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『骨太の方針と安藤提言(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.7.24
https://youtu.be/WiR9Hq0l1_s
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 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。


【Front Japan 桜】LGBT 多様性を求める人々の不寛容 / 日本復活への道 技術!投資! / 史上最大の予算、財務省との攻防は?[桜H30/8/3]
https://youtu.be/GXB9OBwJaaA
http://www.nicovideo.jp/watch/so33628615


 奇しくも、上島嘉郎先生とわたくしのテーマが、共に「生産性」だったりしたわけです(偶然ですが)。


 番組でも語りましたが、杉田水脈議員の「生産性」という言葉の使い方は、二つの意味で間違っています。

 一つ目は、生産性は「一人当たりの生産量」を意味するという点です。杉田議員の文脈では、生産性は、
「夫婦一組当たり子供を産む数」
 になってしまいます。


 ということは、子だくさんの夫婦は生産性が高い、子供を持てない夫婦は生産性が「無い」という話になります。これは、無茶苦茶な話です。


 何しろ、子供が生まれるかどうかは「神様次第」でございます。企業の生産性ならば、「投資」により向上させることができます。とはいえ、子供を産みたいと願っても産めない夫婦はいるのです。


 自分たちではどうにもならない問題に対し、「生産性」という言葉を使うのは、非常に不適切です。


 二つ目。杉田議員のレトリックには、
生産性が高いところには税金を投入し、低いところには投入しない
 を善とする、構造改革の思想が見え隠れしてしまいます。いわゆる「選択と集中」ですが、この思想こそが日本国を弱体化してきたのです。


 今の日本でいえば、
「人口減少し、経済成長しない地方に投資をしても無駄だ。一極集中で可能性が高い東京にのみ投資しよう」
 という思想が正当化されてしまうのです。といいますか、正当化されてきた結果、我が国は「地方衰退、東京一極集中」が継続してきたのです。


 杉田議員のレトリックの思想は、今の日本にとって「根本から間違っている」と断言できます


 朝日新聞や毎日新聞的な「排除の理論」云々の批判に乗る気は全くありませんが、杉田議員の「文章」「レトリック」は、あまりにも不適切で稚拙であり、政治家としての矜持があるならば訂正するべきです。


 そもそも、言葉の使い方を間違えている時点で、あまりにもナイーブ(幼稚)です。



 さて、「帝国の復活(仮)」を書いており、つくづく思うのが、表向きはグローバリズムの思想が蔓延した世界では、
「グローバリズムを標榜しつつ、エゴイズムを追求する」
 ことが可能な国家、すなわち「権威主義的な帝国」が圧倒的に有利という現実です。


 何しろ、民主主義国では「グローバリズム」の思想が強すぎ、自国優先主義が野党やらメディアやらから批判され、政治が影響を受けます。それに対し、権威主義国は批判を無視しつつ、グローバリズムのルールを「(故意に)曲解」し、自国に都合がいい解釈の下で政策を推進できるのです。


中国が景気安定に転換 米中貿易摩擦の成長鈍化懸念で公共投資拡大、金融緩和へ
https://www.sankei.com/world/news/180802/wor1808020002-n1.html
 中国共産党と政府が、積極的な財政政策で景気を下支えする方針を鮮明にした。減税や公共投資を拡大し、金融政策も緩和の方向に転換。米中貿易摩擦による成長鈍化を受け、過剰債務解消のための構造改革よりも景気安定にかじを切った格好だ。ただ地方政府の債務削減が先送りされれば金融リスクが強まる恐れもある。
 習近平総書記(国家主席)が7月31日に主宰した党中央政治局会議は、現在の経済運営について、米国の通商圧力を念頭に「新たな難問に直面し、外部環境に顕著な変化が起きている」と分析。今年下期は「積極的な財政政策」を堅持するとした上で、内需拡大と構造調整でより大きな役割を発揮しなければならないと指摘した。金融政策も「合理的で十分な流動性を保つ」と言及した。』


 な、何と「まとも」な国家なのですか、中華人民共和国は。


 厳密には、中国共産党ですが、アメリカの圧力で外需が厳しくなることが確定したならば、即座に財政拡大、公共投資拡大、金融緩和で「内需主導」の経済成長を追求する


 こんなことは書きたくないのですが、日本政府は中共を見倣うべきです。


 とはいえ、我が国では財務省主導の「緊縮財政至上主義」に染まった「世論」が醸成されてしまっており、必要な財政拡大すらできない状況に至っています。


 政府が財政拡大に転じようとすると、即座にメディアに、
「遠のく財政規律」
「通常予算史上最大!」
「財政破綻秒読みに!」
 といった煽りの見出しが載り、無知無能な野党の政治家たちが、
「また、公共事業のバラマキか!」
「政府は無駄を削れ!」
 などと叫びだし、政府は必要な需要創出すらできず、権威主義の帝国との差が開くばかりです。


 ならば、どうすればいいのか?


 こそが、「帝国の復活(仮)」のテーマですが、世界に完全なる解はなく、救世主もいないのです。


 国民一人一人が主権を持つ民主主義国が、権威主義的な帝国にいかに対抗するべきなのか。ぜひ、皆様も一緒に考えてください。


 とりもなおさず、日本も「中国を見倣い」財政拡大に転じなければならないと申し上げておきます。

「日本は財政拡大に転じよ!」に、ご賛同下さる方は、

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