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『財務省の狂気(前半)』三橋貴明 AJER2019.4.16

https://youtu.be/lGcx3Izul0o

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 平成政治からの決別を! 反・緊縮財政、反・グローバリズム、反・構造改革を基本方針とし、政策の「ピボット(転換)」を目指す国民プロジェクト「令和の政策ピボット」が始動致しました。
 

https://reiwapivot.jp/

 

三橋TV第78回【令和ピボット 自分自身への宣言】

 
 さて、お待たせいたしました。予告しておりました歴史系音声コンテンツ「経世史論」をリリース致しましたので、お知らせ致します。
 
 
5月15日(水)までに新規お申込み頂いたお客様に、三橋貴明:著「99%の日本人が知らない明治維新の大嘘」のサイン本をプレゼント致します。(送料も不要です。また、サイン本にはお名前が入ります)

 

 今年10月に予定されている消費税増税ですが、財務省のPB黒字化路線では「前提」となっています。

 2025年にPBを黒字化する「ライン」では、2020年度に一気にPB赤字を縮小する必要があるのです。

 昨日、ご紹介した内閣府(というか財務省)のPBの図でも、19年度から20年度にかけ、PB赤字が対GDP比1%の縮小の「予定」になっているのが分かります。
 
【日本のプライマリーバランス(対GDP比%)】
 
 つまりは、財務省はおよそ5兆円の「政府の赤字削減=民間(我々)の黒字削減」を計画しているのです。これまでの彼らのスタイルからすれば、絶対に実現するでしょう。

 我々は、来年度にかけ、さらに5兆円の所得を吸い上げられることになるのです。
 
消費増税可能な経済運営へ、25年度PB黒字化達成に努めたい=菅官房長官
 菅義偉官房長官は16日、閣議後の会見で、今年10月に行う予定の消費税率10%への引き上げについて、実施可能となるよう政権として経済運営に万全を期すとの考えを示した。
同長官は「経済再生なくして財政健全なし」というアベノミクスの基本方針に改めて言及し、「(消費税)10%への引き上げができるよう、(各省庁は)経済運営に万全を期してもらいたい」と述べた。
さらに、歳入・歳出改革を続けることで「25年度基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化達成に努めていきたい」との考えを示した。』
 
 更なる問題は、21年度以降です。図を見ると、2025年度のPB黒字化が「成長実現ケース」となっていますが、成長しようがしまいが、財務省は容赦なく赤のラインに乗り、PB赤字を削減してきます。何しろ、そうすることで彼らは出世でき、彼らの家族の生活も安泰なのです(反対側で国民が死ぬ)。

 というわけで、「成長実現ケース」について細かく見てみると、恐ろしい事実が分かります。
 

 

【内閣府の想定する「成長実現ケース」の各指標の想定(%)】
 
 PB黒字化のためには、税収増が必要です。そして、税収増のためには、名目GDP成長が必要になります。我々は税金を所得から払い、所得の合計が名目GDPであるためです。

 というわけで、2020年度以降の名目GDPの成長について、いかなる想定になっているのかと言えば、3%強の成長の継続。無論、デフレ脱却を果たせば楽勝な数値ですが、デフレ継続では不可能です。

 と言いますか、2018年までの「実績」を見れば、デフレの国が名目GDP成長を高めるのは「無理」であることが確認できると思います。

 名目GDPが成長するはずがない状況で、名目GDPが拡大する前提で、名目GDPを減らす財政赤字の削減を容赦なく進める。この時点で論理矛盾になっているわけですが、それでも何とか「成長実現ケース」をシミュレートしなければならないため、内閣府は何と、
「輸出がアメリカの不動産バブル期(サブプライムローン問題勃発前)以上で拡大する」
 という、無茶苦茶な設定を追加しているのです。

 米中覇権戦争が始まっている時代に、そんな、バカな! 
 という感じですが、事実です。

 というわけで、内閣府(というか財務省)は、輸出が2006年の水準で推移し、名目GDPが拡大し、税収が増えるから、財政支出を削減しても構わない、という頭がおかしい前提で「2025年度PB黒字化」を達成しようとしているのです

 恐ろしいのは、もちろん06年水準の輸出増など実現できるはずもなく、消費税増税や財政支出削減で名目GDPは成長せず、税収も増えない状況においてすら、財務省は赤いラインに則り、PB赤字を削減しようとするのが間違いない点です。

 名目GDPや税収が低迷している状況で、赤いラインにPB赤字を乗せるためには、「更なる政府予算の削減と、更なる増税」以外に道はありません。

 無論、政府の緊縮財政は日本経済をデフレ化させ、名目GDPや税収を減らします。すると、赤いラインに乗せるために、またもや増税、緊縮財政。

 この、上品に書いても「頭がおかしい路線」を破棄させなければ、我が国の未来は悲惨以外の何ものでもありません。PB黒字化路線の破棄が、日本繁栄のためにはどうしても必要なのです。

「1-(2) 財政目標:
財政健全化目標として、非合理的な基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標を破棄します。代わって諸外国に倣い、政府の負債対GDP比率の中長期的な引き下げを目標として設定します。」
 と、PB黒字化目標破棄を堂々と掲げた令和の政策ピボットに、ご賛同下さい。
  
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