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『グローバリズムのトリニティ①』三橋貴明 AJER2018.12.4
https://youtu.be/gbihwGhHhbo

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三橋TV第33回【三橋貴明と山本太郎の意外な共通点】

https://youtu.be/plQpOPrkgs8


 先日のシンポジウムで中野剛志先生が解説してくれましたが、現在の日本をむしばむ(緊縮財政含む)グローバリズムの始まりは、オイルショックでした。

 厳密には、1973年の第一次オイルショックによる実質GDPのマイナス成長+コストプッシュ型インフレによる「スタグフレーション」が発生し、いわゆるケインズ的政策が否定されてしまいます。


 結果的に、フリードマンやブキャナン的「新自由主義」「財政均衡主義」「マネタリズム」が世界の政治に入り込んできました。資本家、投資家、大企業、富裕層に有利な政策、あるいは「政府を小さくする政策」が一斉に始まることになります。


 オイルショックという「(文字通り)ショック」が、新自由主義、グローバリズム、新古典派経済学、市場原理主義、マネタリズム(全部根っこは同じ)といった新たな「金持ちを利する、小さな政府」推進策を正当化してしまったのです。


 1979年には、イギリスでマーガレット・サッチャーが首相の座を射止め、世界的にグローバリズムが始まりました。


 日本にしても、中曽根政権がグローバリズムの本格的な始まりとなり、本来は右下(右寄り反グローバリズム)に位置していた自民党が、次第に右上に移っていきます。


【世界の政治経済マトリクス(中野剛志、評論家)】

http://mtdata.jp/data_62.html#matrix


 そして、「愛国主義」「保守主義」「対外強硬主義」を叫びながら、国内ではバリバリとグローバリズム的政策を推進していったのです。日本の話ではなく、主要先進国全般の話です。


 日本の場合、小泉元首相が靖国神社に参拝すれば保守派と呼ばれる人々は歓喜し、国内でグローバリズムが推進され、日本国家が破壊されるのを見逃しました。


 安倍政権が対中、対韓で少し強く出れば、「キタコレ!」とか何とか言いつつ、国内でグローバリズムが猛威を振るい、日本が「日本でなくなっていく」現実から目をそらし続けました。(続けています)


 もっとも、上記の反国家スキームは、イギリスのサッチャー政権から始まる「伝統」なのです。


 問題は、むしろ左上です。

 特に、日本の場合は顕著なのですが、先進国の「左寄り」は(マレーの本などを読むと分かりますが)こぞって「反国家的」なのです。国家の歴史、過去について「贖罪意識」を声高に叫ぶのが、先進国の左の特徴です。


 それでも、冷戦までは「ソ連」という明確な敵がいたため、日本を除く先進国の「左」はそれなりにナショナリズムを主張していました。(日本の左は元々反日本国家の傾向が強かったですが)


 冷戦終了後、主要先進国では「左寄り」が本来の支持者である「労働組合」から乖離するという現象が起きます。つまりは、左下の「左寄り反グローバリズム」がグローバリズムへと上昇していったのです


 結果、左寄りグローバリストたちは「国民」「労働者」の味方ではなく、マイノリティや「外国人」「移民」の人権擁護を声高に叫ぶようになります。欧州でいえば、左寄りグローバリストが「イスラム移民擁護」を続けたのです。


 国内の労働者(マジョリティ)ではなく、外国から来た移民を重視している時点で、彼らもまたグローバリストなのです。


 日本の移民法(改正出入国法)審議の際に、野党は「技能実習生の悲惨さ」ばかりを強調し、日本国民の賃金水準に与える影響などは全く取り上げませんでした。これまた、左下の「労働者を擁護すべき勢力」が、いつの間にか上方にシフトしてしまった証です。


 つまりは、日本の政党は「右寄りグローバリスト」か「左寄りグローバリスト」しか存在しないも同然なのです。そして、この状況は過去何十年と欧州が苦しみ続けてきた政治的現実でもあります。


 本来は「労働者」の見方であるべき左寄り勢力が上方シフトし、移民だ、LGBTだ、フェミニズムだとマイノリティ保護を声高に叫ぶようになった結果、真の意味における「普通に働く国民」の味方がいなくなってしまいました。


 これが、日本の現実なのです。


 逆に言えば、現在の日本には右下、左下に膨大な「政治的需要」があるという話になります。

 核となるべきは、左下はもちろん労働組合、右下は農協、あるいはロジスティック協会、建設業協会といった「内需」「安全保障」分野に関する団体でしょう。


 そもそも、組合とは「グローバリズム」の横暴から多数派の労働者、農民、消費者などを守るために誕生した組織です。19世紀から、組合とグローバリズムは不倶戴天の敵同士です。


 だからこそ、グローバリズムは農協などについて「既得権益」などとレッテル貼りし、潰そうとする。愚かな国民が、それに賛同するという形で、グローバリズムに対抗すべき組織が壊されてきました。


『労組組織率17% 過去最低を更新 厚生労働省

https://www.asahi.com/articles/ASLDM3SLDLDMULFA00S.html

 雇用者に占める労働組合員の割合(組織率)は、今年6月末時点で17・0%だった。前年を0・1ポイント下回り、7年連続で過去最低を更新した。厚生労働省が19日、発表した。(後略)』


 労働組合や農協の弱体化は、誰を利するでしょうか。もちろん、グローバリズムです。特に、国民が、

「労働組合を庇う三橋は共産党の手下だ!」

「三橋は農協の飼い犬だ!」

 などと、思考停止的にわたくし共を批判してくれれば、グローバリズムにとってこれ以上に嬉しい話はないでしょう。何しろ、標的が自分に回ってきません。


 帝国主義時代から、グローバリズムの伝統は「分断して、支配する」です。

 この種の「現実」を理解し、安倍政権のグローバリズムを止めなければ、我が国の亡国は避けられません。具体的には、日本国民が日本国の主権を失うという話です(すでに、相当揺らいでいますが)。


 亡国を回避するためには、中野剛志先生が作った上記マトリクス及び「歴史」を知らなければ話にならないのです。逆に、マトリクスや歴史を知れば、綺麗に「現実」が見えてくるはずです。


 目隠ししたまま戦いに挑んでも、勝ち目がないという話でございます。


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