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『政府、貨幣発行残高で破綻する(笑)(前半)』三橋貴明 AJER2019.8.20

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三橋TV第131回【緊縮財政という“日本国家の店じまい”】

https://youtu.be/CsCLO-3Ng2M

 

 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。テーマは(仮)ですが「ルサンチマンとビジネス」。
 
 公務員に対する情けない国民のルサンチマンが、竹中平蔵氏を初めとするレント・シーカーに利用され
「公務員給与を削れ!」
「公務員数を減らせ!」
「天下りを撲滅しろ!」
 といった世論が醸成された結果、パソナを初めとする口入屋のビジネスを拡大させました
 
 ふと気が付くと、行政の窓口がパソナの派遣だらけ。

 行政窓口を含め、今や人材派遣市場は5.4兆円規模に膨れ上がり、過去十五年で五倍となりました。日本の派遣産業を「育てた」立役者の一人は、間違いなくルサンチマンにまみれた国民です。

 公務員を叩いたところで、自分の所得が増えるわけではないにも関わらず、マスコミに踊らされ、世界で最も公務員が(労働人口比で)少ない日本において、さらなる公務員削減、公務員予算削減の背中を押した。結果、公務員の非正規化、派遣社員化が進み、パソナが大喜び。

 同時に、日本の地方自治体は、もはやまともに行政サービスもできなくなりつつあります。国家の店じまいというわけですが、結果的にシェアリング・エコノミーという新たなレント・シーキングが蔓延しようとしている

 救えません。

 さらには、天下り批判を受け、公務員の再就職支援業務の民間開放が行われ、パソナは国家公務員の再就職斡旋ビジネスで、またもやぼろ儲け。

 公務員批判や天下り批判が、パソナのビジネス拡大に貢献したことは疑いないのです。

 もっとも、邪なビジネス、レント・シーキングは、何もルサンチマン・プロパガンダのみにより推進されたわけではありません。福島第一原発の事故も、ショック・ドクトリンというわけで、邪なビジネスに利用されました。

 原発停止によりエネルギー安全保障が揺らいだことを受け、原発の代替にはなりえない不安定電源である太陽光発電(及び風力発電)が発電した電気を、高価格、長期契約、かつ「需要と無関係」に買い取り、ツケ(費用)を国民に再エネ賦課金として押し付ける「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)」が始まったのです。

 当時、FITに反対し、「原発ゼロの真実」を書いたわたくしは、反原発の勢力はもちろん、自分のカネ儲け、ビジネスとしてFITを推進する勢力からも批判されました。

 FITの失敗は、すでに明らかで、というか始める前から明らかだったわけですが、先月5日、ついに経産省がFITの見直しを打ち出します。

 経産省の決定を受け、産経新聞に、やたらまともなFIT批判の記事が載ったのですが、
「もっと早く、批判してくれよ・・・」
 と、思わざるを得ません。(まあ、書かないよりははるかにマシだけど)

 

【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ「邪馬台国はどこにあったのか?(長浜浩明先生」)が、リリースになりました! 超絶的に面白いです。是非、ご入会下さい。
 
『「太陽光バブル」の終焉10+ 件 経産省、FIT見直し 野放図な拡大で利用者負担増
 九州で起きた「太陽光バブル」が終焉(しゅうえん)を迎える。経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを打ち出した。平成24年度に導入されたFITによって、再エネの野放図な拡大と、利用者負担の増大という当初から懸念されていたデメリットが、想定通りに起きた。導入から7年。軌道修正は遅きに失したといえる。
 経産省は今月5日、「国民負担額の増加」などを理由にFIT見直しの中間整理案をまとめ、有識者委員会から大筋で了承を得た。メガソーラー(大規模太陽光発電)や風力発電を買い取りから外す方針。
 FIT導入後、日照時間が長く、地価が比較的安い九州には、全国から業者が押し寄せ、われ先にとメガソーラー開発を進めた。
 何しろ「1キロワット時当たり42円」もの高価買い取りを、20年間も保証する制度設計だった。如才ない業者には、失敗のない投資話に映った。
 メガソーラーの建設ラッシュの影で、地域住民とのトラブルが多発した。(後略)』
 
 FITは、メガソーラに投資できる投資家に対し、日本国民の再エネ賦課金という所得を「移転する」仕組みです。日本のエネルギー安全保障は、FITによりむしろ弱体化しました。

 公務員の派遣社員化にせよ、FITにせよ、結局は日本国が、
 
【主流派経済学とケインズ系の経済学】
 
 の左側の「考え方」に支配されているという話すです。

 もっとも、さすがに、
「国民を貧しくするために、緊縮財政をしま~す!」
「我が社の(パソナ)のビジネス拡大のために、公務員を派遣かしま~す!」
「俺の利益最大化のために、エネルギー安全保障をぶち壊すFITを導入させま~す!」
 とは言えないため、
「国の借金で破綻する! 将来世代にツケを残すのですか!」
「公務員は多すぎる。公務員給与は高すぎる。国民よ、ルサンチマンをぶつけろ!」
「ゲンパツハンタ~イ! くり~んエネルギー万歳! エネルギー安全保障? 何、それ、美味しいの?」
 と、レトリックが言い換えられているわけですね

 というわけで、左側の「考え方」から右側にピボット(転換)しなければなりません。
 
 
 令和初の書籍、国民を豊かにする令和の政策大転換が、明日、発売になります。
 
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