混迷のブレグジット

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『適切な料金適切な規制①』三橋貴明 AJER2019.1.1

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三橋TV第39回【日本復活のために必要な政党とは?】

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 イギリス議会がEU離脱条件などを定めた離脱協定案を、圧倒的大差で否決しました。


『英議会下院、EU離脱協定案を否決
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190116-OYT1T50019.html
英国の欧州連合(EU)離脱「ブレグジット」を巡り、英下院(650議席)は15日夜(日本時間16日未明)、離脱条件などを定めた離脱協定案を賛成202票、反対432票で否決した。』

 

 2016年6月23日にEUからの離脱を国民投票で決めたイギリスは、リスボン協定により今年の3月29日に「EU離脱」ということになります。


 とはいえ、いかなるスキームで離脱するのかが未だに決まっていません。


 EU側からしてみれば、イギリスがEUから円満に離脱し、普通のFTAを結び直す(これが一番互いに打撃が少ない)という「普通の離脱」は認めがたいわけです。


 容易にEUから抜けられるとなると、ハンガリーやポーランド、下手をするとイタリアまでもが「EU離脱の国民投票」の方向に向かうことになります。


 EUはイギリスに対し、離脱の「制裁金(4兆円以上!)」を支払えなどと、散々に強硬姿勢を貫き、逆にイギリス国民の嫌EU感を煽ってしまいました。


 ともあれ、最大の問題は北アイルランドとアイルランドの国境です。


 このまま事態が進むと、3月29日に強制離脱、つまりは、
「一日にしてEUとの協定が全て効力を失う」
 形でイギリスはEUから離脱することになります。


 とはいえ、現実に北アイルランドとアイルランド共和国との間に「壁」を建設するわけにはいきません。両地域間では、モノの移動に際し、論理的には「関税」がかかることになりますが、物理的に不可能です。


 あるいは、両地域間のヒトの移動も妨げられることになります。イギリスとアイルランドは共にシェンゲン協定には加盟していませんが、より厳しい「国境管理」が求められることになります


 イギリス側の話ばかりをしていますが、論理的にはアイルランド側も「イギリスからの越境者」や「イギリスから流入する物品」について管理することを求められるわけです。


 そして、アイルランド共和国と北アイルランド間の国境が閉ざされると、またもや「北アイルランドの連合王国からの独立運動」が始まる可能性があります。イギリスというよりは欧州にとっての悪夢です。

                     


 というわけで、メイ政権はイギリスがEUから離脱しても、2020年末までを移行期間とし、それまでにアイルランド問題の解決策が見つからない場合、イギリス本土も実質的にEUに部分残留させる措置を盛り込んだ離脱案を練り上げます。


 とはいえ、メイ首相がまとめた案は、
「永遠にEUの支配下に残る可能性がある」
 とのことで、圧倒的多数により否決されてしまいました。


 以前も書きましたが、イギリスのブレグジットについては、「ベスト・ソリューション」はありません。


 百歩譲り、ブレグジットが決まった段階で、EU側が、
「イギリスはEUから抜けるが、同時に別個で結んだFTAが発効になり、貿易や金融には影響を与えない。アイルランド国境については、両国が数年かけて話し合えばいい
 といった妥協案を提示していれば、穏やかな離脱は可能だったかも知れませんが、もはや手遅れです。


 今からFTAの交渉をしたところで、3月29日には間に合いません。


 さらに、アイルランド問題が大きくクローズアップされる、「問題の先送り」も難しい状況になってしまいました。


 欧州側は、ユンケルEU委員長が、
「無秩序な離脱のリスクが高まった」
 と、緊急声明を公表。


 オーストリアのクルツ首相も、
「いずれにせよ離脱協定案の再交渉はないだろう」
 と、イギリスとの再交渉を否定。再交渉をしたところで、期限までに互いが納得できる案をまとめ上げられるとは思いませんが、すでに事実上の時間切れです。


 EUにせよ、ユーロにせよ、グローバリズムの国際協定は「後戻りできない構造」の色が強く、一度入ると、抜けるのは至難の業です。


 まさに「行きはよいよい、帰りは怖い」でございますが、EUやイギリスの苦難を現代進行形で見ていながら、国際協定の推進に疑問を持たない日本の政治家は、まさに「世紀の愚者」という印象なのでございます。

「日本の政治家はイギリスやEUの苦境から少しは学べ!」に、賛同下さる方は、

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