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『米朝首脳会談の衝撃①』三橋貴明 AJER2018.6.19
https://youtu.be/VjNu25yxZxo
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 本日のメルマガでも書きましたが、竹中平蔵氏は、実に巧みに「経済用語」を活用し、グローバリズムのプロパガンダを推進します。


 多くの国民が経済用語について
「名前は知っているが、中身は知らない」
 状況を大いに利用しているのです。


 昨日のエントリーでいえば、
「生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」
 発言における「生産性」です。


 普通の国民は「生産性」という言葉は知っていても、それが何を意味するのか、いかなる要因で決定されるのかは知りません。


 結果的に、
「言われてみれば、そうだなあ」
 などと、竹中氏のプロパガンダに引っ掛かり、高プロに賛成してしまうわけです。


 昨日のエントリーで解説した通り、生産性は「資本装備率」と「TFP(全要素生産性)」で決まります。


 TFPは、資本の質の上昇や、人材の質の上昇、技術革新など、目に見えない生産性向上効果の総計になります。


「目に見えない」
 ため、TFPを観測・統計することは不可能です。(結果から逆算して算出します)


 というわけで、観測可能な生産性向上の要素は、実は資本装備率のみです。日本の資本装備率は97年のデフレ化以降、ひたすら落ち込んでいきます(特にサービス業が)。


 日本の生産性が低いのは、企業や政府が資本ストックを増やさないためなのです。それを「働き手が生産性を上げないから悪い」と、竹中氏は主張しているわけでございます。


 例えば、資本装備率が着実に上昇している。それにも関わらず、全体の生産性が上昇しないならあ、TFPに含まれる「人材の質」が劣化している可能性はあります。とはいえ、そうではないのです。


 経済指標を細分化し、データを核にすると「真実」が見えるわけですが、その手の作業を一般の国民はしないため、騙されるのです。


                   


 経済用語に対する無知といえば、「デフレギャップ(=需給ギャップのマイナス)」も同じです。


『1~3月の需給ギャップ、プラス0.3% 内閣府試算 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31809830V10C18A6EA4000/
 内閣府は15日、日本経済の需要と潜在的な供給の差を示す「需給ギャップ」が2018年1~3月期は0.3%のプラスだったとの試算を発表した。5四半期続けて、需要が供給を上回った。06年10~12月から08年7~9月期まで続いた8期連続プラス以来の長さとなっている。年換算での金額で見ると1兆円台半ばのプラスだった。
 1~3月期の国内総生産(GDP)改定値を受け、速報値の0.2%から上方修正した。17年10~12月期の0.7%からはプラス幅が縮小した。』


 2014年5月、テレビ愛知の討論番組で、竹中氏は、
「もうデフレではない。デフレギャップが埋まったから
 と、発言しました。


 その際に、たまたま正面に座っていたわたくしが、
「それは平均概念の潜在GDPを使った場合でしょ。最大概念の潜在GDPで見れば、未だに日本はデフレギャップです」
 と、突っ込んところ、竹中氏は沈黙しました。何しろ「その通り」なので、議論になると負けます。


 とはいえ、視聴者の99.99%くらいは、三橋が何を言ったのか理解できなかったでしょう


 逆に、竹中氏の「デフレではない」という言葉のみが印象として残るわけです。


【インフレギャップとデフレギャップ】

http://mtdata.jp/data_46.html#Gap


 潜在GDPに関する平均概念と最大概念の細かい解説は省きますが、いずれにせよ「需給ギャップ」には二種類あるのです。最大概念の潜在GDPで計算すれば、我が国は間違いなくデフレです。


 だからこそ、物価が上昇しない。実質賃金も下がり続ける。企業の投資を増やさず、資本装備率が上がらない。結果、生産性が上昇しない。


 この手の「真実」を国民が正しく共有しない限り、竹中氏に代表されるグローバリストのプロパガンダに騙され続けることになります。


 迂遠かも知れませんが、国民一人一人が「正しい知識」を身に着けることがないかぎり、我が国の問題は解決しません。知識こそが武器であり、知識だけが武器なのです


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