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『グローバリズムのトリニティ①』三橋貴明 AJER2018.12.4
https://youtu.be/gbihwGhHhbo

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三橋TV30回【グローバリズムのトリニティ】

https://youtu.be/geE6QuAWc3w

 

 先日のチャンネル桜の討論「【討論】入管法(移民法)改正がもたらすもの[桜H30/12/15] 」 で、篠原先生が「過剰サービス」を問題視された際に、わたくしは、
「サービスの品質を下げることは文明の後退。問題は、高品質のサービスから十分な料金を徴収しないこと」
 といった話をしました。


 まあ、この辺りは「価値観」の問題なので、別に賛同を強いる気はありません。が、わたくしは自分の子供や孫に、
「自分より不便な生活をさせたくない」
 とは考えています。サービス品質はさらに引き上げ、"費用"をきちんととる。これもまた、生産性の向上でございますよ。


 いつもは、分かりやすさ優先で「モノ」の生産で解説していますが、日本のGDPの八割は「サービス」です。サービスにおいて「品質を向上する」は「モノの生産量を増やす」と同意でございますよ。



 というわけで、より高品質のサービスを「高く」提供することもまた、実質賃金上昇への道なのです。

 逆に考えると、当日宅配のような高度なサービスを「安価」に提供することは、大量生産して叩き売っているのと同様に「搾取」でございます。


 企業の所得(利益)が膨らんだとしても、生産者に十分な所得が分配されない、つまりは労働分配率が低いとなると、これは実質賃金の抑制要因です。デフレ日本では、この種の「搾取」が相次ぎました。


 日本国民は過剰なサービスを超安価に提供することを強いられてきたのです。


 もっとも、「過剰なサービスを超安価に」の原因はデフレだけではありません。政府の不要な規制緩和もまた、生産者に過剰サービスを叩き売るよう誘導してきたのです。


    


『改正貨物事業法 参院国交委が承認 標準貨物など「恒久化も」
http://logistics.jp/media/2018/12/10/2849?fbclid=IwAR2cf5wyaYJVa0H8QcQoaTufrnOtKwqzkfiJMgbwFdeRi78Zxrvq_C6QOzg
 参院国土交通委員会(羽田雄一郎委員長)は6日、貨物自動車運送事業法改正案を審議し、全会一致で承認した。荷主対策の深度化として、国土交通、農林水産、経済産業、厚生労働の各大臣の協力による働き掛けや標準的な運賃の告示は、2024年4月に始まる自動車運送業務への時間外労働上限規制適用までの時限措置として規定するが、同委の審議の中で「延長もあり得る」との見解が示され、恒久化される可能性が出てきた。(田中信也)
 事業法改正案は4日、衆院国交委員会(谷公一委員長)で委員長提案として起案、審議の上、承認。同日の本会議で可決され、衆院を通過した。改正案の最大の目玉である「違反原因行為への対処」「標準的な運賃」は、23年度末までの時限措置として付則に盛り込まれる。
 違反原因行為への対処では、トラック事業者の違反となる行為をさせている疑いのある荷主の情報を、国交相が関係行政機関の長(農水、経産、厚労の各大臣)と共有。荷主に対する要請・勧告などの働き掛けや荷主名の公表、独占禁止法違反の疑いがある場合は公正取引委員会への通知などが行えるようにする。。(後略)』


 藤井聡先生などのご尽力で、ようやく貨物事業法が「規制強化」の方向に改正されました。これこそが、まさに改「正」です。


 本来、ネット通販の膨張による需要拡大は、運送事業者が所得を拡大するチャンスでした。それにも関わらず、現実にはデフレ(人手過剰)と規制緩和により、現場の運送事業者がマルクスの言う「労働力」を叩き売ることを強いられてきたのです。


 くどいですが、わたくしはサービス品質を下げるべきとは言っていません。過剰なサービスに対しては、通常以上の料金を支払うべきという話です。


 国交省は、
「ドライバーの労働条件改善、健全な事業経営が可能な適正利潤を得られるといった法の趣旨を踏まえて対応していく」
 と説明していきますが、正直、わたくしはこと物流に関しては、独占禁止法の対象外とし、運送業者の「カルテル」を認めても構わないと思います。


 そうしなければ、過当競争は終わらず、ドライバーの労務単価も上昇せず、人手不足は解消せず、やがては日本の「物流安全保障崩壊」に至ることになるでしょう。


 日本の運送業が困窮し、物流安全保障が崩れると、困るのは我々国民なのです。


 そして、物流安全保障を維持するためには、「適切なサービスに適切なフィー(料金)を支払う」という、当たり前のことを我々一人一人が思い出す必要があると思うのです。


 さもなければ、次なる大規模自然災害の際に、我々は物資を受け取ることができずに、飢え、弱い者から命を亡くしていくことになるでしょう。


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