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『フィリップス曲線の崩壊(前半)』三橋貴明 AJER2019.3.25

https://youtu.be/JAX009gvrrk

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三橋TV第70回【移民国家で移民が移民を殺す】

https://youtu.be/wcOrFq8C8-c

 

 【三橋貴明×山本太郎】Part1 絶対にTVでカットされる国債の真実 の視聴者数が12万を越えました。どこまで伸びるのでしょうか。
 
 2019年度予算が成立しました。総額は101兆4571億円で、対前年比3.8%増大ですが、金額で見ると、3兆7142億円の増加です。

 2014年度の消費税増税による実質消費の落ち込みは、7.5兆円でした。さらには、最大で年8兆5000億円減少するとの試算がある残業規制が4月に始まり、米中問題で輸出が激減している状況で4兆円弱の予算を増やしたところで、全く足りません。
 
 もちろん、増やさないよりはマシですが。

 ところで、例の厚生労働省の毎月勤労統計調査の詐欺統計問題です。信じられない結末になりつつあります。
 
厚労省、実質賃金は当面公表せず 統計不正調査問題
 不正調査が問題となっている「毎月勤労統計」で、野党が求めていた調査対象の実質賃金の変化率の算出・公表について、厚生労働省は26日、当面は行わないとの見解を明らかにした。参院予算委員会の理事会で示した。
 「実質賃金」は働き手の実質的な購買力を表す。野党は、より賃金変化の実態をつかむために、毎月勤労統計で2017年と18年に続けて対象となった「共通事業所」の実質賃金の変化率の算出・公表を要求。厚労省は3月中に中間的な結論を出すと約束していた。
 この日、厚労省は「統計を所管する立場としては、統計的な観点から分析や検討を加えずに(数値を)出すことは責任ある立場ではない」と説明。同省で設置している有識者検討会で算出・公表に関する検討を続けるとした。』
 
 マジか! と、思わず目を疑ってしまいました。

 厚生労働省は本ブログで何度も取り上げた、共通事業所の実質賃金を「公表しない」と決定しました

 共通事業所の実質賃金を計算するのは、別に難しくはありません。わたくしの試算では、18年は対前年比▲0.6%です。(厚生労働省の詐欺統計では+0.2%)
 
【日本の実質賃金指数の推移(2015年=100)【修正版】】
 

 

 技術的には特に難しくないにも関わらず、厚生労働省は公表を拒む。つまりは、現時点で、
「18年の実質賃金が対前年比でマイナスに落ち込んだという事実を発表したくない」
 ということになります。

 つまりは、消費税増税への「悪影響」を懸念しているわけですね。日本政府は、冗談でも何でもなく、本気で今年の10月に消費税を増税する気に見えます。

 わたくしは、19年度予算成立と同時に、厚生労働省が実質賃金の「マイナス」を発表し、総理が、
「新たな判断が何だかんだ」
 と、適当な理由をつけて消費税増税の「延期」を発表し、参院選を「消費税増税延期の是非を問う」と意味不明な争点で戦い、敗北を回避すると予想していたのですが、雲行きは怪しいです。

 それにしても、厚生労働省は今回、完全に「政治的な理由」で統計公表を拒否したことになります。これは、なかなか洒落にならない話です。日本国は「現実」を国民に示す「統計」について、政治的関与を隠さない国に落ちぶれたわけです。

 もはや我が国は、国内統計を共産党の思惑で「決定」する中華人民共和国や、様々な統計マジックを駆使して現状を「よく見せる」ことに汲々する韓国を笑えません。というか、中韓両国よりも露骨な分、余計に性質が悪いようにも思えます。

 怖いのは、現在の日本では厚生労働省の露骨な「情報隠蔽」「情報操作」が、大して問題視もされず、すぐに忘れられてしまう可能性が高いということです。

 そして、消費税が増税され、国民の貧困化がさらに進んだ段階で、アリバイ作りとして「2018年の実質賃金は実はマイナス」とさらっと発表され、また特に騒がれることもなく、すぐに忘れられる。

 この現実が、恐ろしいです。

 結局のところ、日本は「国民主権」を失った状況で、特定の「誰か」の利益を拡大するグローバリズムのトリニティ路線が続けられ、国民貧困化、国家衰退を覆い隠せない状況になっているにも関わらず、政治的な理由で「現実が隠蔽される」という段階に至ったのだと思います。つまりは、大躍進時の中国と同じですね。

 現実を正しく認識しない限り、問題解決は不可能です。目隠しを外し、「現実の日本」を色眼鏡なしで見た上で、問題解決を図る政治家、政党、政治勢力が必要です。
 
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