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『現代貨幣理論入門ー貨幣ピラミッドー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.17

 

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三橋TV第139回【視聴すると現代の貨幣の本質が分かるよ】

https://youtu.be/SXLftIb5Vg8

 

 本日は、チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
 
 わたくしは、あまり「うわっ!この人、凄い!」と思ったりはしない人間なのですが、この人(平川克美氏)は凄い!
 
『実録!「連帯保証人」になってわかったMMTの本質 会社を畳んで考えた「貨幣とは負債である」
◆貨幣論のない経済学
 不思議に思っていたことがある。
 経済学の文献を渉猟していると、市場の動向と金融政策に関する詳細な分析はあるのだが、貨幣論が見当たらないのだ。
 私は経済学に関してはまったくの素人だが、貨幣、負債、信用については長い間考えてきた。20代で起業して以来、ずっと負債を抱えながら事業を続けてきたから、こうしたテーマは身近で、生々しいのである。
 そのうえで言うのだが、経済とは、私にとっては、貨幣現象であり貨幣論抜きには語りえないものであった。
 私は貨幣に関する知見を、経済学からではなく、経営の現場や複式簿記から学んできた。そして貨幣論に関する知見は主に文化人類学の書籍の中に見いだすことになった。
 人類学のフィールドワークは、貨幣交換の先駆的形態としての物々交換社会など存在していないことや、部族社会における贈与、蕩尽、ポトラッチ(贈答交換)、沈黙交易、クラ交易(儀礼的交換)といった習俗の中にすでに前貨幣的な経済が息づいていたことを報告している。
 そして喜捨、お中元、お歳暮といった贈答の習慣からバレンタインデーのチョコレートに至るまで、この世界には等価交換とは異なる交換が今でも生き続けている。
 貨幣は、等価交換を促進する万能の商品であり、貨幣こそが経済を発展させてきたという伝統的な考え方には、根本的な錯誤がある。
 私は、「貨幣とは負債である」という考え方をデヴィッド・グレーバーの『負債論』で知り、これこそ、現代の貨幣を最も明快に語っていると膝を打った。貨幣はモノや商品である以前に、負債関係の尺度なのだ。
 私は、そのときはまだMMTについてほとんど知識がなく、その理論も知らなかったが、今読み返してみれば、グレーバーの貨幣論の背景にはMMTがあったのは明らかである。
 さて、「貨幣とは負債」だとするならば、誰でも貨幣を作れることになるではないか。
 そんなバカなことがあるかという反論があるかもしれない。貨幣が負債だとしても、負債が貨幣というわけではない。負債が貨幣として機能するためには、その負債が第三者に譲渡できなければならない。
 つまり、譲渡可能な負債だけが貨幣として機能する。第三者は、譲渡された負債である「借用書」をしかるべき機関に持ち込めば、いつでも現金に換えることが可能になる。
 国家で流通する貨幣の場合、この譲渡可能性は何によって担保されるのか。ここが難問だった。(後略)』
 
 少し長いですが、是非、全文をお読みになってください。貨幣の本質について、恐ろしく分かりやすく解説していらっしゃいます。
 
 ちなみに、誤解されている人が多いですが、わたくしは「貨幣論」についてMMTではなく、フェリックス・マーティン「21世紀の貨幣論」から大きな影響を受けています。「日本人が本当は知らないお金の話」は、それまでの貨幣に関する認識「おカネは債務と債権の記録」と、マーティンの理論で補強する形で書きました。

 なぜ、わたくしが以前から「おカネは債務と債権の記録」と認識し、そう説明していたのかと言えば、実際にそうだからです。バランスシートを理解していれば、誰でも気が付きます。自らの資産が、別の誰かの負債であることに。(平川氏と同じく、実務で知ったのです)

 というわけで、
「現金紙幣は日銀の負債です」
 と、十年前から力説していたわけです。理由は、
「現金紙幣は、日銀の負債」
「誰かの資産は、誰かの負債」
 であることを理解してもらえば、「国の借金」とやらが、「誰かの資産」であることが分かるためです。国の借金ならぬ、政府の負債が「政府貨幣発行残高」であることを理解できれば、日本で「財政破綻」が起き得ないことが分かります。

 その後、マーティンやMMTを学び、より洗練されたレトリックに仕立て上げるように、日々、研鑽を積んでいるのでございます。

 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※12月12-13日、邪馬台国視察ツアー「歴史に魅せられて、マイと辿る邪馬台国への道」開催決定!(三橋貴明、長浜浩明先生、高家望愛さんも同行します)
 
 先日の台風15号のような災害が、日本では二度と起きないように、電柱を地中化する。送電線網を強化する。日本全国で、建物やインフラを耐震化する。

 あるいは、防衛力を強化する。北朝鮮や中華人民共和国の脅威から、国民を守る。

 困窮する若者世代を救う。奨学金を免除し、新世代が「借金」を背負ったまま、社会人生活をスタートしなければならない惨状を解消する。

 氷河期世代を「公的雇用」で雇い、人生をやり直してもらう。母数が多い世代の所得水準を大幅に引き上げ、婚姻率を高めれば、少子化も解消します。

 激増する高齢者の貧困層、あるいはシングルマザーなど、日々の生活に困っている「同じ国民」を救う。

 東京一極集中や人手不足を解消するために、政府が公共投資、技術投資を拡大。国民の地方分散や生産性向上を達成する。

 ILCを始め、科学技術投資を拡大し、教育予算も増やす

「教育支出対GDP比が、OECD諸国の中で最低な国」
「主要国の中で、唯一、研究開発予算を削っている国」
 という、情けない「オンリーワン」を解消する。

 国民の所得を増やし、消費を拡大することでデフレから脱却し、「生産性向上=実質賃金上昇」を伴う形で経済が成長していけば、社会保障の不安も消えます。(社会保障支出はカネではなく生産性の問題ですが、今の日本国民の多くは理解できないでしょう)

 繁栄する日本、幸福な日本国民は、実現できます。予算を支出する政府、供給能力を担う日本国民の力によって。

 とはいえ、現実には上記の政策の内、一つも実現できないでしょう。何しろ、緊縮財政という「国是」があります。

 緊縮財政を打破するためには、「クニノシャッキ~ンッ!」「ザイセイハタ~ン!」といったプロパガンダを打破しなければなりません。

 そのためには、まずは国民が「貨幣」について理解しなければならない。これが、結論です。

 というわけで、本日のチャンネル桜のテーマは「日本を繁栄に導くための、たった一つの必要知識」(仮)で、15分~20分で「貨幣」について解説します。

 今後も、しつこくやっていきます。皆様も、ご支援くださいませ。
 
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