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『生産性を高めるたった一つの方法①』三橋貴明 AJER2018.8.21
https://youtu.be/MUj21sazBvQ
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 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。


【Front Japan 桜】日本の運命を決める国際リニアコライダー(ILC)~岩手現地レポート編 / 現実となったブラックアウト(他)[桜H30/9/7]
https://youtu.be/m_lQlSMhgLo
http://www.nicovideo.jp/watch/so33816686


 もはやここまで来ると、怒りよりも情けなさが先に出てくるわけですが、安倍政権は賃金統計でも「嘘」あるいは韓国ばりの統計マジックを使い始めています。


 18年6月の現金給与総額(名目)が対前年比3.3%、実質でも対前年比2.5%となり、
「ジッシツチンギンガー厨、ザマアwwww 安倍政権ダイショウリー!!!」
 などとやっている「アホ」を見かけましたが、


 ごめん、それ(現金給与総額のプラス)、ほぼ「統計手法の変更」の影響だから。


「な、なに言っているんだ! 実質賃金は7月も+0.4%で、安倍政権ダイショウリー!!!」


 と、動揺しつつ反論したくなるでしょうが、ごめん、それも統計手法の変更の影響で、実は手法変更前の18年7月の実質賃金(現金給与総額)は▲1.1%で、相変わらず対前年比のマイナスが続いているのですよ。


 うん、信じたくない気持ちはわかるけど、事実なの。


 取り上げようかなあと考えていたら、台風21号と北海道地震(&ブラックアウト)が起きてしまい、後回しにしていたら、先に記事が出てしまいました。


『統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 補正調整されず…専門家からは批判も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180912-00010000-nishinpc-soci
 政府の所得関連統計の作成手法が今年に入って見直され、統計上の所得が高めに出ていることが西日本新聞の取材で分かった。調査対象となる事業所群を新たな手法で入れ替えるなどした結果、従業員に支払われる現金給与総額の前年比増加率が大きすぎる状態が続いている。補正調整もされていない。景気の重要な判断材料となる統計の誤差は、デフレ脱却を目指す安倍政権の景気判断の甘さにつながる恐れがある。専門家からは批判が出ており、統計の妥当性が問われそうだ。(後略)』


       


 要するに、どういうことか。


 安倍政権は18年1月以降、「毎月勤労統計調査」の調査対象となる事業所軍を入れ替え、結果的に現金給与総額が対前年比で高く出るようになってしまいました。それはまあ、対前年比の「対象」が異なるわけなんで、正しい数値など出てきません。


 消費税増税で物価がいきなりプラスになったようなものです。


 調査対象から「給料が低い事業所」を外し、「給料が高い事業所」を入れれば、当たり前ですが対前年比の給与水準は上昇します。安倍政権は「比べてはならない事業所」同士を比較し、発表しているのです。


 少なくとも、入れ替え後の一年間は、対前年比を「旧事業所群」の比較で出さなければならないはずです。ところが、安倍政権は「新事業所群」の給与を「旧事業所群」と比較し、
「現金給与総額は対前年比で3.3%(18年6月)増えた!」
 と、やっているのです。


 信じたくないでしょうが、事実です。


 厚生労働省の担当者は、以前から調査対象に含まれていた事業所に限定した参考値を公表していることなどを理由に、
「補正や手法見直しは考えていない」
 とのことでございます。


 というわけで、わたくしが新規事業所を省いた現金給与総額、きまって支給する給与の名目と実質をグラフ化してあげましょう。


 刮目して見よ!


【日本の名目賃金、実質賃金の推移(対前年比%)】
http://mtdata.jp/data_60.html#chingin
【名目賃金】


【実質賃金】


 上図の通り、18年7月の名目賃金(除、新規事業所)は、現金給与総額が対前年比0%、きまって支給する給与は+0.1%。


 こんな有様では、物価上昇分を吸収することができません。というわけで、実質賃金は、現金給与総額が▲1.1%、きまって支給する給与は▲1%。


 日本国民の貧困化は未だに続いています。


 ところで、来年1月になれば、事業所入れ替えによるメッキは剥がれ、賃金は名目も実質も対前年比でガクンと落ち込むことになります。それにも関わらず、なぜこの手の「姑息なインチキ」に手を染めたのか。


 理由は、今年の11月か12月には、来年10月の消費税増税が最終決定されるためでしょう。


「賃金は名目も実質もこれだけ伸びている! 消費税増税の環境は整った!」
 と、やりたいのだと思います。

 それにしても、安倍政権は「数字」をでっち上げ、平気で発表するまでに落ちぶれたわけです。まるで、ソ連ですね。


 我が国の政治がいかに「狂っている」のかが、賃金統計一つとっても理解できます。
 

「日本の政治は狂っている」に、ご賛同下さる方は、

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