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 『失った所得、失う所得①』三橋貴明 AJER2018.6.26
https://youtu.be/Edj-Fbw8LkU
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 本日は月刊三橋の講演会 in 沖縄!

 沖縄の皆さま、よろしくお願いいたします。


 西日本豪雨大災害を受け、さらに来年、参議院選挙を控えていることもあり、自民党内で「国土強靭化」を求める声が高まっています。


 ちなみに、過去五年間、安倍政権が国土強靭化関連で何をしていたのかといえば、ほとんど何もしておらず、何しろ「予算」が付いたためしがないのです


 というわけで、安倍総理、二階幹事長、竹下総務会長、細田元幹事長が、(今更ながら)国土強靭化を言い出しました。
 
自民、参院選にらみ歳出圧力=災害続発、「強靱化」旗印に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071500238&g=pol
 自民党内で災害に強いインフラ整備による「国土強靱(きょうじん)化」を求める声がここに来て高まっている。大阪北部地震、西日本豪雨と続いた大規模災害を理由に関連の歳出を増やし、来年の参院選で建設業界などの集票につなげる思惑がある。政府が視野に入れる補正予算案への計上を狙うが、財政の悪化を懸念する声も出ている。
「毎年、大きな災害がどこで起きるか分からない状況だ。ハードとソフトを合わせ、どう備えるか考える時期を迎えている」。竹下亘総務会長は14日、新潟市内の会合でこう強調した。
 口火を切ったのは国土強靱化が持論の二階俊博幹事長だ。10日の記者会見で「財政的な問題も無視できないが、今は万全の対策を取っていくことが優先されるべきだ」と強調。12日には、安倍晋三首相に近い細田博之元幹事長が「大規模ダムが必要だと大雨で確認された」と同調した。(後略)』


 本ニュースを読み、
「どうせ、ガス抜きだよ。自民党の工作員乙!」
「何回騙す気だよ。今更、信じられるかよ」
「今度こそ期待できる! 安倍総理大臣は実は財政拡大派! 財務省と戦っている!」
「親アベにまた妄想のネタを与えやがった」
「安倍総理がダメだというならば、一体、誰ならいいんだよ!」
 などなど、各々勝手な感想を抱き、ワンパターンな罵り合いをすればいいわけですが、本日、問題にしたいのは、時事通信の記事の最後の部分です。


公共事業関係費は2018年度予算まで6年連続で増加しており、財務省は大幅な歳出増に消極的とみられる。今後、政府・与党内で駆け引きが繰り広げられそうだ。』


 はあっ!
 安倍政権って、公共事業を増やしていたのか!? 三橋に騙されていた!?


 などと感想を抱いた人が少なくないでしょうが、まさに情報リテラシー(読み取り能力)の問題です。


【日本の国全体公共事業関係費用(億円)の推移】


http://mtdata.jp/data_60.html#kinkin


 図は、2011年以降の日本の公共事業関係費の推移です。確かに、野田政権時代の2012年度を底に、その後、公共事業関係費は6年連続で増えています。しかも、2014年度以降の公共事業費には、それまでは外されていた社会資本特別会計分が含まれてしまっています。(だから、14年度に急増したように見えるだけ)


 時事通信は、「嘘」は書いていないのです。


 とはいえ、お分かりですね。これは、グラフのY軸を4兆8千億から6兆円に設定し、
「安倍政権は公共事業をきちんと増やしている」
 という虚偽情報をプロパガンダするために、わたくしが作成したグラフです。


 しかも、社会資本特別会計分については「知らぬ顔」をする。社会資本特別会計分を除くと、安倍政権の公共事業費は民主党政権期とほとんど変わりません。


 現実の日本の公共事業関係費は、以下の惨状です。


【日本の公共事業関係費(政府全体)の推移(単位:兆円)】

http://mtdata.jp/data_60.html#kokyo


 さて、確かに安倍政権が過去六年間連続で公共事業を増やしていますが、
「安倍政権は公共事業をきちんと増やしている」
 と、主張することができるでしょうか。


 橋本政権までは、当初予算で10兆円前後だった公共事業関係費が、今や6兆円弱で推移。しかも、大して補正もつけない。


 安倍政権は、公共事業を十分に増やしていますか?


 普通は、「否」という反応になると思いますが、時事通信の記事だけを読んだ人は、逆の認識を刷り込まれてしまうわけです。


 数値データの「期間」をコントロールすることで、あたかも自分の主張が正当であるかのごとく見せかける。いわゆるリフレ派の岩田規久男教授などもやっていました。


 この手の特定の政治的意図のためにグラフに細工し、「データを大切にしない」連中は、事実を歪めて拡散することで、日本国を亡国に追いやることになると、日本国民は知らなければなりません。
  

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