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三橋TV第102回【延々と繰り返される“人類の戦い“】
 
ある真実を人々が真実だと認めるまでにはいつも3つの段階を通過する。
第一段階では、嘲笑する。
第二段階では、激しく反対する。
第三段階では、当然のこととして受け入れる。
(アルトゥル・ショーペンハウワー)
 
 WSJに物凄く正しいMMTの論説記事が載っていました。
 
財政民主主義派 対 非・財政民主主義派(前編)
現代貨幣理論をめぐる誤解
 政府が失業を永久になくすと同時に、インフレ率を抑制することができると想像してみてほしい。政府はそれを実現する力があるのに、無知や悪意ゆえに実行を拒んでいる。これが現代貨幣理論(MMT)の中心的な主張である。MMTは政治経済学の学説の一つとして、特に民主党左派で勢いを強めている。MMTの見解は、環境対策法案「グリーン・ニューディール」と、働きたい人全ての雇用機会を連邦政府に提供させるという提案の両方に大きな影響を与えた。(後略)』
 
 バロウズ氏は、MMTの中核的知見を以下の三つで定義しています。
 
1.貨幣は法によって生まれる。
 
 昨日の中野剛志先生の寄稿とも絡みますが、なぜ我々は日本国で日本円を使うのでしょう。もちろん、政府が貨幣で税金を支払うように強制しているためです。
 中世欧州、オランダ(ネーデルラント連邦共和国)が覇権国の時代、アムステルダムには欧州中から通貨が持ち込まれました。一時は、何と400種類以上もの通貨が流通していたそうです。
 結果、両替業者がぼろ儲けするなど、様々な余計なコストがかかりました。日本で買い物をする際に、いちいち「為替レート」を考えなければならないことを想像してみてください。
 政府が公共支出を「日本円」で支払う。その財源という建前で、日本円で税金を徴収する。結果、我々は「日本円」の債務を政府に負っていることになり、日本円を使わざるを得ない。
 そして、自国通貨(日本ならば日本円)の発行権を持つ政府は、「財政破綻」とやらになることはない(バロウズ氏は「貨幣不足」と呼んでいますが)。ただし、供給能力が制限になり、民間への貨幣供給(生産されたモノ、サービスの購入)の余地は限界がある。
 
2. ほとんどの貨幣は政府ではなく、民間セクターで生まれる。
 
 貨幣のほとんど(銀行預金)は、民間セクターである銀行の貸し出しで生まれ、返済で消滅する。
 詳しくは、【Front Japan 桜】MMT理解のコツ!銀行預金の正体 をどうぞ。
 中央銀行の金融政策と、貨幣の繋がりは、(バロウズ氏の言葉を借りると)『往々にして脆弱(ぜいじゃく)である』。
 というわけで、民間セクターの変動を相殺し、経済を安定化させるためには、財政政策(課税や政府支出変更)が必要になるのです。
 
3. 誰かの金融資産=誰かの金融負債
 
 貨幣の発行者が金融資産を生み出さない限り、投資家は金融資産を所有できない。債務者が借り入れを行わない限り、債権者は貯蓄することができない。
 したがって、世界中の経済主体が一斉に貯蓄を増やすことは不可能。
 先日のエントリー、MMTと「老後資金2000万円必要」で解説した通り、国民一人当たり「2000万円」の預金を増やす場合、反対側で誰かが2400兆円の借入をしてくれなければなりません。
 政府が国債発行を2400兆円、追加的に行えば、冗談でもなんでもなく民間セクター(企業、家計)の預金が新たに2400兆円生まれます。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 バロウズ氏は後半で、「MMTのモデルに最も近いのは中国」であると書いています。これは、わたくし共も全く同じ意見で、だからこそ危機感を抱いているのです。

「将来的に日本は中華人民共和国の倭族自治区になる」
 というのは、別に煽りたいわけではなく、中国がMMTで成長を続け、日本が緊縮財政を続けた場合に訪れる「普通の未来」です。

 中共に支配されている香港で、「法の主権」を巡り人々が立ち上がりました。具体的には、
「犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案」
 への抗議デモがあり、香港のデモとしては過去最大規模の数十万人(主催者発表では100万人を超えています)が参加しました。

 我々日本国民が「倭族自治区」の運命を避けたいならば、とにもかくにも財政主権を財務省や「主流派経済学」から取り戻す必要があります。そのために、理路整然と「現実の貨幣」を解説し、緊縮財政の愚劣さを証明するMMTは「武器」なのです。

 政府の財政拡大やインフレを「イデオロギー」的に嫌悪する主流派経済学、財務省、非・民主主義者たちから、財政主権を取り戻さなければなりません。その一点さえ突破できれば、展望は開けます。
 
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