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三橋TV第105回【MMTで就職氷河期世代を救え!】
 

 昨日夜、山形県沖を震源とする強い地震があり、新潟県村上市で震度6強の揺れを観測しました。山形県、新潟県、石川県の能登に津波注意報発令。


 どこに住んでも、逃げられない。震災はもちろん、台風、水害、土砂災害、豪雪災害、火山噴火、豪風被害など、自然災害のデパートである日本で生きる以上、常に、
「次なる自然災害にいかに対処するのか」
 を考えなければならない。


 それにも関わらず、「財政が~」を理由に何もしなかった、平成時代。


 大石久和先生のピボットメッセージを再掲します。

 

『少子化、高齢化、東京一極集中、切迫する南海トラフ型地震など、この国が直面する国難級の問題に、財政が厳しいからなどと議論ばかりで何もしてこなかった平成時代が終わりました。』

 

 そして、令和の時代に至っても、何もしていないのが日本国であり、日本国民でございますよ。


 まあ、愚痴ばかり言っても仕方がないのですが、やはりこの難局突破に際して「武器」になりえるのが、MMTです。


 令和への御代替わりのタイミングで、MMTという黒船到来。不思議な偶然です。


 黒船(アメリカ)が来なければ変われないというのは、本当に情けない話ですが、
「黒船が到来せず、緊縮財政が続く日本」
 と、
「黒船(MMT)到来で、緊縮財政を転換した日本」
 であれば、後者を選びますよ、わたくしは。繰り返しますが、非常に、情けない話ではありますが。


 ところで、黒船といえば、そもそも江戸時代の黒船とは「外国籍の船」という意味で、ペリー艦隊の固有名詞ではありません。何しろ、当時は日本近海の「ジャパングラウンド」が欧米捕鯨船の漁場になっており、意外に頻繁に遭難した「黒船」が日本に到来していたのです。


 日本に捕鯨船の乗組員が漂着するたびに、返還ですったもんだしていたので、「ルール作らない?(あと、石炭と水補給させろ)」という要求(大統領親書)を持ってきたのがペリー艦隊です。(そのように、大統領親書に書いてあります。上品な書き方で)


 また、日本の江戸幕府はペリー艦隊到来の情報を、オランダ経由で一年前から知っていました。別に、幕府は、
「泰平の眠りを覚ます上喜撰  たった四はいで夜も寝られず」
 というわけではなかったのですよ。(庶民は違うでしょうが)


 このあたりの話は、経世史論の特別コンテンツ「対談 三橋貴明 x 中野剛志 歴史とナショナリズム」で語っておりますので、是非ともご入会くださいませ。

 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 

 さて、MMTですが、妙にまともな論考を読んだと思ったら、薔薇マーク運動の岡本先生だったのですね。

 

私が意義を見いだす理由 MMTは新次元の政策 均衡財政主義の再考を=岡本英男
 福祉国家とその財政を研究テーマとしている筆者が、MMTの理論を本格的に研究し始めたのは2008年のリーマン・ショック後である。
 福祉国家実現には、完全雇用こそがもっとも有効な手段である。第一次・第二次世界大戦の元凶も、職がないことへの庶民の不満の高まりであった。職のない者を給付や税控除で救済するのも一手段ではある。しかし、国家による雇用保障は、国民に「自分が社会で必要とされている」という自尊心を醸成もできる。
 1940年代から、主権国家は雇用を保障する制度整備に努めた。しかし、80年代に米国レーガン政権、英国サッチャー政権が緊縮財政や国営企業の民営化など新自由主義的な政策を採った。日本でも中曽根政権が国鉄などの民営化を進めた。一連の流れは、雇用の拡大政策を民間投資刺激型に転換することであった。この結果、問われるのは、政府の雇用保障政策ではなく、個々人が雇用される能力を持つかどうかになった。
 米バードカレッジのランダル・レイ教授が彼の理論支柱となる『Understanding Modern Money』を世に問うた98年という時代は、民間投資刺激型の雇用拡大策が機能しないことが徐々に明らかになりつつあるころだった。機能不全が決定的に明らかになったのは08年のリーマン・ショック後である。民間に経済の活性化を任せていては、金融に過度に依存する。その結果、金融部門の資産バブルが起きたのは周知の事実だ。
 それでは、元に戻って政府主導の雇用創出政策に取り組もうとすると、そこにも財政赤字を絶対悪とするハードルが立ちはだかり、歳出を拡大できなかった。09年の欧州におけるユーロ危機では貨幣を発行する金融当局(欧州中央銀行=ECB)が財政権力を持たず、財政規律を重んじる欧州連合(EU)は経済危機にあえぐギリシャなどに緊縮財政を求めた。(後略)』

 

 岡本先生のMMT論で特に衝撃を受けた(というか「感動した」)のは、MMTのJGPにより各国で完全雇用が達成されれば、

 

経済移民も発生せず、その結果、排外主義は起きない。国民の大多数が希望を持って安定した生活を送りつつ、各国間では排外主義も、為替操作競争も起きない平和の礎ともなりうる。』

 

 という部分です。

 う~む、なるほど・・・。完全雇用が「経済移民を防ぐ」という発想はなかった。いや、言われてみれば、もちろんその通りなのでございますが。


 ちなみに、わたくしは今の日本にJGPが適しているとは思えません。アメリカとは人口構造が違うのです。少子高齢化で生産年齢人口比率が低下している以上、日本は「移民を受け入れさえしなければ」完全雇用に達するでしょう。


 というか、移民をガンガン受け入れていながら、JGPというのは妙な話です。まずは、移民を止める、これが先決でございましょう。


 最も、未来永劫、日本にとってJGPが用無しかと言われれば、もちろんそんなことはありません。経済は「不確実」なのです。


 政府の正しい支出により完全雇用を達成し、移民を止めるという考え方は、まさに、MMTが右側の「国民主義の経済学」であることを証明しています。

 

【主流派経済学とケインズ系の経済学】


http://mtdata.jp/data_64.html#keizaigaku

 

 というわけで、普段から、「民主主義は大切だ!」「排外主義はダメだ!」 と、主張している朝日新聞などは、むしろ率先して、
財政民主主義を堅持し、移民を減らし、排外主義を食い止めるためにも、MMTを推進しなければならない
 と、主張しなければならないんですよ。


 さもなければ、普段の民主主義が~だの、排外主義は~だのは、単なる口先だけのポーズに過ぎないことが証明されてしまいますよ。まあ、ポーズなのでしょうけれども、所詮は。

 

 本日は三橋TVで重大発表。

 

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