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『骨太の方針と安藤提言(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.7.24
https://youtu.be/WiR9Hq0l1_s
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現在、日本は「人手不足」故に様々な技術開発が進んでいます。
例えば、極度に人手不足が深刻化している農業では、日本総合研究所が多機能型農業ロボット「ドンキー(仮)」を2019年からリース提供するとのことです。
ドンキーは、農業の生産者を自動追尾。農薬散布や液体肥料の散布、収穫野菜の運搬支援に加え、自律走行で除草や害獣監視を担うとのことです。
あるいは、収穫。農業で最も人出が必要なのは収穫ですが、農研機構などで何と「イチゴに触れないでイチゴを収穫する」ロボットの開発も進んでいます。(取材予定)
イチゴの自動収穫ができるならば、すぐにサクランボ等も可能になるはずです。つまりは、イチゴ収穫のために技能実習生やら、パソナが派遣してくる外国人を雇う必要はありません。
無論、収穫ロボットのために投資は必要ですが、それこそリースの金融サービスを使えば良く、あるいは購入したとしても五年程度でペイするでしょう(現状の価格であっても)。
人手不足こそが、技術開発を進めるのです。
もっとも、人手不足を解消するための技術開発に際しては、政府の役割も重要です。
『新東名 静岡県区間の6車線化は2年後供用へ
https://www.sankei.com/economy/news/180803/ecn1808030031-n1.html
石井啓一国土交通相は3日の閣議後会見で、新東名高速道路の静岡県内のほぼ全区間に当たる御殿場-浜松いなさ両ジャンクション(JCT)間145キロを6車線(片側3車線)にする取り組みを進め、2年後には供用を開始できるとの見通しを示した。
政府が6月に閣議決定した成長戦略「未来投資戦略2018」で、トラック隊列走行などの実現を見据えた施策の中で6車線化が挙げられた。国交省社会資本整備審議会の作業部会が2日、同区間の6車線化を了承したことで、手続きが進むことになった。(後略)』
そもそも、新東名は3車線3車線の6車線道路で建設される予定だったのです。それが、例による理由でほとんどが2車線2車線の4車線道路になっています。
当然ながら、3車線目用の用地は確保されており、単に舗装をするだけで6車線道路になります。
当然ながら、6車線道路化する際には、道路をIT化し、来るべき「隊列走行時代」に備える必要があります。
隊列走行。一人のトラックドライバーが、自動運転の二台目、三台目、四台目、五台目と、数台のトラックを一気に運ぶ。
当然ながら、生産性は一気に向上し、運送サービスの人手不足も解消方向に向かいます。
さらには、五倍のトラックを一気に運転するドライバーは、今までの五倍の給料をもらっても構わないのです。無論、そこまで一気に給料は上がらないでしょうが、これこそが「生産性向上による実質賃金上昇」なのです。
今後の日本では、特に「ヒトが動かざるを得ないサービス」において人手不足が深刻化していきます。
この種の人手不足解消のためには、「政府のインフラ整備」が欠かせないのです。端末の技術と、インフラの技術が「通信」することで、生産性を高める。
パソコンがどれだけ進化したとしても、通信ネットワークが8Kbpsでは、インターネットは実現しなかったでしょう。
「ヒトが動く」サービスにおいて、通信ネットワークの領域を担当するのは「政府」です。
日本は人手不足が深刻化し、インフラ技術の刷新が必要だ。だからこそ、政府は財政出動しなければならないという現実を、いい加減に日本国民は理解するべきなのです。