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『政府、貨幣発行残高で破綻する(笑)(前半)』三橋貴明 AJER2019.8.20

 

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三橋TV第136回【アベ・ショック後の政治動乱に備えろ!】

https://youtu.be/QkJEA0rCEaY

 

 以前、吉川洋らの「景気いざなぎ超えという詐欺」に関連し、ヒストリカルDIについて解説しましたが、覚えていらっしゃるでしょうか。

 景気判断に採用される経済指標は頻繁に入れ替わりますが、とりあえず直近では、
● 生産指数(鉱工業)
● 鉱工業用生産財出荷指数
● 耐久消費財出荷指数
● 所定外労働時間指数(調査産業計)
● 投資出荷指数(除輸送機械
● 商業販売額(小売業)(前年同月比)
● 商業販売額(卸売業)(前年同月比)
● 営業利益(全産業)
● 有効求人倍率(除学卒)
 の九つが、景気の拡大、あるいは後退の認定の際に用いられている「ヒストリカルDI」の一致指標でございます。

 内閣府の景気動向指数研究会の資料には、

『「景気の山(谷)設定に当たっては、ヒストリカルDIが50%を下回る(上回る)直前の月を山(谷)候補とした上で、
 ①転換点を通過後、経済活動の収縮(拡大)がほとんどの経済部門に波及・浸透しているか(波及度)
 ②経済活動の収縮(拡大)の程度(量的な変化)
 ③景気拡張・後退の期間を全てみたしているか等について検討している。』

 と、説明されています。
 
 さて、このヒストリカルDIが、19年6月に「+」が「2/9」という惨状になりました。つまりは、「-」が七つ。50%を下回るどころじゃありません。
 さらに、7月も9月6日時点で判明している七つの内、六つが「-」。
 
 14年4月は、消費増税により、それまではほとんど「+」だったヒストリカルDIが、一気に七つが「-」になってしまいました。が、今回は、増税前の時点で、14年増税後の状況になっているのです。

 これは、洒落にならない。
 
実質賃金や消費者心理は延期時より悪化でも“増税強行”の愚
 来月1日の消費税率10%への引き上げが近づく中、厳しい経済環境を示す統計結果の発表が相次いでいる。安倍首相は過去2回、2015年10月と17年4月に予定されていた消費増税を延期しているが、増税予定月1年前の数値を比べてみると(別表)、現下の状況は延期時よりメタメタであることがよく分かる。
 厚労省の最新の「毎月勤労統計」(7月速報値)によれば、賃金の伸びに物価の変動を反映した実質賃金は前年同月比0・9%減で7カ月連続のマイナスだった。(後略)』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
※12月上旬、邪馬台国視察ツアー「歴史に魅せられて、マイと辿る邪馬台国への道」開催決定!(三橋貴明、長浜浩明先生、高家望愛さんも同行します)
 
【日本の実質賃金の推移(2015年=100)】
 
 例の統計詐欺問題以降、厚生労働省のページから長期の実質賃金のデータが消えてしまいましたので、わたくしが「2015年=100」「2010年=100」「2002年=100」のデータから連結しました。(合っていると思うけど、間違っていたらご指摘下さい。ソースはリンク先)

 ちなみに、2018年の実質賃金は国会調査では「▲0.4%」という試算が出されていますが、とりあえず厚労省発表の数値でグラフ化しました。

 上記は年度ではなく暦年のグラフですが、過去に四回、実質賃金が大きく下げた局面があるのが分かります。

 すなわち、
1.橋本政権が消費税増税、公共投資削減といった緊縮財政を強行し、日本がデフレに突っ込んだ97年以降
2.小泉政権前期の緊縮期(アメリカ不動産バブル前)
3.リーマンショック期
4.2014年の消費税増税期

 過去の四回は、「景気回復」の局面で、消費税増税や緊縮、経済ショックによって実質賃金が急落する。つまりは国民が貧困化したわけですが、今回は違います。

 今回は、景気動向指数が「景気後退」を示し、実質賃金が7月まで七か月連続で対前年比割れになっているところに、消費税増税なのです。
 というわけで、「アベ・ショック」が起きるのは、大変残念ながら避けれらないでしょう。

 過去の日本の政治は、経済ショックの後に大きく動きました。アベ・ショック後の政治動乱に備えなければなりません。わたくしはすでに、色々と試行錯誤中でございます。
 
「アベ・ショック後の政治動乱に備えよ!」と、思われた方は、
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