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『政府、貨幣発行残高で破綻する(笑)(前半)』三橋貴明 AJER2019.8.20

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三橋TV第132回【緊縮のためならば歴史も捏造するよん❤️】

https://youtu.be/lWTGW4lgPWw

 

 ビジネス社から「国民を豊かにする令和の政策大転換」を刊行いたしました。
 

 

 今年3月の山本太郎参議院議員との対談「絶対にTVでカットされる国債の真実」で、わたくしは18年の実質賃金について、
「厚生労働省は対前年比+0.2%で発表しているが、統計詐欺の影響を除くと▲0.6%」
 と、試算について説明していますが、先月初め、衆議院調査局が18年の実質賃金に関する「予備的調査」の結果を公表しています。▲0.4%とのことです。

 まだ、確報値ではありませんので、確定したら、また取り上げます。

 19年6月の実質賃金確報値は、対前年比▲0.5%。

 つまりは、最新統計が示す日本の現実は、
「18年の実質賃金が17年と比較し下がった上に、19年上半期は、一度も実質賃金が18年に届いていない」
 ということになります。

 これは、恐るべき事態です。
 
 実質賃金の低下とは、
「稼ぐ所得で買えるモノやサービスが減っていく」
 という話です。要するに、貧困化ですが、貧困化する日本国民は、もはや消費税増税前の駆け込み消費すら「不可能」な有様です。まあ、実質賃金が下がっていっている以上、当たり前ですが。
 
消費増税「駆け込み需要はない」菅官房長官
 菅義偉官房長官は2日の記者会見で、10月に予定する消費税率10%への引き上げにあたり「駆け込み(需要)というのはみられていない」との認識を示した。「前回8%に引き上げた際の経験を踏まえ、あらゆる施策を総動員して準備している」と強調した。』
 
 国民が貧困化し、駆け込み消費「すら」できない、と理解するのではなく、
「駆け込み消費がないから、消費増税後の需要の落ち込みもそれほどないぜ、やった~っ!」
 という話なのでしょうか。
 
 さすがに、経済界も悲鳴を上げ始めました。
 
『「増税より消費意欲伸びていないこと心配」経済同友会代表幹事
 経済同友会の櫻田代表幹事は3日の記者会見で「増税よりも消費意欲が伸びていないことが心配だ」と述べ、来月の消費税率の引き上げよりも、将来不安を背景とした消費意欲の弱さに懸念を示しました。
この中で櫻田代表幹事は「消費税率引き上げを前に駆け込み需要が起きていないというのは政府が対応してきたことも理由の一つで『山が低ければ谷が低い』というように、駆け込み需要の反動は少ないだろうと思っている」と述べました。
 そのうえで、櫻田代表幹事は「より心配しなければならないのは、消費増税の問題以上に消費意欲が伸びていないことだ。先日、政府が公的年金について財政検証をしたが、将来への不安が消費者の財布のひもを締めていて、そこに大きな課題があると思う」と述べ、年金などの社会保障制度について消費者が不安を感じていることが消費が伸びない背景だという認識を示しました。』
 
 消費に対する罰金を増やすことに賛成しておきながら、消費税増税による消費落ち込み(もはや確定でしょう)から目をそらし
「消費税増税より、消費意欲が伸びていないことが問題」
 と言ってのける。モノホンの「バカ」に思えてしまいますが、経済同友会は前代表幹事の小林喜光氏が、4月に、
「消費税率を10%台後半に引き上げる議論に早く着手すべきだ」
 と発言するほどの、財務省の犬でございますので、仕方がないのかも知れません。

 つまりは、消費税増税による消費の落ち込みを予見しつつ、「年金不安で消費意欲が伸びていないため。増税のせいではない」と、言い訳をするための布石を打っていると見えなくもありません。
 
 さらには、消費税増税ではなく、年金不安のせいで消費が縮小しているとなると、
「社会保障の不安を解消するために、更なる消費税増税!」
 のレトリックが使えますからね。

 いずれにせよ、10月1日以降、恐ろしい事態になります。

 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ「邪馬台国はどこにあったのか?(長浜浩明先生」)が、リリースになりました! 超絶的に面白いです。是非、ご入会下さい。
 
 消費税増税、五輪不況、さらには米中覇権戦争、ドイツ失速、ブレグジットによる外需縮小。日本が「アベ・ショック」に突入することは、残念ながらもはや避けられません。

 自民党が政権を失う、あるいは政権が倒れるのは、決まって「経済ショック」の後です。細川政権や鳩山政権は、バブル崩壊やリーマンショックという「危機」の後に誕生しました。橋本緊縮財政による経済デフレ化というショックは、政権交代は引き起こさなかったものの、橋本内閣は参院選で敗れ、倒れました。

 考えてみると、橋本政権の頃には、緊縮派が敗れても、自民党内で「財政拡大派」に"政権交代"ができていたわけです。リーマン・ショック後の麻生政権も、当時の麻生氏は頭が正気だったのか、正しく財政拡大をしました。

 ところが、今回はPB黒字化目標を掲げる安倍総理が、自民党内で相対的な財政拡大派という「最悪」の状況になっています。アベ・ショック後のポスト安倍と目されている人は、菅官房長官、小泉衆議院議員、岸田政調会長、石破元幹事長などなど、緊縮財政派、構造改革派だらけです。
 
 しかも、野党は野党でPB黒字化を目指す安倍政権を「放漫財政」と批判する。何というか、できの悪いカリカチュアを見ているようです。

 無論、安藤裕衆議院議員や西田昌司参議院議員など、MMTを理解している勢力が政権を握れるならば別ですが、少なくとも数年は難しいです。アベ・ショックは「来月」から始まるのです。

 というわけで、アベ・ショック後に恐らくは「自民党政権」ではない、反緊縮勢力が政権を握れるか、せめて政治的パワーを持ちれるかに、全てがかかっているのです。

 そのためには、まずは「現実」を理解しなければなりません。

 なぜ、緊縮財政と規制緩和、自由貿易は「トリニティ」で推進されるのか。その背後には、いかなる「思想」「考え方」があるのか。
 なぜ、日本ではグローバリズムのトリニティ、構造改革路線が終らないのか。

 「全て」を鳥瞰的に理解した上で、MMTに基づく財政拡大派を増やしていかなければなりません。緊縮財政と、移民受入と、農協解体論、公務員バッシングなどは、全て「同じ思想」に基づいている。

 過去に、ルサンチマン・プロパガンダや恐怖プロパガンダ、ストローマン戦術、レッテル貼り、木を見せ森を燃やすプロパガンダ、権威プロパガンダなど、様々なプロパガンダに国民が騙され、率先して構造改革路線に賛同した。このおかしな状況を打破するためには、個別の問題をミクロで理解するだけではダメなのです。

 というわけで、日本国民の現実に対する「マクロな理解」を推し進めるべく、わたくしは国民を豊かにする令和の政策大転換を刊行いたしました。
 
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