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『政府が国債を発行すると家計の預金が増える①』三橋貴明 AJER2019.2.26

https://youtu.be/mBjN9lCa2h8

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三橋TV第62回【1970年の152倍になったクニノシャッキン】

https://youtu.be/y2dX4vLNfLY

 

 東日本大震災から八年が経ちました。
 
『避難なお5万2千人=東日本大震災、11日で8年
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031000324&g=soc
 東日本大震災は11日、発生から8年を迎える。復興庁によると、避難者は1年前に比べ約2万人減少し5万1778人(2月7日現在)。福島では、東京電力福島第1原発事故の影響でなお約3万2600人が県外で避難生活を送る。11日は、平成で最後となる追悼の集いが被災各地で開かれる。
 警察庁によると、死者は8日現在、12都道県の1万5897人、行方不明者は2533人。復興庁が公表している、震災による負傷の悪化などで亡くなった「震災関連死」を合わせると、犠牲者は2万2100人を超える。
  東日本大震災の犠牲者の氏名が刻まれた碑を見る家族=10日、仙台市若林区荒浜
 政府の復興・創生期間が終了する2020年度末まで残り約2年となった。沿岸部では、防潮堤や復興道路「三陸沿岸道路」の建設が進み、不通が続いていたJR山田線宮古-釜石も第三セクター三陸鉄道(岩手県宮古市)に移管され、今月23日に運行が始まる。インフラ面の復興は着実な歩みを重ねている。(後略)』
 
 大地震により、大津波が襲い掛かり、街が沈む。人間には防ぐことができない、「非常事態」が襲い掛かってくる。

 大地震でなくても、台風被害、水害・土砂災害、豪雪災害、火山噴火など、多種多様な自然災害が「いつ、どこで」襲い掛かってくるか分からない。我々は、そういう国土に住んでいます。

 どれほどのおカネ持ちでも、権力者でも、大地震という非常事態の前では平等です。

「自分はおカネ持ちだから、別に地震が起きても死なないよ」
 などということはあり得ません。社会におけるヒト間の格差など、大災害の前には無意味です。

 すなわち、日本列島は、国民が、
「いざ、非常事態が発生した際には、国民同士が助け合わなければ生き延びられない」
 国土なのです。

 日本に"奴隷制"が根付かなかったのは、元々、動物性タンパク質を主に海産物から摂っており、大陸のように「家畜」「牧畜」「遊牧」の必要がなかったためです。

 ビジネス社「帝国対民主国家の最終戦争が始まる」で詳しく解説しましたが、大陸の人々はユーラシアステップの遊牧民を中心に、大量の家畜を「管理」しなければならない状況でした。家畜管理技術の発達は、やがては「異なる"階級"の人間の管理」という技術の発展をもたらします。すなわち、奴隷制度です。

 ユーラシアでほとんど唯一、日本のみが"家畜”のいない文化でした。中国から宦官を初めとし、奴隷制度は伝わりはしましたが、根付きませんでした。

 当たり前です。

 動物性タンパク質の問題に加え、人間を「階級」で区分し、上位階級の人間が、下位階級を「管理」するなどといった社会を作ってしまったら、大震災の時にどうなります? 

 国民同士の助け合い、など存在し得ません。日頃、虐げられている下位階級は、これ幸いとばかりに上位階級に対して略奪、虐殺に走るでしょう。奴隷社会は、秩序が崩壊した際にはもろいものです。

 別の言い方をすると、日本は災害列島に存在するという地形的問題から、ある程度の格差は仕方がないにしても、「天皇」という「国民ために祈る」お方を中心に、相対的に極めて平等性が強い社会を築かざるを得ませんでした
 
 
 
 さらには、災害からの復旧時には、金持ちも貧乏にも皆が力を合わせて「再建」をする必要がありました。

 ビジネスの現場でも、社長から一般社員まで、誰もが力を合わせて、危機を乗り越えようとする。社員にしても、自社にロイヤリティを持ち、生産性向上のために努力する。結果的に、我が国は世界第二位の経済大国に成長しました。

 もっとも、大平正芳以降の「小さな政府」路線、つまりはグローバリズムにより、日本国は次第に所得格差が「低所得者層が増える」という最悪の形で拡大し、さらには人間が個別化され、「共同で乗り切る」という文化も破壊されていっています

 そこに、問題の本質があるのです。

 我が国は、グローバリズムなどといった、共同体を破壊し、人間を「個人」に分割し、自己責任を求める考え方では「生き延びられない国土」なのでございます。

 とはいえ、政治は容赦なくグローバリズム路線を突き進んでいます。

 我々の前には、このままグローバリズムのトリニティを推進し、次なる災害を乗り切れない未来への道と、トリニティ路線を転換し、国民同士が助け合う 未来への道と、二つが存在しています。

 二つの道は、一度、分かれると、その後は二度と混じることはありません。自己責任のグローバリズムの道か、それとも国民同士が助け合うナショナリズムの道か。

 最大の問題は、この手の「本質」を理解している政治家がほとんど存在しないことです。ならば、国民が理解し、政治家に「情報」を叩きこむしかない。あるいは、理解した政治家を誕生させるしかない。

 好き嫌い、善悪の問題ではありません。

 単純に、自然災害大国が「グローバリズム」などとやってはならないのです。今、安倍政権が推進しているグローバリズム路線の本質を理解している政治家が、どうしても必要なのです。
 
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