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『国家が選択と集中をする愚①』三橋貴明 AJER2018.8.14
https://youtu.be/GyFDt89BgVw
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朝日新聞に興味深い記事というかコラムが載っていました。
社会学者の岸政彦教授が、
「お金がない(財政破綻)って嘘じゃない?」
さらには、出鱈目の財政破綻論により、「社会保障削減」「大学予算削減」「大阪都構想」が推進されているのでは?
と、核心の主張をされているのです。
『財政緊縮で得するのは 「お金がない」に騙されるな 岸政彦
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13646867.html?rm=150
お金がない。この国には、お金がないそうだ。
財政が赤字なのだそうだ。そのため国債というもので借金をしている。その返済が大変なのだ、という。これが実は子どものころから理解できなかった。国がお金を借りている。誰に。国民に。どうやって返すの。税金から。その税金は誰が払うの。国民。というところまで説明さログイン前の続きれてますます混乱する。それ、ひとりの人の右手から左手にお金を移動させてるだけじゃないの。
子ども心に素朴に、借りたお金を返さなかったら、黒い服を着た怖いおじさんたちが家に来ると思っていた(素朴すぎるが)。国債を発行しすぎると、誰に叱られるんだろうか。
経済や財政の詳しいことについてはいくら勉強してもさっぱりわからないので、私がぼんやり考えていることも、間違いが含まれているだろう。しかし、どうも最近の経済学などで、財政が赤字でも緊縮しなくてもよい、あるいは、景気の悪いときはむしろ緊縮してはならない、という考え方もちゃんとあるらしい。
財政が赤字だからもう政府はお金を出しませんよ、という考え方によって、誰か得をするひとがいるのだろうか。(後略)』
しかも、杉田水脈氏の「LGBT」「生産性」発言(※新潮の記事)、大学間の「競争」、大阪都構想を同じ土俵で語っていらっしゃる。素晴らしい。
杉田氏の「生産性」、大学に競争を強いること、大阪都構想は、全て同じ「思想」に基づいています。「緊縮財政」「規制緩和」「自由貿易」のパッケージ、グローバリズムのトリニティです。
もう少し通りが良い呼び方をすると、「小さな政府」です。あるいは「選択と集中」になります。
ちなみに、わたくしは別に企業が「選択と集中」をすることを問題視はしていません。利益を追求する株式会社が、不採算事業を整理することは、これは仕方がありません。
問題なのは、通貨発行権を持ち、「お金がない」などということはあり得ない政府が、小さな政府、選択と集中を推進することです。
政府に小さな政府を強いる「考え方」の背後には、もちろん経済学があります。古典派経済学にせよ、新古典派経済学にせよ、財政均衡主義です。
しかも、クラウディングアウトなど、「現実には起きていない仮説」や、予算制約式という「個人の家計の原則」を財政に当てはめ、財政拡大を否定しようとするのです。その背後には、もちろん政府の規制緩和で「ビジネスを拡大したい」政商、経済人の欲望があります。
無論、岸教授が書いているように、
「財政が赤字でも緊縮しなくてもよい、あるいは、景気の悪いときはむしろ緊縮してはならない」
という考え方もあります。元祖はジョン・メイナード・ケインズ、アバ・ラーナーあたりで、最近ではジョセフ・スティグリッツ、或いはポール・クルーグマン。
といいますか、
「政府の国債が自国通貨建てである場合、子会社の中央銀行に国債を購入させることで負債の実質的返済負担がなくなる」
というのは、会計の原則の話であり、経済「学」などという大げさな話ではありません。こんな当たり前のことすら理解しない(理解しようとしない)のだから、主流派経済学者とは本当に頭が悪いです。
それ以前に、おカネとは単なる債務と債権の記録であるため、「お金がない」という表現は変でございます。「お金を借りれない」ということはあり得ますが。
http://mtdata.jp/data_60.html#syosyuusya
それはともかく、すでに日本国債の45%近くが日本銀行保有です。日銀が持っている国債については、政府は返済する必要はありません(してもいいけど)。
IMFは中央銀行保有の「自国通貨建て国債」について、デフォルトリスクを「ゼロ」としていますが、当たり前です。親会社が子会社からカネを借りているに過ぎないのですから。
それにしても、岸教授が財政破綻論が様々な改革の「言い訳」になっているという、ことの本質を見抜いてるのは凄いです。
さらに凄いのは、岸教授のコラムを朝日新聞が掲載したことです。
無論、真っ当な経済学者の「財政破綻は起きない」という記事は載せないのでしょうが、十年前に比べれば随分と進歩しました。つまりは、
「財政破綻論は嘘である」
という事実が浸透しつつあるのです。
というわけで、皆様も今以上の勢いで「財政破綻論は嘘である」という事実を広めて下さいませ。
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