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『適切な料金適切な規制①』三橋貴明 AJER2019.1.1

https://youtu.be/fteuJrN6F2U

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三橋TV第36回【TVが報じない運送業の悲劇】

https://youtu.be/iR9jtB3GtPM



 さて、技術発展は「需要」が牽引すると繰り返していますが、実際には「そうではないケース」もあります。


 ちなみに、インターネットは米軍のARPANETが起源です。ARPANETは、人類史上初の大々的なパケット交換による通信網でした。


 それまでの通信は専用線、つまりは「一対一」で結ばれたラインを経由して行われてきました。その場合、ラインが切断されると、途端に通信不能に陥ってしまいます。


 というわけで、複数のノードでネットワークを構成し、ラインやノードが破壊されたとしても、別のルートを経由して通信を継続するパケット通信の技術が米国防総省により開発されたのです。


 米軍の「需要」が、インターネットを生み出したわけですね。

 さらには、WEB。


 欧州原子核研究機構 (CERN) がLHCの前身となる回転型加速器を建設した際に、科学者、技術者同士の意見交換を「共有」する必要に駆られます。


 科学者、技術者のコミュニケーションを円滑化する、情報を共有するという需要により、WWWが開発されたわけでございます。


 ちなみに、技術をブレイクスルーさせる最大の需要は「戦争」だったりします。


 もっとも、技術は「国家」が何らかのビジョンに基づき、支出を拡大するケースでも発展します。まあ「ビジョンを達成する」も需要といえば需要なのですが、より人間の「意志」が強く働いているケースです。


「我が国は、こうあるべきだ」
 と、政治指導者が決断し、計画を立て、予算を継続的につけていく。結果的に、技術が発展する。


中国が月面裏側への軟着陸成功 資源狙いも
https://www.sankei.com/world/news/190103/wor1901030013-n1.html
 中国政府は、中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」が3日、世界初となる月面裏側への軟着陸に成功したと発表した。探査機は今後、月表面の構造や鉱物成分を調査する。中国の習近平指導部は2030年までに米国やロシアと並ぶ「宇宙強国」となることを標榜(ひょうぼう)し、人類のフロンティア(未開拓地)とされる宇宙空間での権益確保を狙う。
 中国当局は13年12月に世界3カ国目となる探査機の月面軟着陸を成功させるなど、月面探査計画を積極的に推進している。今年は探査機「嫦娥5号」を打ち上げ、月面の土壌サンプルを持ち帰る計画だ。次世代エネルギーとして期待される核融合発電の燃料、ヘリウム3など鉱物資源の確保が狙いとも指摘される。(後略)』

                


 中国は、無論、資源云々の需要もあるのかも知れませんが、「国家の意志」に基づき、2030年までの長期計画で宇宙開発を推進していっています。

 しかも、中国は共産党独裁国家であるため、政府の技術投資に反対する野党やメディアはありません。

「そんな、月の裏側に着陸していくら儲かるんだ! 費用対効果を示せ!」

 などと言ってくる愚者は、中国では存在できないのです。


 これは、人類の危機だと思います。いや、大げさではなく。


 中国の技術開発といえば、技術はパクリ、当初は失敗するケースが少なくなく、日本人の中には、
「中国の新幹線? プw、日本のパクリじゃないかwww」
 と、嘲笑する愚かな人が少なくありません。


 確かに、中国の新幹線技術は日本から「盗んだ」ものです。


 とはいえ、すでに中国の高速鉄道の延長距離は3万キロに近いのです。日本の新幹線の総延長距離(約3000km)の十倍なのです。



 日本人をはじめ、世界から「パクリ国家」と笑われつつ、政府が長期計画に基づき様々な科学技術分野に計画的に予算措置を講じ、ついには月面裏側に無人探査機を着陸させた。


【主要国の研究開発費(兆円)の推移】

http://mtdata.jp/data_62.html#kenkyu


 すでに、中国の研究開発費は日本をはるかに上回り、アメリカに接近しつつあります。


 この現実から目をそらすのは、いい加減にやめましょう。


 といいますか、ここ数年、研究開発費を削減しているのは我が国だけです。緊縮財政は、普通に日本国を亡ぼそうとしています。


 ちなみに、わたくしは不要に「危機感」を煽りたいわけではないです。現実が「危機」であるからこそ、警鐘を鳴らしているのです。


 日本は「中国を見倣い」、科学技術関係予算を「長期計画」に基づき「継続的に予算を増やす」方向に舵を切りなおさなければなりません。


 無論、インフラ整備、防衛力強化、教育など、長期計画に基づく予算拡大が必要な分野は多々あります。


 日本国の主権者として、我々は「長期の計画に基づく、政府投資」の必要性を政治家に訴え、実現に持っていかなければならないのです。


 さもなければ、我が国は普通に技術劣等国、インフラ小国に落ちぶれ、豊かさは未来永劫、戻ってこないでしょう。


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