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『MMTとハイパーインフレ論者(その2)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.9
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※「知識ゼロからわかるMMT入門」は、ケルトン教授招聘プロジェクトに寄付してくれた方及び月刊三橋会員の皆様に、月末に特別価格でご案内が参ります。上記からのご購入はお控え下さい。
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 ご要望が多かったケルトン教授との対談の字幕版(&三橋と高家さんの感想戦)をお届けいたします。
 
<字幕版>概論、MMT(現代貨幣理論)+三橋・高家の感想戦
 正直、思っていた以上にスティファニー・ケルトン教授が日本のメディアに登場し、吃驚しています。つまりは、日本のメディア側は「需要がある」と判断したわけです。

 わたくしが財務省の官僚だったら、記者クラブ(財政研究会)を通じて「報道禁止」を通達したいところですが、そこまでの権力はないんですね。

 何と、あのNHKまで報じていました。
 
 しかも、ケルトン教授と藤井聡先生、西田昌司先生、安藤裕先生、竹内譲先生との写真付きで。(西田先生たちが写った写真を公開すると、話は政治性を帯びます)
 
消費増税は逆効果?「 MMT」提唱者に聞いてみた
「自国通貨を発行できる国は、財政赤字が膨らんでも破綻しない」。アメリカ発の「現代貨幣理論(MMT)」の主張が、今、日本でも議論になっています。財政赤字の拡大を容認するこの理論は、「天下の暴論」なのでしょうか。その提唱者、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が7月、初めて来日し、NHKの単独インタビューに応じました。(経済部記者 山田奈々)(後略)』
 
 山田記者は分かっているのかいないのか、「イラッ」とするような質問をしていますが、ケルトン教授は本当に丁寧に回答されています。(ちなみに、お分かりでしょうが、三橋TVでのわたくしは、分かっていて質問しています)
 
山田記者「でも巨額の借金や、際限ない紙幣の発行で、MMTが懸念している過度なインフレになりませんか?」
 
 わたくしならば、
「誰も「際限ない紙幣の発行」とは言っていないし、そもそも発行するのは紙幣ではないし(「支出をする」が正しい)、過度なインフレって何パーセントのインフレだよ?
 だいたい、紙幣1000兆円発行したとして、河原で燃やしたらインフレになるのか、少しはない頭で考えろ!」
 となるところですが、ケルトン教授は、
 
ケルトン教授「私はインフレが、お金を刷ることから来るとは思っていません。お金をどう使うかが問題です。
 もし、需要が高まっても、それに応じてきちんと供給さえできれば、物価上昇は避けることができますよね?物価上昇は、需要が増え続ける一方、経済がこれ以上は生産できない、供給できないと、限界を迎えた時に起こると考えられます。ですから、この限界がどこにあるのか、きちんと認識し、インフレを回避することが重要です。お金を刷ることではなく、必要以上にお金を使ってしまうことがインフレを起こす要因です。」
 
 とのことでございます。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 ちなみに、ことごとく「丁寧に論破」された山田記者が、最後に
「では、対GDP比で何%まで債務が膨らめば、財政は破綻するのか。その明確な答えはありません。」
 と、難癖付けていますが、答えは「対GDP比でどこまでも膨らんだところで、自国通貨建ての国債は財政破綻しない」です。というか、むしろ自国通貨建て国債で、いかなるプロセスで債務不履行に陥るのか、財政破綻論者は説明する必要があるでしょう。

 これまでは、偽経済学者たち(つまりは、主流派経済学者たち)の出鱈目理論、
「国債を発行すると金利が上昇し、民間企業が投資できなくなり、経済成長しなくなる」
 が拠り所の一つだったのですが、
 
【図 日本政府の長期債務残高(左軸)と長期金利(右軸)】
 
 ↑これ、説明できるのかい?(ケルトン教授は「MMT派の経済学者は説明できます」と言っていました。わたくしもできますが)

 となると、必ず「いや、将来的に絶対に金利は上がり、1000兆円の国債に対して利払いが100兆円とかになって破綻する!」と言ってきます。
 いや、お前、日本国債のほとんどが「固定金利」という事実も知らんの? と、突っ込んだ上で、国債金利が高いというならば、日本銀行が国債を買い取ればいい。元々、その役割を担う中央銀行なのです。

「日銀が国債を買い取ると、インフレ率の制御ができなくなる!」
 
【図 日本のマネタリーベースとインフレ率】
 
 ↑これ、見えないのかい?
 
 日本はいわゆるリフレ派政策のおかげで、すでに370兆円を超すマネタリーベースを拡大したにも関わらず、インフレ率はゼロ。消費税増税以外では、インフレにならなかったというのが過去25年間の「実績」なのです。

 そもそも、日銀が国債を買い取る際に発行する日銀当座預金は、「インフレ」とは直接的には関係ありません。インフレとは、あくまで我々が信用創造(銀行借入)、投資、消費を増やすか、もしくは政府が財政出動をしない限り、上昇しようがありません。元々、そういう指標なのです。

  ここまでデータに基づき説明しても、「財政破綻だ」「ハイパーインフレだ」という連中は消えないでしょう。というわけで、少しでもその手の連中を減らすために、記事中のケルトン教授の言葉で〆ることに致します。
 
1000兆円の借金は過去の赤字の累積にすぎず、何も心配する必要はありません。もしかすると、国の借金に関するデータを一切報告しないことが賢明かもしれません。有益な情報ではなく、人々を不安に陥れるだけだからです。情報提供のあり方を変えるか、全く提供しないかのどちらかにすべきです。
 「債務」「借金」ということばが原因ですよね?われわれが最も親和性があるのは、私たち自身の家計なので、「債務」と聞くと、個人的な枠組みで考えてしまう、自分の家計に置き換えて考えてしまうのです。こんなに借金があったら、これは私にとってすごく悪いことだと。でも政府は、家計とは全く違います。その違いを理解していないから、「債務」や「赤字」ということばが不安をあおるのです。』
 
 というわけで、改めて言葉の変更を提案します。財政赤字は民間黒字国の借金は政府貨幣発行残高。いかがですか。
 
 財政破綻論から脱却しよう。それこそが、日本を繁栄に導くたった一つの道なのです。
 
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