由はありますが、一度、キャッシュレス決済が普及してしまうと、「今更止める」という選択は採りにくくなります。

 室伏先生が書かれている通り、

『(引用)一方で中小・零細企業は増税分を転嫁できず、粗利が減ることになるのは確実。そこにさらにキャッシュレス決済導入で手数料を徴収されたら、粗利減と合わせて5%以上利益が吹き飛ぶことになりかねない。

 と、最悪の状況に陥り、小売店の廃業が相次ぐことになりそうです。

 しかも、消費者側にとっても、ポイント還元が終了する20年6月30日の翌日、7月1日に事実上の「再増税」。
 五輪不況が確実な時期に、消費税再増税となるわけです。
 
 これも室伏先生が書かれていますが、そもそも、
「中国はキャッシュレス決済が進んでいる。日本は遅れている」
 といった考え方は、中国では人民元紙幣が信用されておらず(偽札が多いため)、さらには独裁政権が国民の支出を把握するという中共の政治目的を無視しています。

 ともあれ、とりあえず「日本はキャッシュレス決済が普及していない。遅れている」というレトリックでキャッシュレス化を強引に進めれば、決済事業者というプラットフォーマーが未来永劫、儲け続けることができる。

 この、我々の目の前で起きている「現実」を把握し、消費税廃止の声を高めていかなければなりません。

 消費税にはもう一つ、今までは触れてこなかった恐るべき事実があるのですが、明日、解説します。
 
 とりあえず、皆様も今回の増税を切っ掛けに、消費税廃止の声を上げて下さい
 
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