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『骨太の方針と安藤提言(前篇)①』三橋貴明 AJER2018.7.17
https://youtu.be/WLjOz6zfjKs
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少子高齢化による生産年齢人口比率の低下は、我が国に高度成長期並みの人手不足をもたらそうとしています。
特に、少子高齢化に加えて若者の都心部への流出が続く「地方」の人手不足は、半端ありません。
『悲鳴に近い人手不足 日本商工会議所会頭が厚労相に訴え
https://www.asahi.com/articles/ASL7N4D3TL7NULFA00K.html
中小企業125万社を傘下に持つ日本商工会議所の三村明夫会頭が19日朝、東京都内のホテルで加藤勝信厚生労働相と懇談した。日商側は、年々深刻化する人手不足や、若者の流出による地方の疲弊などを訴え、中小企業に対する政策的な配慮を求めた。
「各地の人手不足は悲鳴にも近い」。三村会頭は向かい合った加藤厚労相にこう訴えた。
日商の今年の調査では、65%の企業が人手が不足していると回答。その割合は毎年5ポイントずつ上がっている。6割の中小企業が昨年度、賃金を引き上げたと説明し、「多くの企業で業績が改善していない。我々はこれを『防衛的賃上げ』と呼んでいる」と、やむを得ず賃上げに踏み切っている現状を強調。「新たに雇える状態ではない」として、政府に支援を求めた。
残業時間の上限が導入された働き方改革関連法への懸念も表明された。残業時間を規制すると、取引先への納期が遅れたり、商機を失ったりする可能性があるという。大企業が残業時間を厳守することによる中小企業への「しわ寄せ」も懸念されるという。(後略)』
人手不足問題を考える際に、まずは注視しなければならないのは、「生産性」です。
日本の生産性は、高いのですか、低いのですか。
答えは、少なくともG7諸国の中では「最低」になります。
【G7諸国の労働生産性(時間当たり購買力平価換算USドル)】
http://mtdata.jp/data_60.html#G7
上記は、労働者1時間当たりの生産性を、購買力平価USドルで比較したものです。
日本の時間当たり労働生産性は、実はG7諸国最低が続いているのです。(労働者一人当たり生産性でも同様)
日本の生産性の低さは、マクロ面、ミクロ面で理由が違います。]
マクロ面の生産性は、付加価値の合計(GDP)÷労働者数になります。デフレという需要不足が続いた我が国の生産性が低いのは、マクロ面からして当然です。
ミクロ面では、企業や政府が生産性を高めるための投資を怠ってきたという話になります。
【日本の製造業・サービス業の資本装備率(万円/人)】
http://mtdata.jp/data_60.html#sangyoubetu
特にひどいのが、以前もご紹介しましたがサービス業。
デフレ突入後、日本はヒト余りが進み、労働者が買いたたかれる状況が続き、サービス業は次第に「労働集約的」になっていきました。資本主義的には退化です。
結果的に、日本はマクロ面でもミクロ面でも生産性が高まらず、この状況で人手不足に突入したのです。
そうであれば、人手不足に対する回答は一つだけ。もちろん、生産性向上のための投資をすることです。
もっとも、デフレで疲弊した企業が生産性向上の投資に踏み込むのは大変です。当然、政府が「需要面」「投資面」と二つの面から生産性向上をサポートしなければなりません。
具体的には、
「長期安定的に需要が見込めるよう、財政出動を長期プロジェクトで実施する」
「各企業の生産性向上の投資を税制面で支援すると同時に、政府自らも技術やインフラに投資すする(これが長期プロジェクトですが)」
この二つでいいわけです。
日本の生産性がG7最低ということは、その分、伸びしろがあるとも言えるのです。特に、サービス業はそうです。
というわけで、まずは政治家、企業経営者、そして全ての日本国民が、
「人手不足は生産性向上で解消を」
「生産性向上こそが経済成長の道」
であるという、資本主義国として当たり前のことを再認識する必要があります。
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