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三橋TV第101回【結局おカネ儲けが目的ですか!?】
 
 山本太郎参議院議員との対談コンテンツ配信以降、何か「事」が一気に動き出した気がするわけですが、自民党が参院選公約に消費税率10%への引き上げを明記し、しかもこのタイミングで、金融庁の金融審議会市場WGが「高齢社会における資産形成・管理」報告書を公表。

 報告書では、高齢夫婦無職世帯では家計収支が毎月5万円の赤字になり、30年生きるなら2000万円の資金が必要となっています。

 ちなみに、「おカネ」について正しく知識をもちさえすれば、社会保障の「問題」はおカネ云々ではないことは分かります。
「え?」
 と、思われた方は、きちんと専用動画を用意してありますので、そちらをご覧ください。
 
 もっとも、個人的には金融庁の、
「豊かな老後を送りたいならば、2000万円の資金が必要」
 は、色々な意味でツボに入っておりまして、とりあえず、消費税増税+老後資金2000万円必要、という組み合わせがサイコー(悪い意味で)。

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
 老後の社会保障不安を解消し、消費を拡大するという名目で、実際には消費を減らす消費税増税が決まったと思ったら、老後の資金として2000万円貯める必要があると言われた。
 な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も自分で何を言っているのかわからない

 という感じでございますが、「老後資金2000万円必要」をMMTで考えると、面白いことになるのです。
 
 チャンネル桜の番組でsayaさんを例にとりましたが、sayaさんが60代後半になるまでに2000万円貯めるには、毎月6万円の貯蓄が必要になります。つまりは、その分の稼いだ所得を、消費・投資として使うなという話です。

 見事なデフレ促進策ではありますが、とりあえずその話は置いておいて、動画で解説した通り、銀行預金とは「誰かがおカネを借りる」こと無しでは、この世に生成されないおカネです。

 話をシンプルにするために、日本国民が一人当たり2000万円の「銀行預金を増やす」と考えてみましょう。

 1億2千万人が、一人当たり2000万円の預金を増やすわけですから、総計で2400兆円の預金が「新たに」創出されなければなりません。

 つまりは、
「誰かが追加的に、2400兆円のおカネを借り入れなければならない」
 と、金融庁様は仰せなのでございます。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 誰が、借りてくれるのでしょうか。

「いや、誰も借り入れを増やすことなく、国民一人当たり2000万円を貯めればいいんだ!」
 と、思った方は、異世界に暮らしておいでですので、さっさと現実世界に戻ってきてくださいませ。銀行預金は「誰かが借りる」ことなしでは、どうしても、どうしても! この世に生み出すことができないおカネなんですよ!!
 ウェ―――。゚(PД`q)゚゚。―――ン!!!
 
【日本の家計の預金、企業の借入、国債・財投債の推移(兆円)】

http://mtdata.jp/data_64.html#yokin
※企業の借入と国債・財投債という負債は「マイナス」で表現
 
 図の通り、デフレ下においても家計の預金は増えてきました。同じ時期、企業は借り入れをむしろ減らしました(当然ですが)。

 銀行預金は借り入れにより生まれ、借入返済によりこの世から消滅するおカネです。

 企業が借り入れを減らし、銀行預金を「消していた」にも関わらず、なぜ家計の預金は増えたのか。誰が、借り入れを増やしたのか。もちろん、日本政府です。

 日本政府が(不十分ながらも)負債を増やした結果、政府小切手として民間経済におカネが移り、銀行預金が増えていったのです。

 この辺りのプロセスは、以下の動画で解説しています。(財務省が最も知られたくない事実ですね
 
 というわけで、国民一人当たり2000万円の預金を増やすことは、企業が借り入れを増やさないデフレ期である以上、
「政府が2400兆円の国債を発行し、政府小切手で支出をする」
 ことなしでは、不可能なのでございます。

 何だ、財務省は散々にMMT批判のプロパガンダを展開しておきながら、裏では「追加的に2400兆円の国債を発行しよう」と、決断してくれたわけですね。

「べ、べつに、国債を発行したくてするわけじゃないんだからね!」
 どんな、ツンデレさんですか。

 まあ、冗談はともかく、貨幣の本質を理解せず、かつ緊縮財政至上主義を貫こうとするから、色々と支離滅裂になってきているわけです。個人的には、この流れを歓迎しています。国民や政治家の「真実を知る」という需要が拡大しますので。

 いずれにせよ、本エントリーで貨幣の本質を説明する「MMT(現代貨幣理論)」が、どれほどまでにインパクトがあるか。「天動説⇒地動説」以上に影響が大きい可能性があるという現実が、理解できるはずです。
 
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