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『適切な料金適切な規制①』三橋貴明 AJER2019.1.1

https://youtu.be/fteuJrN6F2U

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三橋TV第36回【TVが報じない運送業の悲劇】

https://youtu.be/iR9jtB3GtPM


 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。


1/2【Front Japan 桜】資本主義経済と負債 / 大晦日にトランプ大統領が署名した法律とは / レーダー照射問題~韓国の愚劣さとなすべき対応[桜H31/1/7] https://youtu.be/O10n6C0bjWc
2/2【Front Japan 桜・映画】中国マネー映画の新傾向~映画『マイル22』[桜H31/1/7] https://youtu.be/4ZJRifJ-iM0



 そもそも、資本主義は「三橋TV」などで解説してきた通り、インド製綿製品(キャラコ)に対抗するため、イギリスの毛織物業界が技術開発、設備投資を始めたことで口火を切りました。技術や設備により綿製品の生産性を向上させ、人件費が六分の一のインド綿産業に打ち勝つ。


 いわゆる、産業革命です。産業革命は、イギリス綿製品の「単位労働コストを引き下げる」生産性向上が目的だったのです。

 産業革命により、資本が資本を生産し、技術が支援し、労働者一人当たりの生産量が激増する「資本主義経済」が始まりました。


 つまりは、資本主義経済とは「生産性向上」そのものなのです。

 そして、GDP三面等価の原則により、生産=需要=所得となります。生産性向上で生産者一人当たりの「生産」量が増えると、必然的に一人当たりの所得が増えていく。いわゆる「実質賃金の上昇」です。


 資本主義により、人類は初めて「継続的に豊かになる経済」を手に入れたのです。


 そして、産業革命の歴史を辿れば分かりますが、資本主義の肝、生産性向上を実現する最強のツール(あるいは「概念」)は技術です。


               

『コマツ、無人運転の建機商用化 創業100周年の21年にも2機種開発
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190104/bsc1901040500004-n1.htm
 コマツが、創業100周年の2021年にも無人運転の建設機械を商用化する計画が分かった。油圧ショベルカーと不整地面を走れるクローラー(無限軌道)式ダンプカーの2機種を開発し、今春から実際の土木工事に利用して実証実験に着手。国内建設業界で深刻化する技能労働者不足に対応するため、「現場の省人化」を加速する構えだ。
 無人建機は、小型無人機ドローンで地形を計測し、3次元(3D)データ化した施工計画を入力して運用する。ショベルカーは人工知能(AI)で現場の画像を分析して土砂を掘り、センサーでダンプカーの位置を確認して自動で積み込む。ダンプカーはカメラなどで障害物を検知しながら指定場所に土砂を運ぶ。
 導入されれば操縦者の技能のばらつきがなくなり、施工効率の大幅向上が期待される。また、ショベルカーのそばでくいやテープを使って掘削の目安を示す人手もいらず安全性が高まる。(後略)』


 個人的には「キターッ!」てなもんです。

 すでに、自動運転の建機は、
「ドローンで測量し、三次元測量データを作成。データを建機にインストールし、ミリ単位で正確に施工する」
 という技術は確立しています。


 もっとも、現在は建機に人が乗り込み、スロットルを動かしているため、完全自動というわけではありません。


 とはいえ、現場で自動建機を活用している社長さんたちに聞くと、効果は物凄いようです。

 まず、測量の時点で途轍もない生産性向上になる。その上、自動建機の施工は、大変、残念なことに「どんな熟練工よりも巧い」というのが現実なのです。

 当たり前ですが、人間には調子の波というものがあり、しかも疲労します。どれだけ熟練した技術者であっても、次第に精度が下がるのは仕方がない話です。


 ところが、自動建機は疲れない。GPSなどのデータを用い、正確に施工を続ける。

 とうわけで、イギリスの第一次産業革命の際のラッダイト運動(機械打ちこわし運動)のように、現場の熟練工の反発が起きているのではないかと思ったのですが、そうでもないようです。むしろ、熟練工の方々も自動建機を使いたがる、と。


 理由は、もちろんそちらの方が「楽」であるためです。

 これまで通りの仕事を、これまで以上に楽にこなす。これもまた、生産性向上の一種でございますよ、わたくしに言わせれば。


「何を楽なやり方ばかりを選んでいるんだ。もっと、現場の技術屋は苦労しろ」

 などと主張する人には、

「じゃあ、まずはお前がやれ。他人ではなく、お前が率先して苦労しろ」

 と、言いますよ、わたくしは。


 わたくしは、自分は安全な場所にいるくせに、偉そうに他人に苦労を強いる人種を軽蔑します。というか「滅びろ!」と思うほどに嫌いです。

 というわけで、別にコマツに限らず、日本の「民間」の生産性向上のための技術開発、技術進化は始まっているのです。理由はもちろん、日本には「人手不足」という技術開発に対する膨大な需要があるためです。


 需要こそが、技術を発展させる。


 18世紀、イギリス国内に綿製品の需要がなければ、ジョン・ケイやハーグリーブス、アークライトら発明家たちは、綿製品生産の生産性向上に利する技術を開発することはなかったでしょう(もっとも、産業革命期の発明家たちは、ほとんど報われることがなかったのですが)。


 人手を増やすのではなく、生産性向上のための投資こそが資本主義の真髄です。そして、生産性向上のための投資を呼び込むのは「人手不足」なのです。(厳密にはインフレギャップ)

 我が国は生産年齢人口比率の低下により、人手不足という「資本主義の成長」の絶好の機会を迎えた。


 それを潰すのが、政府の緊縮財政であり、移民受入なのです。安倍政権は、日本の経済成長を妨害する「ボトルネック(制約)」に落ちぶれてしまったのです。 


 明日に続きます。

「生産性向上のための投資こそが資本主義の真髄」に、ご納得頂けた方は、

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