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『政府が国債を発行すると家計の預金が増える①』三橋貴明 AJER2019.2.26

https://youtu.be/mBjN9lCa2h8

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三橋TV第67回【並んで頂くか、間に座るか迷った件】
 
 何か、人類が天動説から地動説に移行していった、パラダイムシフトの時期を生きているような気分です。

 人類はついに、おカネに関する認識を間違った「金属主義」から、正しい「表券主義(債務と債権の記録)」に改めることができるのでしょうか。これは「文明を変える」ほどのインパクトがある話です。

 MMTに関し、報道が祭り状態。もちろん、
「放漫財政に繋がるMMTはけしからん!」
 という論調だらけなのですが。
 
朝日新聞:借金まみれの日本が手本? 「異端」財政論が米を席巻
https://digital.asahi.com/articles/ASM393QVVM39UHBI01B.html
 
読売新聞:財政赤字認める金融論 「MMT」米で論争 政界巻き込み過熱
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190317-OYT1T50196/
 
毎日新聞:「現代金融理論」を実践する危うい日本
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190326/se1/00m/020/050000c
 
 面白いのは、MMT関連記事のほとんどが「日本はMMTを実践している」と書いていることです。つまりは、やたら引用されるパウエル議長の、
「財政赤字を心配しないでいいという考えは誤りだ」
 という発言や、クルーグマンンの、
「(MMTは)支離滅裂だ」
 サマーズの、
「外部との取引がない閉鎖経済でない限り、自国通貨の暴落や物価が急上昇するハイパーインフレを招く危険がある」
 といった「権威」の批判と「日本がMMTを実践している」を組み合わせることで、日本の財政破綻を煽り、緊縮路線を維持しようというプロパガンダなのでしょう。

 先日、三橋TVの収録の際に高家さんと話していて分かったのですが、ほとんどの「人類」、もちろん経済学者らを含め、この世のどこかに、
「おカネのプールがある」
 という認識になっているのです。

 これは、金属主義と絡めると実によくわかる(そして、間違った)認識です。人類が貴金属しかおカネを使っていなかったとすれば、それはまあ、プールが存在すると考えて構いません。

 貴金属でも現金紙幣でも何でも構わないのですが、おカネが「モノ」であり、プールが存在すると仮定すると、
「銀行はどこかからおカネを調達し、我々に貸している」
「政府が国債発行で(プールの)おカネを借りると、金利が急騰する」
「クニノシャッキンは、将来的な税金で返すしかない」
「(プールの)おカネの量を増やすと、ハイパーインフレーションになる」
「中央銀行がおカネの発行を増やせばデフレ脱却できる」
 といった、(わたくしから見れば)頭が悪いことを本気で信じることができるわけです。ちなみに、経済学の貨幣観、すなわち「貨幣ヴェール論」は、モノとしてのおカネが実体経済を薄いヴェールのように覆っている。という考え方になっているため、まさにおカネのプール論です。
 
 
 大変、残念なことに、おカネのプールはありません。というか、プールを造ることができません。おカネは実体があるモノではないのです。ただの、債務と債権の記録です。つまりは「データ」です。データのプールを物理的に作れますか?

 しかも、おカネは「誰かが貸し出す」ことで、ゼロからこの世に誕生します。

 だいたい、「銀行はどこかからおカネを調達し、我々に貸している」と思っている人は、銀行預金を何だと思ってるのでしょうか。自分(銀行)の負債を、どう「調達」するというのでしょうか。謎です。
 
 これが、現金紙幣ならば話は分かります。銀行が日銀当座預金を「引き出す」形で現金紙幣を調達し、我々に貸す、と。とはいえ、今どき数千万円、数億円のおカネを現金紙幣で借りる人はいないでしょう。

 貸し出しの際、銀行は借り手の借用証書と引き換えに、自らの「負債」となるように銀行預金を発行します。預金金利と、借用証書との金利差が、銀行の所得になるわけです。

 貸し借りの関係が成立すれば、おカネが発行される。逆に、返済が行われれば、おカネが消滅する。
 
 過去十年以上、死ぬほど繰り返してきた話ですが、これが真実です。「貸借関係」「データ」のプールは、建設できません。
 
 つまりは、政府は供給能力の限界(=インフレ率)を見極めながら、国民の豊かさ、安全を追求するために、支出を拡大して構わないのです。というか、そうしなければなりません。

 特に、交通インフラ、防災インフラの整備、第二国土軸建設、ILCを含む科学技術振興、防衛力強化、教育充実、そして医療・介護サービスの強化など、「利益」追求の民間ビジネスでは長期的な投資ができない(あるいは困難)な分野に、政府は国債でおカネを「発行(調達、ではない)」し、投資をする必要があるのです。

 供給能力の限界を超えない限り、日本のインフレ率は適正水準に収まります。(※三橋は国債を無限に発行できると言っている~、という藁人形対策)

 さらには、最終需要に対する政府の投資という長期的な需要拡大は、民間の投資を呼び込み、供給能力自体を強化していきます。つまりは、国債発行=通貨発行の限界値を引き上げます。(※キョウキュウセイヤクガ~、対策)
 
 日銀が~、は、わざわざを専用の番組を創ったので、そちらへ。
 
三橋TV第60回【日銀破綻論者に本動画を見せて下さい】
 
 まずはとにもかくにも、「おカネのプールは存在しない」という真実を、日本国民は知る必要があります。日本に財政問題など存在しない。その上で、必要な投資に政府が支出できるか否か。

 これが、我が国の運命、そして人類の運命をも、決定的に変えることになるのです。
 
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