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 『失った所得、失う所得①』三橋貴明 AJER2018.6.26
https://youtu.be/Edj-Fbw8LkU
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 日本の移民政策の最大の問題は、実は移民受入が「儲かるビジネス」になってしまっている点です。


 例えば、日本の人手不足を受け、「技能実習生」「留学生」として日本に外国人労働者を送り込むビジネスが勃興してしまっているのです。


 以前、リビアからイタリアに渡るアフリカ移民問題において、
「リビアは無政府状態になっており、政府の【規制】が存在しないが故に、ヒトの売買が【自由】に行われている。まさに、グローバリズム」
 と書きましたが、実のところ日本にしても似たようなものです


 国内の人手不足を受け、かつデフレで経営者が人件費増や生産性向上の投資に踏み出せない中、外国人を実習生や(偽装)留学生として送り込む。


 しかも、少子化で大学への入学者が減少しているため、(偽装)留学生の増加は、大学経営者にとっても渡りに船です。


● 少子高齢化を受けた人手不足が深刻化している
● 経営者は人件費を増やしたり、生産性向上の投資はしたくない
● 少子化で定員割れの大学が増えた


 といった「環境」があり、それをビジネスチャンスとして捉えた「ブローカービジネス」が勃興


 技能実習生を借金漬けにし、日本に送り込む。日本側は、最低時給以下の給料で実習生を働かせる。


 あるいは、定員割れの大学に(偽装)留学生を送り込み、実態はコンビニや飲食店で「資格外活動」の範囲を超えて働かせる。


 日本の技能実習制度について、「現代の奴隷制」などと批判されていますが、実態としてそれに近い以上、仕方がありません


 かつて、戦国から安土桃山時代にかけ、グローバリズムの下でポルトガル人が日本人を奴隷として売り飛ばし、大いに利益を上げていた。何しろ「ヒトの移動」も自由でございますので、ヒトを買い付け、他国に売り飛ばしても一向にかまわないわけです。すべては「自由」です。


 「自由」に日本人奴隷を売買していたポルトガル人のビジネスを潰したのは、天下統一を果たし「国家権力」を使うことが可能になった豊臣秀吉でした。


 現在の日本は、グローバリズムの名の下で国家の権力を弱体化させていっています。その我が国において「現代の奴隷制」が勃興するのは、必然なのかも知れません


『「奴隷的環境」で働かせるのに、外国人労働者増を目指すこの国の奇妙 50万人受け入れるとは言うけれど…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56486
 コンビニで買い物をすれば、外国人がレジを打つ。居酒屋で料理を注文しようとすると、接客は外国人だった――。
 人手不足の声が日増しに高まっているこの国で、いまや外国人労働者と接するのは日常の光景になっている。
 日本には、いま約127万9000人の外国人労働者がいる(2017年10月末現在/厚生労働省)。東日本大震災があった翌年の2012年の68万2000人を底に、2倍以上に増えている。
 いったい、どんな外国人労働者が日本にはいるのか。出入国管理及び難民認定法上、次の5つの形態に大別される。
 まず、「就労目的で在留が認められる者【専門的・技術分野)」で、23万8000人が就労している。これは、企業経営者や管理者、海外企業の転勤者、大学教授、医師、弁護士、研究者などのホワイトカラーだ。
 次に「身分に基づき在留する者」として、45万9000人。永住者や主に日系人の定住者、日本人の配偶者を持った外国人で、在留中の活動に制限がない。
 3つ目は、「技能実習」で25万8000人いる。技能実習生を指す。受け入れ職種は、農業や建設、食品、縫製、機械・金属、介護といった分野など77種である。
 4つ目は「特定活動」。このカテゴリーには、2万6000人の外国人がいる。看護師、介護福祉士候補者、建設・造船など、特定分野に限定して在留資格を与えている。
 そして、「資格外活動」で、29万7000人である。留学生のアルバイトなどがこれに該当する。1週28時間以内で就労が認められている。
 しかし、問題がある。それぞれの在留資格の枠内に収まって、きちんと就労しているかとなると、とたんに怪しくなるのだ。
 その最たるものが、「技能実習」だ。働いていた現場から失踪した。賃金が契約した通りに支払われていない。賃金が安い。労働時間が守られていない。就労環境が劣悪。そんな問題がたびたびクローズアップされ、現代の奴隷労働などと揶揄されていることは、ご存知の方も多いと思う。(後略)』


 驚くべきことに、
「2017年に外国人技能実習生が働く事業所に対し、調査を実施しています。調査した5966事業所のうち、4226事業所で違法残業や賃金未払いなどの法令違反を確認しました」(厚生労働省関係者)
 とのことでございます。


 ここまで割合が高いと、実習生を働かせている事業者側は、端から「法律を守る気などない」と考えているとしか思えません。つまりは、実習生について「安くこき使える外国人」として認識しているのでしょう。


 さらに、実習生は来日する際に在留資格認定証を受ける際の法定費用(40万円)以外にも、様々な手数料を徴収され、借金漬けで送られてきます


 多額の借金を抱え来日し、働かされ、碌に給料ももらえないのでは、失踪実習生が増えるのも無理もありません。


 結局のところ、移民問題の根底には「政府のパワー」が関わっているわけです。政府のパワーが弱体化した豊臣秀吉以前、あるいは現代において、(事実上の)奴隷交易が盛んになった。ただ、それだけの話なのでしょう。


 無論、政府のパワーを単純に大きくすればいいという話ではありません。


 それにしても、現在の日本はグローバリズムの下で「小さな政府」を目指した結果、「奴隷交易を規制する」という基本的なことすらできなくなっている。結果が、安倍政権下における外国移民急増であるという「現実」を、我々は理解する必要があります。


 取り急ぎ、政府は早急に「移民制限」のパワーを強化しなければなりません。その上で、需要拡大と生産性向上の支援により、「移民が来なくても経済成長できる国」を目指す必要があります。


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