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『MMTとハイパーインフレ論者(その2)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.9
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三橋TV第121回【政府貨幣発行残高が増えて破綻する(笑)】
 
 
 さて、もはや笑いだしたくなるほど、消費税増税の環境が「壊れていっている」日本でございますが、それでも普通に10月1日に消費税は強行されるでしょう

 消費税は、欠陥税制です。
 何しろ、消費に対する罰金なのです。

「違う!」
 という人には、
「じゃあ、炭素税は何? 二酸化炭素を排出する企業に罰金を課して、炭素を排出させないようにしようという税制でしょ?」
「タバコ税は? タバコを吸う人を減らして、健康を守るために罰金を課しているんじゃないの?」
 と質問した上で、「じゃあ、消費税は?」と聞けばいいのです。消費税は、消費に対する罰金です。つまりは、消費を減らすことが目的なのです。

 というわけで、97年に5%に消費税を引き上げ、罰金強化した以降、我が国の消費がどれだけ減ったか?(厳密には増えなかった、です) 藤井聡先生が試算されました。
 
『「消費税10%で日本は先進国から転落する」京大教授が指摘「5%に上げた時、6000兆円の消費が消えた」
 政府は10月からの消費増税を予定通り進める方針だ。しかし、8月5日の「モーニングCROSS」(MX系)では、京都大学大学院教授の藤井聡氏が「消費増税をすると日本は先進国から転落する」と警鐘を鳴らした。
 藤井氏は、消費の伸びが芳しくない中で消費増税をしてしまうと、ますます消費が落ち込み、景気がますます冷え込むという。(文:石川祐介)
「消費増税の破壊的インパクトはリーマンショック70個分」
 消費が増えることで経済成長し、給与が上がっていくものだが、日本は消費税を3%から5%へ上げた際、実質消費は著しく下がってしまったと指摘する。
「京都大学の試算によると、1997年の5%の増税がなかった場合、消費は非常に伸びていた。この増税のせいで6468兆円の消費が失われた。消費増税は大失敗。リーマンショックの被害はおよそ92兆円だったので、消費増税の破壊的インパクトはリーマンショック70個分なんですよ
 さらに、増税しなければ給与は今よりも高く、大学生の初任給でも30万円くらいはもらえていたと話し、「税率を上げることで景気が悪くなり、法人税や消費税が全部下がって日本国家は貧乏になった。こんな悪税は世の中に存在しない」と語気を強めた。(後略)』
 
 5%に上げた時、ではなく、5%に上げた「結果」でしょうが、
「本来、増えるはずだったが、消費税増税の結果、失われてしまった消費増」
 を累計すると、6000兆円はいくという話です。
 
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8月15日まで、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 消費税の問題は、「消費に対する罰金」という点に限りません。

 まずは、ビルトイン・スタビライザー(埋め込まれた安定化装置)の機能がない。景気が過熱しても、別に消費税は増えない。逆に、不景気でも減らない。つまりは、景気を安定化させるという、税金の機能の一つがないのです(そういう意味で、確かに安定財源とは表現できる。悪い意味で)。

 さらに、低所得者層と高所得者層の税率が同じであるため、格差拡大効果は抜群です! 高所得者層にとって、消費税率が8%だろうが、10%だろうが、どうでもいい話です。そもそも、買い物の際に値札を見ませんので。

 とはいえ、消費性向が高い低所得者層にとって、消費増税は「可処分所得を奪い取る」行為です。

 しかも、日本は高所得者層を利する法人税減税と、低所得者層を苦しめる消費税増税を同時に進めてきました。

 法人税を引き下げ、企業の純利益を拡大すると、配当金や自社株買いで高所得者層の金融所得が増える(しかも、分離課税(怒)!)。法人税収が減った分、
「税金は薄く広く、平等に負担しましょう」
 といった美辞麗句の下、負担が国民に押し付けられる。

 法人税減税+消費税増税は、国民から「株式に投資できる高所得者層」への所得移転なのです。「高所得者層」には、外国人投資家が多く含まれているのは今更言うまでもありません。

 加えて、消費税増税は、デフレの国では、
「物価は強制的に引き上げられるが、給与は上がらない」
 というわけで、実質賃金を思いっきり引き下げます。国民が貧困化している状況で「貧困化政策」を重ねてくるのです。
 
 さらには、デフレ長期化という形で、悪影響が長期に及ぶ。すでに22年間も苦しめられたにも関わらず、再増税。

 狂気の国。
 改めて整理すると、消費税が「とんでもない税金」であることが分かると思います。
 
 これだけ外部環境、内部環境が悪化している状況で、最悪の税金を増税する安倍政権。結果、アベ・ショックとなった際に、
「誰が責任者なのか?」
「誰が責任を取るべきなのか?」
 を明らかにするために、消費税という税金が「最悪」であることを、今のうちにできるだけ多くの国民が共有しておく必要があるのです。

 次なる経済危機を「アベ・ショック」と呼べば、誰が責任者だったのかが明確で、しかも歴史に名を残せます

 安倍政権は、消費税増税で、自ら日本経済を「アベ・ショック」に叩き込もうとしている。これが、目の前の現実なのです、残念ながら。
 
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