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『MMTとハイパーインフレ論者(その2)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.9
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三橋TV第116回【資本主義は借金で成長するモデルなのだよ】
 さて、5月の実質賃金が下方修正されました。
 
5月の実質賃金、確報値は1.3%減 速報値から下方修正
 厚生労働省が23日発表した5月の毎月勤労統計調査(確報値、従業員5人以上)によると、実質賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は前年同月比1.3%減と、速報値(1.0%減)から下方修正された。
 基本給にあたる所定内給与は0.6%減の24万3131円と、速報値(0.6%減の24万3208円)からほぼ横ばいだった。(後略)』
 
 下方修正されたのは現金給与総額(▲1.3%)で、きまって支給する給与は▲1.2%と、速報値のままでした。
 
【日本の実質賃金指数の推移(対前年比%)】
 明らかに「L字型」で実質賃金が落ち込んでいる状況で、確実に実質賃金を引き下げる消費税増税かよ、おい!

 ところで、アメリカはPB黒字化目標はありませんが、「連邦政府の債務上限」というヘンテコな枠を法律で定めており、毎回、上限が近づくたびに共和党と民主党が「政治ゲーム」を繰り広げるのが恒例になっています。

 野党側の抵抗で債務上限が引き上げられない場合、与党側は「政府窓口閉鎖じゃ、こらぁっ!」と抵抗し、何だかんだやっているうちに妥協が成立し、上限が引き上げられるというのを繰り返しています。

 そもそも、アメリカは日本同様に「MMTが可能な国」であり、ドル建て債務のデフォルトなど起き得ません。その割に、飽きもせずにようやるわ、と思うのですが、飽きもせずに「貧困化一直線」のプライマリーバランス黒字化目標を掲げ続ける愚かな国よりはマシかも知れません。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
『米両党が債務上限問題で合意
◆今後2年間の上限引き上げへ
 アメリカでは今年の3月にそれまでの債務上限撤廃措置が期限切れとなり、その後はつなぎ予算など暫定措置で切り抜けてきていた。しかし22日になって、トランプ大統領が「債務上限問題で合意が成立した」と発表。その内容によると、債務上限は2021年7月までの2年間引き上げられるらしい。また今後2年間の歳出拡大でも合意したと伝えられる。』
 
 アメリカでは、トランプ大統領がMMTについて「社会主義!」とラベリングし、デヴィッド・パデュー上院議員(共和党)らが「MMT非難決議」を上院に出そうとするなど、MMT攻撃が凄いですが、実際には共和党も財政拡大をしています。主に「富裕層減税」ではございますが。

 ケルトン教授が、【三橋貴明×ステファニー・ケルトン】MMTポリティクスで語っていましたが、共和党はMMTを批判しつつ、実際のところは財政拡大をやりたいわけです。つまりは、自分たちのメインの支持層(富裕層)のために。

 民主党側は、グリーン・ニューディールに代表されるように、より広範囲な財政支出、プロジェクトを志向する。

 つまりは、アメリカは共和党も民主党も、野党の時は「債務上限を引き上げるのか!」と、騒ぎ立て、パデュー上院議員のように「クニノシャッキンデハタンスル!」と叫び、国の借金時計(笑)をWEBに掲載し、相手方がMMTを担げば「社会主義者が!」と批判する割に、双方ともに財政拡大路線であることに変わりはないのです。ただ、内容が、共和党は「減税路線」、民主党は「財出路線」というだけの話に過ぎません(大雑把に解説しました)。

 それに対し、我が国は多数派の与党が「増税+支出削減」という露骨な緊縮路線。対する野党も、
「消費税の増税はタイミングが悪い」
「公共事業や防衛費を削って、社会保障充実を!」
 などなど、事実上の緊縮路線かトレードオフ思想(あるいは「選択と集中」)の政党しかなかった。「トレードオフ=選択と集中」発想は、立派なグローバリズム路線でございますよ、日本共産党殿。何しろ、切り捨てられる国民が出てくるのです。
 
 公共事業削減や防衛費削減で失業した国民に、
「それはあんたの自己責任」
 と、言ってのけるのでしょうか。それじゃあ、竹中さんと変わりませんね。

 今の日本に必要なのは、
「財政拡大(消費税減税・廃止含む)で貧困層を救い、国家を強化する」
 国民全体を守り、救おうとする政党です。

 先日の参院選で、明確な反・緊縮路線が一定の支持を得たことから、我が国でも反・緊縮財政を含む反・グローバリズムの勢力が「勃興する時期」が訪れたのかも知れません。
 
 というか、他人事ではありませんので、次回の衆議院選まで色々と試行錯誤をしたいと思います。(これでも、一応、様々な道を探っているのでございますよ)
 
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