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『生産性を高めるたった一つの方法①』三橋貴明 AJER2018.8.21
https://youtu.be/MUj21sazBvQ
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 本日は経営科学出版主催「月刊三橋全国ツアー 仙台講演」開催日です。仙台の皆さん、よろしくお願いいたします。


 さて、日本の運命を決する四か月が始まりました。なぜ四か月なのかといえば、


(1) 年末までに消費税増税による需要縮小に対抗する予算(概算要求の枠外で)が決まる
(2) 国際リニアコライダー(以下、ILC)の政府の誘致決定の締め切りが年末


 であるためです。


 わたくしは、昨日は盛岡の岩手県庁、ILCのオープンラボ、岩手県立大学、一関のILC建設候補地、一関駅と移動しつつ、様々な関係者の皆様にインタビュー取材をして参りました


 取材の映像は、先日のILCシンポジウム後のシェルドン・グラショウ博士、バリー・バリッシュ博士へのインタビューと合わせ、近々、チャンネル桜で放映されますので、しばらくお待ちくださいませ。


『新加速器、宇宙誕生再現へ 日本に誘致検討始まる 巨額の建設費がカベに
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3477233030082018TJN000/
 世界の物理学者が日本での建設を希望している大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」。日本学術会議で8月、誘致するかどうかの検討が始まった。こうした巨大加速器は「宇宙の始まりを再現する」とされるが、ILCは総額約8千億円とされる建設費が足かせになっている。
 日本学術会議の検討委員会では、ILC誘致に対して厳しい意見が相次いだ。日本に建設するとなると、周辺施設などを含めて約8千億円とされる総建設費のうち半分程度をホスト国の日本が負担する。財政悪化で科学研究の予算が限られるなか、加速器だけに巨費を投じることへの反発が噴き出した格好だ。(後略)』


 日本経済新聞は、相変わらず「ザイセイガー」をやっていますが、以前よりもまともに、しかも詳細にILCについて報じているのは確かです。恐らく、経団連かどこかから、

「日本企業の利益になるのであるから、推すように」

 といった指示が出ているのではないかと「想像」しています。(真実は分かりませんが)

                      


 後略部では、なぜ「直線型(リニア)」の加速器が必要なのか、ILCで何が可能なのか、「決定権」は誰が持っているのか(日本政府ですが)について、(珍しく)正しく書かれています。


 ちなみに、なぜ直線型加速器が必要かといえば、


(1) LHC(CERN)などは円形型で陽子同士をぶつけるが、陽子は質量が大きいため、衝突時に様々な素粒子が飛び散り、ノイズが大きく、ヒッグス粒子等の観察ができない
(2) 円形加速器で電子、陽電子を衝突させようとすると、「曲げる」ためのエネルギーが大きくなりすぎ、必要な速度までスピードを高めることが困難


 という、超大雑把に書くと、二つの理由があります。


 もっとも、直線型加速器は円形とは異なり、一発勝負です。円形の場合、素粒子を時計回り、反時計回りでグルグル回すと、そのうち衝突するという「確率」の問題になりますが、直線型はチャンスが一度きりです。


 直線型加速器で、ビームを究極まで絞り込み、電子と陽電子を光速で衝突させる。この技術は、今のところ日本が圧倒的にリードしています。


 日本がリードはしていますが、ILCが「断念」などという事態になると、日本の優位はあっという間に失われ、「中国」が引き継ぐことになるでしょう(と、言われました)。


 さて、「ザイセイガー」ですが、実際に日本国が負担する予算は8千億円の半分+アルファで、5千億円程度です。


 通常の文科省予算でILCの予算を確保しようとすると、他の科学技術分野が悪影響を受けます。無論、ILC予算分を毎年「上乗せ」すれば済む話ですが、緊縮脳に浸食された日本の官僚、政治家は、その種の発想ができません。


 つまりは、ILCの建設予算は文科省予算と「別枠」で確保するのが適切なのです。


 そして、冒頭の話に戻りますが、政府は19年度予算について、概算要求の積み上げ「及び」消費税率の引き上げの影響を抑える経済対策を組むように、閣議決定しています


 「消費税率の引き上げの影響を抑える経済対策」の規模について、自民党の国会議員の一部は「10兆円」は必要と主張しています(それでも足りない可能性がありますが)。


 つまりは、今年末までに兆円単位の「消費税増税対策」の予算が組まれるのは確実なのです。


 どう考えても、ILC建設予算を、年末までに組む増税対策予算に組み込むべきでしょう。そうすれば、他の文科省予算に影響を与えないため、学者陣の反対も出ないでしょう。


「いや、文科省の通常予算に上乗せするべきだ」
 というのは正論ですが、とにもかくにも日本の政治家や学者の「ザイセイガー」的緊縮脳は重症です。いっそ、全員、脳を取り換えた方がいいのではないかと思うほどです。


 というわけで、現実的な落としどころとして、ILCを「消費税増税対策予算」に入れるというのは、ベストではありませんが、現在の日本にとってベターな案だと思うのです。


 とにもかくにも、締め切りは18年末。残り四か月で日本政府が誘致の判断をしないと、世界の物理学は中国、いや「中国共産党」に主導されることになります。


 日本国民及び人類のためにも、日本政府は年末までに組む消費税増税対策予算に「ILC建設」を盛り込まなければなりません。


「政府は消費税増税対策予算にILCを盛り込め!」に、ご賛同下さる方は、

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