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『嘘つき財務省①』三橋貴明 AJER2018.6.5
https://youtu.be/jE1JXDGyR9w
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 昨日は三橋経済塾第七期第六回講義開催日でした。ゲスト講師は河添恵子先生(初登場)!
 インターネット受講の皆さま、しばらくお待ちくださいませ。
http://members7.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=8
 河添先生には懇親会、二次会までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


 本日は仙台で講演です。土日、何それ状態でございますよ。


 さて、藤井聡先生が「日本の未来を考える勉強会」でご講演され、今回の骨太の方針2018に「苦言」を述べられました。


『藤井聡内閣官房参与、基礎的財政収支黒字化目標掲げた骨太方針に苦言 「デフレ悪化のリスク」
https://www.sankei.com/economy/news/180615/ecn1806150042-n1.html
 藤井聡内閣官房参与(京大大学院教授)は15日、国会内で講演し、政府が決定した経済財政の運営指針「骨太方針」に苦言を呈した。平成31年10月の消費税率引き上げと、37年度の基礎的財政収支の黒字化目標が明記された点を挙げ「デフレ不況を悪化させるリスクがある」と指摘した。
 デフレ脱却までは、消費税増税の凍結と大規模な財政出動が必要だと強調。骨太方針に21、22年度予算での消費税増税に対応する消費下支え策実施が盛り込まれた点には「デフレ脱却の余地が幾分残された」と述べた。
 消費税増税凍結を訴える自民党若手有志の「日本の未来を考える勉強会」で講演した。』


            

 

 骨太の方針2018では、財政目標について、


○ 経済再生と財政健全化に着実に取り組み、2025年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す。
○ 同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことを堅持する。


 と、PB黒字化が「達成時期を先送り」した上で残ってしまいました。PB黒字化目標が残った以上、
「何らかの支出を増やす場合、別の支出を減らすか増税する」
 という「考え方」が政府の予算の足を引っ張り続けることになります。


 もっとも、


『2019~2021年度を「基盤強化期間(仮称)」と位置づけ、持続可能な経済財政の基盤固めを行う。社会保障制度の持続可能性確保が景気を下支えし、持続的な経済成長の実現を後押しする点にも留意する。』


 と、来年度から三年間が「基盤強化期間」と名付けられ、「持続可能な経済財政の基盤固め」(定義がよくわかりませんが)を行う期間として設定されています。


 また、2021年度に財政の「中間評価」がなされ、そこでは、


『PB赤字の対GDP比については、2017年度からの実質的な半減値(1.5%程度)とする。債務残高の対GDP比については、180%台前半、財政収支赤字の対GDP比については、3%以下とする。』


 と書かれています。財政赤字対GDP比3%は、PB黒字化よりは緩い目標になります。つまりは、財政拡大の余地があります。


 さらに、これまでは書かれていた予算拡大の「枠」はなくなりました


 18年度予算(本年度予算)までは、骨太の方針により「一般歳出の目安5300億円」という「増加分の枠」が設定されていたのです。正直、「頭がおかしい」としか思えないのですが、今回の骨太の方針で「枠」は消えました。


 つまりは、これまでは予算拡大の「枠」を設定された上で、PB黒字化を達成するという「無理ゲー」を要求されていたことになります。何しろ、デフレから脱却し、名目GDPが増えていけば税収も増え、PB黒字化は達成されます。そしてデフレ脱却のためには政府が予算を増やし、デフレギャップを埋める必要があります。


 その「デフレ脱却のために必要な予算拡大」に「枠」をはめられていたわけで、まさに無理ゲーでしょ?


 今回の骨太の方針では、ゲームを無理ゲーたらしめていた「枠」は撤廃され、


『2019年10月1日に予定されている消費税率引き上げの需要変動に対する影響の程度や経済状況を踏まえて、当面の予算を編成する』


『中長期の視点に立ち、将来の成長の基盤となり豊かな国民生活を実現する波及効果の大きな投資プロジェクトを計画的に実施する』


 と、一応、まともな政策も謳われているわけです(そもそも、消費税増税がまともな政策ではありませんが)。


 ということで、今回の骨太の方針2018は、
「前よりもマシで、デフレ脱却の【可能性】はあるものの、結局は財務省の緊縮路線に屈した」
 との評価になります。


 少なくとも、以前までよりは「無理ゲー色が薄まった」というのが、わずかに残された希望です。


 さて、この結果を受けて、皆さんはどのように動きますか。


 「安倍政権、自民党政権の打倒あるのみ!」と叫ぶのも、いいでしょう。その場合は、是非とも野党の議員たちに、財政関連の「正しい知識」をインプットするように努めて下さい。


 「それでも安倍は他よりもマシ」と主張しても構いません。その場合は、安倍政権の緊縮路線を変えるべく、自民党議員に対する働きかけを強めてください。


 決して選んではならない道は、諦めることです。あるいは、SNSで文句だけ言い、行動しないことです。


 わたくしたちが、この日本列島でそれなりに豊かに、安全に暮らせるのは、過去の日本国民が努力してくれたおかげであり、我々の手柄ではありません。


 この現実を踏まえ、「将来の日本国民」にいかなる日本国を残すのか


 それを真剣に考えさえすれば、現実がいかなる状況であろうとも、未来を投げ出すのは許されないことが理解できるはずです。


「未来を投げ捨てることは許されない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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