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『日本国の大本営発表①』三橋貴明 AJER2018.12.25
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三橋TV第34回【人手不足が日本経済を復活させる理由】
メルマガ「週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~ 」では、現在、マルクスの「唯物史観」を取り上げています。
思想系の難しい話は、基本的には上記で展開しておりますので、ご興味がある方はご登録下さいませ。
さて、マルクス主義にせよ、ケインズ主義にせよ、あるいはグローバリズムにせよ、単なる「ツール」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
とはいえ、このツール、別名「思想」が世界に途轍もない影響を与えるのも確かな事実です。
『経済学者や政治理論家の思想は、正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えているより、はるかに強力である。世界を支配しているのは、思想以外にないと言えるほどである。(ジョン・メイナード・ケインズ)』
マルクスの唯物史観に基づく「経済発展段階説」は、資本主義経済において、労働者の労働力が適正価格で購入されておらず、剰余価値が資本家により再投資されることで、持てる者(ブルジョアジー)、持たざる者(プロレタリアート)との格差が拡大し、両者間の階級闘争が激化する。
その後、プロレタリアート独裁を経て、国家や私有財産権が存在せず、資本が共有される「共産主義社会」が訪れる、と、超大雑把に書くとそういう話だったのですが(詳しくはメルマガでやっています)、現実には共産主義革命は失敗しました。
マルクスの経済発展段階説のラストは、明らかに間違っていたのです(元々が「予想」でしたが)。
だからと言って、マルクスの唯物史観が「全て間違っている」という話にはなりません。唯物史観のみで世界を説明するのは無理という話で、
「新自由主義、市場原理主義は常に正しい」
という思想同様に、唯物史観、ケインズ主義の「全否定」も間違っているのです。
ソ連はノーメンクラツーラがそれまでの資本家同様に「上位階層」として支配する国で、「共産主義国」でも何でもありませんでしたが、一応、それっぽく「計画経済」を建前にしていました。
結果的に、市場競争が皆無となり、生産性が全く向上せず、西側諸国に差をつけられることになりました。だからと言って、政府の「計画」は全てダメ、という話にはなりません。
「ソ連は計画経済が行き過ぎ、生産性が向上せず、衰退した」
という事実があったとして、「だから政府の計画はいらない」では、思考停止もいいところです。
市場経済、唯物史観、ケインズ主義同様に、計画経済も単なる「ツール」に過ぎないのです。
少なくとも、長期的なインフラ整備は、政府が「計画」をもってやらなければなりません。というか、個人の人生設計にしても「無計画」というのは愚かなことです。
「リニア新幹線が名古屋まで開通すれば、飯田市に引っ越し、コメを作りながら品川に通勤する」
という、わたくしの人生設計も、まさに「計画」なのです。
というわけで、世界の主要国の中で、インフラ関連の「国土計画」を持たない国は存在しません。たった一カ国、極東の世界最古の国である「日本国」を除いて。
『国土強靱化基本計画改定 対策に7兆円
http://www.news24.jp/articles/2018/12/14/04411795.html
今年災害が相次いだことを受け、政府は14日の閣議で、国土強靱(きょうじん)化基本計画を改定し防災・減災のための3年間の緊急対策を決定した。対策の総事業規模は約7兆円となる。
安倍首相「強靱なふるさと、誰もが安心して暮らすことができるふるさとをつくりあげるよう、総力を挙げて取り組んでいただくようよろしくお願い致します」
改定された国土強靱化基本計画では、全国の重要インフラの緊急点検の結果を受けて、新たに「劣悪な避難生活環境」や「上下水道の長期間供給停止」への対応などが重点プログラムに追加された。
その中で特に緊急に行うべき対応を盛り込んだ「3か年緊急対策」には、食料やライフラインの確保など160項目が盛り込まれ、事業規模は総額約7兆円となる。
政府はまずは今年度の第二次補正予算案から必要な予算を計上し、対応していく方針。』
昨日、内閣官房参与を辞任された藤井聡先生や、与党のまともな政治家(そりゃ、皆無というわけではありませんので)の尽力のおかげで、ついに我が国に「複数年計画」のインフラ整備の予算がつきました。
すなわち、国土強靭化三カ年計画です。
財務省は、とにかく「複数年度計画や予算は絶対にダメ」というスタイルですので、第四次全総を最後に、我が国では全ての予算が、信じがたい話ですが「長期的なインフラ整備」や「技術投資」を含めて単年度予算オンリーでした。
インフラ整備はもちろん、科学技術投資までもが単年度予算なのです。
普通に「頭がおかしい」と表現可能でございます。
何しろ、ノーベル賞を受賞した山中教授の研究室においてまで、研究員のほとんどが非正規雇用という異常な状態になっているのです。単年度でしから予算がつかないため、正規職としての研究員を雇えないのです。
こんな有様で、我が国が衰退していかなければ、むしろ奇跡でございます。
もちろん、奇跡は起きず、我が国は財務省の単年度主義(しかも、プライマリーバランス主義!)により、中長期的に発展途上国への道を歩んでいます。
その財務省の単年度主義に、数十年ぶりに風穴が開いたのが、今回の国土強靭化三カ年計画なのです。財務省の抵抗は物凄かったようですが、政治の力で何とか押し切ったようです。
とはいえ、予算規模は十分ではなく、しかもとりあえずは補正予算です。(本来は通常予算で組むべきです)
さらに言えば、国土強靭化以外のインフラ整備(整備新幹線、高速道路の暫定二車線、ミッシングリンク解消など)、科学技術(ILC、大学予算など)、教育、防衛など、長期の投資が求められる分野は多々あります。
国土強靭化の「計画」を皮切りに、
「長期的な投資が必要な分野には、適切な計画を持って予算を講じる」
という当たり前の政策スタイルを取り戻さない限り、我が国の衰退は止められません。
少なくともインフラ整備、科学技術、教育、防衛などについては「政府の計画」を復活させなければならないのです。
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