株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから 

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『帝国対民主国家の最終戦争が始まる(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.11.6
https://youtu.be/yMQtufFxoE0

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


三橋TV第14回【日本経済を復活させるたった1つの秘策】
 
https://youtu.be/p_Fb-fPlEpw


「食を制する者は世界を制する」

 モンサント社の非道を訴えた『モンサントの不自然な食べもの』に登場したアメリカの農家が呟いた言葉です。


 今年の4月1日、日本国民の食料安全保障の根幹である「タネの安全保障」を守っていた主要農作物種子法が廃止となりました。結果的に、日本各地で優良、多種多様、かつ安価なタネを生産していた都道府県に対する予算の裏付けが消滅。


 種子法は、
『第一条 主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他助成の措置を行うことを目的とする。』
 という一文から始まっていました。


 種子法は日本政府に対し、稲、大麦、はだか麦、小麦という主要農作物について、地域に合った良質な種子が農家に行き渡るよう、農業試験場の運営などに必要な予算をつけるための根拠法だったのです。


 なぜ、種子法により種子の安定生産に政府が関与したのか。種子法が制定されたのは、大東亜戦争敗北後、主権を失っていた日本がサンフランシスコ講和条約発効により独立した「翌月」の1952年5月です。


 1945年8月、日本は大東亜戦争に敗北。タイミング悪く、全国的に農産物が不作に陥りました。しかも、各地の農家が政府に不信感を持ち、食料の供給をサボタージュする例が相次いだため、日本国民は「飢餓」に陥ってしまいます。


 食糧難の時代を経て、ようやく独立を取り戻した日本は、
「もはや二度と、国民を飢えさせない」
 という決意のもと、政府が「食料の基本」である種について、積極的に関与する仕組みを整えたのです。その種子法が、あっさり廃止。


 先人の「もはや二度と、国民を飢えさせない」という決意を、平気でないがしろにするのが安倍政権というわけです。


 しかも、理由は別に国家国民のためではなく、単にモンサント=バイエルを初めとするアグロ・バイオ企業にとって、「安い種子」の提供を可能とする種子法が邪魔だからです。


 さらに、日本政府は種子法廃止と同時に、農業競争力強化法を制定。同法により、長年、都道府県が税金を使い、蓄積したタネの知見を、民間企業に提供することになります(そう法文として書いてあるのです)。 

               


2018.11.07 種子法廃止の代替を 「守る会」17万人の署名提出
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2018/11/181107-36599.php
 日本の種子(たね)を守る会(会長=八木岡努JA水戸組合長)は11月6日、東京・永田町で自民党議員に、17万人分の署名を渡し、廃止となった種子法に代る法律の制定を求める要請を行った。
 要請には八木岡代表のほか、生協パルシステム神奈川ゆめコープの吉中由紀理事長、JAしまねの萬代宣雄前組合長らが参加。自民党の吉田博美参院幹事長、野村哲郎農林部会長、岡田広参院自民議員副会長、山田俊男参院自民議員らに要請した。
 八木岡会長は、「種子法の廃止によって、種子行政に関する予算が削られ、地方の特徴ある農作物が失われる可能性がある。これを懸念し、条例を制定する県が増えている」と説明。
 また、独自の署名活動で2万人の署名を集めたJAしまねの萬代前組合長は「10年、20年先も安心して農業をできるように、いまその方向を示しておいて欲しい」と訴えた。
 これに対して野村部会長は「一度廃止した種子法を復活させるのは難しいが、種苗法改正の動きがあり、その中に含めて考えたい。そのためには、これだけは絶対に守らなければならないという事項を示す必要がある」との考えを示した。』


 いやいや、一度廃止した種子法を復活させるのは難しくありません。


 すでに、野党が以前の法律を修正した種子法復活法案を提出しています。継続審議になった種子法復活法案に、自民党議員が賛成すれば、普通に復活します。


 相変わらず、自民党の議員は「種苗法が~」と寝言を言っていますが、


● 種苗法は生産者ではなく、タネの育成者の権利を守る法律である
● 種苗法は、都道府県に種子生産の予算を提供する担保法ではない
● 種苗法で「守られている」はずの野菜のタネは、すでに九割が外国産


 これが現実です。


 無論、種苗法でタネ生産の「予算」の担保ができるようになるというならば別ですが、緊縮路線の安倍政権にできるとは思いません。


 といいますか、そんな面倒くさいことをするくらいならば、野党の種子法復活法案に乗れば済む話です。


 先人が「もはや二度と、国民を飢えさせない」という決意に基づき、制定した種子法を、外国企業(主に)のビジネスの利益最大化のために平気で廃止する。


 自民党議員は、全員「恥を知れ!」でございます。


 先日取り上げた竹下前総務会長の発言、
「私自身も(種子法廃止の)中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」
「量だけでなく安全性も含めて、食糧の安全保障は、政権が絶対に維持しなければならない。国会議員が種子法の必要性や重要性を認識していなかった
 というのが日本の国会の現実です。


 もちろん、「知らなかった」「認識していなかった」では済みません。このまま種子法問題を放置することは、
「もはや国民を飢えから守らない」
 と、政府、政治家自ら宣言したのも同然なのですよ。

「政府は早急に種子法を復活させよ!」にご賛同下さる方は、このリンクをクリックを! 
新世紀のビッグブラザーへ blog                            

◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。
   
◆三橋貴明関連情報

新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ

「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。