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『失った所得、失う所得①』三橋貴明 AJER2018.6.26
https://youtu.be/Edj-Fbw8LkU
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メルケル首相が率いるCDU(キリスト教民主同盟)の姉妹政党であるCSU(キリスト教社会同盟)のゼーホーファー党首(内相)が辞任の意向を固めたと報じられています。
「女帝を追い詰める移民問題
」で解説した通り、メルケル首相とゼーホーファー内相は、移民問題で激しく対立していました。
ゼーホーファー内相は、
「他のEU加盟国で難民登録済みの難民はドイツ入国を許さず、元の登録国に送還する」
という、ダブリン協定に沿った対策を求めていました。
メルケル首相はゼーホーファー内相からの圧力を受けたまま、EUの首脳会談に臨み、
● 難民・移民申請を取り扱う共同の審査機関を域内に設置する
● EU域内での難民・移民の移動を制限する
ことなどについて合意しました。
ただし、すべての合意項目について加盟国の「任意」で実施されるとされ、実効性のない玉虫色の合意でした。
メルケル首相はそれなりに頑張り、ギリシャ及びスペインとは、ドイツに入国した難民や移民を送り返すことで合意が成立。とはいえ、イタリアは?
イタリアが、ドイツからの難民・移民の送還を認めるはずがないのです。
『メルケル政権、崩壊の瀬戸際 70年来の友党と移民で溝
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32504200S8A700C1FF8000/
ドイツのメルケル連立政権が崩壊の瀬戸際に立たされている。メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と70年近く統一会派を組んできた姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)が、移民・難民政策を巡る対立が解消しなければ連立を離脱する可能性もあると示唆しているためだ。メルケル氏は2日、要求を認められなければ内相とCSU党首を辞任すると表明したゼーホーファー氏と会談し、事態の収拾を探った。
「党首と内相を辞任する」。難民らの流入抑制を主張するゼーホーファー氏は1日、CSUが開いた幹部会で突然、表明した。メルケル氏との難民政策の溝が埋まらないため、いわば捨て身の姿勢でメルケル氏に譲歩を迫る考えを示した。
ゼーホーファー氏が辞任した場合、影響がどう広がるかは読みにくい。CSUとメルケル氏との対立が決定的になり、連立離脱に突き進む可能性も否定できない。(後略)』
先日のEUの合意では、ドイツに流入した難民・移民について、他の加盟国と「二国間協定」を結ぶことで、送還が可能となっています。
当然ながら、イタリアがドイツと二国間協定を結ぶ可能性は、少なくとも五つ星運動・同盟の連立政権である限り、ゼロに近いわけでございます。
結果、7月1日のCSU幹部会において、ゼーホーファー内相はメルケル首相の合意を「不十分」と批判。難民・移民について、ドイツ国境で追い返す権限を警察に与え、国境管理を強化すべきと要求しています。
わかりやすく書くと、ゼーホーファー内相は、難民・移民の送還について「ドイツの主権で行うべき」と主張しているのです。
それに対し、メルケル首相は他のEU加盟国との連携を重視し、二か国間協定にこだわり、妥協が成立しえない状況になりつつあります。
バイエルンを拠点とするCSUは、近々に州議会選挙を控えています。しかもバイエルンこそがドイツの中で最も移民・難民が流入した州であるため、移民・難民問題で妥協することは不可能なのです。
CSUが連立から抜けるような事態になると、メルケル政権は崩壊。総選挙に突入することになります(そして、AfDが勝つでしょう)。
改めて考えてみると、現在のドイツの状況をもたらしたのは、メルケル首相の、
「政治難民受け入れに上限はない」
発言でした。
あの発言以降、ドイツには200万人を超す難民・移民が流入。ドイツの「国民国家」は破壊されていきました。
国民国家が壊れ、社会が不安定化し、外国人犯罪が増えた「ツケ」を誰がとるのか。メルケル首相、というよりはドイツ国民です。
移民・難民を無責任に受け入れ、国民国家を壊すことこそが、「将来世代にツケを残す」政策なのです。「世界一(アメリカより上)」移民・難民を受け入れていたドイツの惨状が証明してくれています。
すなわち、現在の安倍政権の移民受入政策こそが、将来世代にツケを残す政策であると、日本国民はいい加減に理解する必要があるのです。
「無責任な移民受入こそが将来世代にツケを残す政策」に、ご賛同下さる方は、
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