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『政府が国債を発行すると家計の預金が増える①』三橋貴明 AJER2019.2.26

https://youtu.be/mBjN9lCa2h8

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三橋TV第65回【日本を救う新・政策集団の政策】

https://youtu.be/kPqWK_cdqZY

 

 昨日は、三橋経済塾第八期第三回の講義開催日でした。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

 インターネット受講の皆さまは、一週間ほどお待ちくださいませ。今回は、新政策集団の件、岩田教授の「フィリップス曲線の崩壊」、「アメリカ型覇権国」そして高清水有子先生の「御代替わり」「皇統」に関するお話と、盛沢山でございますよ。

 次回、4月のゲスト講師は、 佐藤健志先生。5月が中野剛志先生でございます。

 

 ニュージーランドで、2011年のノルウェー・ウトヤ島を思い起こさせる残虐なテロ事件が起きてしまいました。本件については、近々、取り上げます。
 
 本日は、珍しく日ロ関係。
 
 わたくしは、そもそも実質的に「主権」がない日本を、ロシア側がまともに相手にするとは思っていません

 ソ連崩壊時はともかく、現在は何の武器も持たない日本が「譲歩する」以外の交渉ができるとも思えないわけです。さらには「世論というパワー」もない以上、ろくな結末にならないことは明らかであるため、現時点で「日露平和交渉」を進める意味が分かりませんでした。

 案の定、安倍総理は交渉過程で、ついに「北方四島」「北方領土」という言葉も使わなくなりました。最後には、「南クリル諸島」(北方領土に対するロシア側の呼び名)と言いだすのではないかと、本気でビビッていましたが、その前に幕引きになりそうな気配です。
 
『日ロ平和条約交渉「テンポ失われた」 プーチン大統領
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42557680W9A310C1000000/
 ロシアのプーチン大統領は14日、日ロ平和条約締結交渉について「テンポが失われた」と述べ、北方領土を日本に引き渡した場合に日米安全保障条約に基づき、米軍が展開する可能性があることが交渉の障害になっているとの見方を改めて示した。15日付のロシア紙コメルサントが報じた。
 同紙によると、モスクワで開かれた産業界との非公開の討議でのプーチン氏の発言を参加者が明らかにした。同氏は交渉の経緯を説明。安倍晋三首相が領土引き渡し後に米軍基地を置かせないと約束したとも明らかにしたが、米軍展開を阻む手段はないとの認識を示した。
 プーチン氏は非公式に実施した調査で現地住民の99%が日本への引き渡しに反対したとして、地元の意見を無視できないとも語った。交渉を中断すべきではないが、「ひと息つく必要がある」と冷静な議論を求めた。
 日ロ首脳は昨年11月に歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を進めることで合意した。プーチン氏は「双方が受け入れ可能な条件を探る用意がある」と交渉推進に意欲をみせてきたが、安保問題で譲らない姿勢を改めて示した形だ。世論も引き合いに日本に譲歩を促すとみられる。』
 
 
「米軍展開を阻む手段はない」
 
 はい、仰る通りでございます。日本国憲法九条(2項)、日米安保条約、そして日米地位協定がある以上、日本側が北方領土に対するアメリカ軍展開を阻む手段はありません。何しろ、日米地位協定第二十五条、日米合同委員会において、
「合衆国が相互協 力及び安全保障条約の目的の遂行に当たつて使用するため必要とされる日本国内の施設及び区域 」
 が決定される以上、日本の国会議員、あるいは総理といえども、
「北方領土を返還しても、米軍は展開させない」
 と、約束し、それを守ることは不可能
なのです。

 そんなことは、ロシア側は百も承知でございましょうから、総理や日本側が何を言おうとも、
「いや、そんなこと言うけど、日米合同委員会でアメリカ側から軍を展開させるよ、と言われたときに、それを拒むことができるの? 主権もないのに、何っているんだ(笑)」
 という感じでしょう。

 大変、残念ながら、これが日本の現実です。この現実認識を国民が共有し、せめて日米地位協定を「他国並」とし、アメリカ軍の展開についても、日本国民の主権で決定できる状況にしない限り、ロシア側としては「主権もないのに、乙(笑)」を続けることができるのです。

 それにも関わらず、日本側が平和交渉を続けるというならば、「譲歩に次ぐ譲歩」を重ねなければなりません。

 また、プーチン大統領が(事実上の皇帝であるにも関わらず)世論」を持ち出してきている点も、注目に値します。

 安倍総理に、
「何が何でも、北方領土を取り返せ」
 といった、世論の力という武器はありません。
というか、ロシアとの間に領土問題があることすら、知らない人が増えてきています。

 何の武器も持たずに、なぜロシアとの平和交渉を急ぐのか? 本当に、心底から理由が分かりません。

 日本が北方領土について「妥協」することは、過去の日本国民と、将来の日本国民に対する裏切り行為です。絶対に、北方領土の「放棄」といった譲歩をしてはなりませんし、そこまでしてロシアと平和条約を結ぶ理由も存在しないのです。
 
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