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 『失った所得、失う所得①』三橋貴明 AJER2018.6.26
https://youtu.be/Edj-Fbw8LkU
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 7月4日、東京都北区で水道管が破裂。住宅街や商店街が水浸しになりました。破裂した水道管から水が噴き出し、アスファルトが陥没し、周辺の道路が冠水したのです。


 一時は、水深が30cmに達したわけですから、半端ありません。


 東京都の水道局によると、水道管に縦20cm、横60cmの穴が開き、原因は「老朽化」とのことでございます。


 破裂した水道管が設置されたのは、1968年。まさに、高度成長期に建設インフラが老朽化により次々と破損していく「時代」が訪れたのです。


 大阪北部地震では、高槻市、箕面市などで約9万戸が一時断水に追い込まれました。理由の一つが、やはり「老朽化」でした。


 何しろ、大阪府は40年という耐用年数を10年以上超える水道管について、「財政難」」を理由に更新を怠っていたのです。府によると、設置後40年を超す水道管が三割を占めるとのことです。


 日本国は、上下水道について「国家の関与」を強化し、財政により「強制的」に老朽化した水道管を交換しなければなりません。地方自治体にせよ、財政負担が発生しないというのであれば、老朽水道管の交換は速やかに進むでしょう。


 老朽化した水道管の更新にはコストがかかります。しかも、コストをかけたところで、住民生活は改善されるものの、「利益」は生まれません。 


 短期的な利益は生じなくても、地域を維持するために上下水道のインフラを提供しなければならないからこそ、水道は「公」により提供されているのです。


 特に、高度成長期に整備した水道管の限界が来ている「この時期」に、水道民営化を推進するなど、狂気の沙汰です。


 その狂気の沙汰を平気で推進するのが、安倍政権というわけです。

 
       


『水道法改正案、衆院委可決 広域化や民間参入促す 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32606350U8A700C1PP8000/
 衆院厚生労働委員会は4日、市町村などが手掛ける水道事業を広域化する水道法改正案を与党などの賛成多数で可決した。与党は5日の衆院本会議で可決し、参院に送付する方針だ。広域化や民間企業の参入を促すことで経営を効率化し、水道管の老朽化対策などを急ぐ。大阪北部地震で老朽化対策の遅れが注目され、与党内で早期成立を求める声が高まっている。
 改正案は、複数の市町村で事業を広域化して経営の効率化をはかるため、都道府県が計画をつくる推進役を担う内容だ。市町村などが経営する原則は守りつつ、民間企業に運営権を売却できる仕組みも盛りこんだ。(後略)』


 意味が分からないのですが、老朽化対策が遅れている対策として、政府の財政拡大ではなく「民営化」を早期に進めると。


 厚生労働省の資料では、
「地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権※を民間事業者に設定できる仕組みを導入する。」
 と、ありますが、その理由が「老朽化した水道サービスの基盤強化」なのですから、わけが分かりません。


 なぜ、民営化すれば、水道サービスの基盤が強化され、老朽化対策が進むのか。理解できないわたくしが、頭が悪いのでしょうか?


 単に、水道の維持管理のための支出を(政府が)増やせばいいものを、緊縮財政を維持するため、「水道が老朽化したから民営化」と、「狂気の沙汰」が淡々と進められているというのが現実でしょ


 ちなみに、過去に先進国で水道を民営化した例では、パリが1984年に民営化した結果、水道料金が2.25倍になり、2010年に再公営化されました。


 ベルリン市も1999年に第三セクター化し、しかも出資者に株主資本利益率8%を「保証する」という裏契約があり、設備投資を怠り、2013年に再公営化。


 アトランタでも、1998年に民営化。排水阻害、泥水の地上噴出、水への異物混入などの問題が続出し、しかも料金を毎年値上げし、市民の怒りを呼び、2003年に再公営化されました。


 これだけ失敗例に事欠かず、さらに「利益度外視」で老朽水道管の更新をしなければならない時期であるにも関わらず、平気で民営化を推し進める。しかも、その「理由」のレトリックが意味不明。


 「売国政権」は過去にもありました(数年前とか)。とはいえ、彼らは政治力が不足し、亡国の政策を好き放題、進めることはできませんでした。


 それに対し、安倍政権は「特定勢力の利益」のための亡国政策を推進する政治力を維持しています。 安倍政権は、日本史上、類例を見ない「亡国の政権」なのです。

  
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