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『生産性を高めるたった一つの方法①』三橋貴明 AJER2018.8.21
https://youtu.be/MUj21sazBvQ
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 現在、ギリシャやイタリアなどが移民流入の阻止に動いているため、アフリカ大陸から欧州への移民は減っています。


 今年の7月までにギリシャ、イタリア、そしてスペインに入った移民は7万2100人で、昨年比で5万人減りました。当然ですが、最も減ったのは「五つ星運動」「同盟」の連立政権が発足したイタリアです。


 さて、アフリカ大陸からの移民も、日本への技能実習生・留学生流入と同じように「ビジネス」と化しています。しかも、アフリカからの移民は、命がけで地中海を渡るのです。


 欧州諸国が移民受入に厳しい姿勢を採り、なかなか地中海を渡ることができなくなったとき、北アフリカ(リビアなど)の移民ブローカーたちはどうするでしょうか。移民を送り込むビジネスを諦めるのでしょうか


 とんでもない。


 ブローカーたちが強引に移民を送り出すようになるため、死亡率が高まるのです


欧州に向かう移民、今年の死亡率急増 国連調査 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34914840T00C18A9910M00/  
 欧州に渡る中東・アフリカ系移民の死亡率が、2018年に入って著しく高まっていることが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調査でわかった。リビアからの地中海ルートでは19人に1人が死亡するか行方不明になっていた。海上保安当局の監視が厳しくなるなか、以前にも増して危険な渡航が増えていることが背景にあるとみられる。(中略)
 イタリアは17年からリビア当局と協力して密航の取り締まりを強めており、一定の効果が出ているとみられる。6月に発足したコンテ内閣は極右「同盟」党首のサルビーニ内相ら反移民を掲げる有力閣僚を抱えており、移民を乗せた救助船の入港を原則拒否している。
 一方で、欧州に渡る中で命を落とした人は1600人以上に上り、UNHCRは「死亡率が急激に高まっている」と指摘した。リビアから地中海を通りイタリアに向かうルートでは17年1~7月には43人に1人が死亡していたが、18年同時期では19人に1人となった。6月だけでみると、8人に1人が死亡した。
 リビアの海上保安当局の取り締まりを避けるため、違法業者が危険な気象条件でも移民を乗せた船を出航させていることなどが理由とみられる。強まる取り締まりの中で移民を陸上にとどめておく費用が増えたことで、業者が船の装備をさらに貧弱にしコストを下げていることも背景にある。』 


 南欧諸国が移民を受け入れず、「移民を送り込む」というビジネスにおいて競争(南欧諸国の政府との)が激化した。結果的に、コストを引き下げる。


 船の装備を簡略化し、大勢の移民を詰め込み、気象条件も無視して地中海に送り出す。変な話ですが、地中海の移民ビジネスは「デフレ化」が起きているわけですね。


 そういう意味で、市場原理に則ってはいますが、「激しい競争」の中、地中海に貧弱な船で送り出される移民にしてみれば、たまったものではないでしょう。文字通り、命に関わります。


                         


 さて、ドイツでは移民問題を巡り、「国民同士の争い」が激化しています。


『ドイツ東部で極右デモ激化 移民めぐる緊張浮き彫り メルケル首相決断から3年
https://www.sankei.com/world/news/180902/wor1809020026-n1.html
 ドイツ東部ケムニッツで移民排斥を主張する極右支持者らのデモが激化している。移民によるドイツ人男性の殺害事件が発端で、「反極右」を訴えて対抗するデモとも衝突した。メルケル首相が難民・移民受け入れで象徴的な決断を下して4日で3年。移民流入は減ったが、社会の緊張が改めて浮き彫りになった。
 ケムニッツ中心部では1日夕、約8千人が集まり、「メルケルは去れ」とのプラカードや国旗を手にした人々がデモを繰り広げた。参加者は極右や移民受け入れに反対する右派「ドイツのための選択肢」(AfD)の支持者ら。デモ終了予定時刻を過ぎ、解散を求める警官隊と参加者が対峙する場面もみられた。(後略)』


 相変わらず日本のマスコミは移民反対派を「極右」呼ばわりしていますが、ならば「反極右」の連中を「極左」と呼ばなければ不公平というものでしょう。


 8月26日、ケムニッツでイラク国籍、シリア国籍の移民によりドイツ人男性が刺殺される事件が発生。それ以降、反移民派による数千人規模の大規模デモが連日行われています。


 それに対し、「反移民排斥派」(ややこしい!)も数千人集まり、
「ナチスに居場所はない」
 と、書かれたプラカードを掲げて行進。


 ドイツでは、他者を「ナチス」呼ばわりすることはタブーだったはずなのですが、もはや見境なしです


 AFPによると、デモ終了後に反移民派と反移民排斥派が衝突し、18人が負傷したとのことです。


 人間に関するグローバリズム、ヒトの国境を越えた移動の自由化の行く末が、まさに現在の欧州です。


 政府が移民流入に厳しくなる中、移民送り出しの「ビジネス」はコスト削減、人命軽視に走る。あるいは、移民が多く流入してしまった国では、「国民 対 国民」の争いが勃発し、終わりが見えない。


 安倍政権の移民受入政策は、日本の「欧州化」の道なのです。


「安倍政権の移民政策に反対する!」にご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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