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 『失った所得、失う所得①』三橋貴明 AJER2018.6.26
https://youtu.be/Edj-Fbw8LkU
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 間もなく、月刊三橋から壮大な、それこそ「大河ドラマ」的なコンテンツ、「覇権国家 800年の興亡」のリリースが始まります。


 昨日が第一回目のコンテンツ収録だったのですが、第一期で取り上げる覇権国家が「モンゴル帝国」です。


 第一回コンテンツで使用したチャートの中で、下記が「経済と財政の本質」を一枚で説明していると、自分で感心してしまったので、ご紹介。(てかな、これを理解できない国会議員は、即座に政治家を辞めてほしいと思うレベルの話です)


【“生産活動”と税収】

http://mtdata.jp/data_60.html#seisan


 ある交易商人が、草原の道を辿り、中国から欧州(どこでもいいのですが)までモノを運ぶという「サービス」を生産していました。


 当初(上段)は交易ルート上に複数の国が存在し、国境を越えるたびに通過税(関税)を徴収されました。1000円の製品を最終目的地で1500円で販売したものの、通過税100円を三回徴収され、利益は200円しか残りませんでした。


● 利益 200円
● 税収 300円(100円x3)


 その後、交易ルートが一つの国に統一され(下段)、通過税がなくなり、最終目的地で売上税150円のみを支払えば良くなりました。結果、利益が350円に増えます。


● 利益 350円
● 税収 150円


 交易が「一度」きりであれば、政府の税収が半分になった、で話は終わります。


 とはいえ、現実の経済はそうはなりません。通過税が全廃されたことで、交易に新規参入が増え、あるいは既存の交易商人も交易を増やし(あるいは、一度当たりの交易量を増やし)、以前の五倍の交易がなされるようになりました。


 すると・・・・。


● 利益 1750円
● 税収 750円


 何と、「減税」がなされたにも関わらず、税収が激増しました


 GPD的な解説をすると、交易すなわち「運送サービス」の生産(=GDP)が、当初は500円(1500円でも1000円でもありません)で、そこから各国政府が総計300円の税金を抜いていました。


 通過税廃止後に、交易が五倍になり、運送サービスの生産は2500円に増えました。


 税率でいえば、通過税廃止前は60%、通過税廃止後は30%になります。税率を下げる「減税」が行われたにも関わらず、交易サービスの生産が増えた結果、政府の税収は750円に増大します。


 これが、「経済」や「財政」の本質です。


 GDPとは生産の合計であり、支出の合計であり、所得の合計でもあります。我々が税金を所得から支払う以上、「減税」がなされたとしても、生産=支出=所得が拡大すれば、税収は増えるのです。


 逆にいえば、増税をしたとしても、GDPが減ってしまうと、税収は減ります。

 
         


実質消費支出、5月3.9%減 4カ月連続マイナス 基調判断「弱さがみられる」据え置き
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL06HMT_06072018000000/
 総務省が6日発表した5月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり28万1307円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.9%減少した(変動調整値)。減少は4カ月連続。季節調整した前月と比べると0.2%減少した。総務省は消費支出の基調判断を「弱さがみられる」に据え置いた。
 消費支出の内訳をみると、雨の日が多く外食店から客足が遠のき「食料」が減った。諸雑費、交際費など「その他の消費支出」もマイナスに寄与した。国内旅行など「教養娯楽」も減少だった。(後略)』


 今度は「雨」に負け、日本の消費が減ったそうです。相変わらず、お天気経済。安倍総理をはじめとする政治家は、国会や首相官邸、議員会館で無い知恵を絞っているくらいならば、てるてる坊主でも吊るし、
「お天気になりますように」
 と、みんなでお祈りしていた方が,日本経済復活は早まるでしょう。


【日本の実質消費指数(2015年=100)】

http://mtdata.jp/data_60.html#Rcon


 何と、日本の実質消費は、直近のピークである2014年3月と比較し、マイナス18%! 


 2014年3月にはパンを100個買えていた日本国民が、18年5月には82個しか買えなくなっているということです。まさに貧困化。消費税増税前の駆け込み消費を割り引いても、悲惨、としか表現のしようがありません。


 少なくとも、消費増税の消費に与える影響が「長期化」することは、実質消費の動きを見れば、誰にでも理解できるでしょう?


 消費の停滞は、GDPの停滞であり、同時に財政の停滞であります。


 2017年度の税収がバブル期以来の高水準などと報じていますが、アホですか? 橋本政権以降の緊縮財政がなければ、今頃、我が国のGDPは1370兆円。税収も140兆円を越えていたでしょう。


 社会保障やインフラ整備、防衛予算、科学技術予算、教育予算などについて、
「ザイゲンガ~」
 などという事態は起き得なかったのです。


 もっとも、ようやく「GDPの成長こそが、税収を増やし、財政を健全化させる」という、真っ当な考えを持つ議員の方々が出てきました。


 続く
 

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