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チャンネルAJER  更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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 時局 2018年 07 月号 に、連載「三橋貴明の経世論 第16回 資金の過不足」が掲載されました。


 改めて、長崎新幹線(新鳥栖-武雄温泉)整備の収支改善効果(年平均)は、以下の通り試算されています。


● フリーゲージトレイン ▲20億円
● ミニ新幹線 単線並列 約9送円
● ミニ新幹線 複線三線軌 約2送円
● フル規格 約88憶円


 一番「危険」なのが、フリーゲージトレイン(FGT)です。

 長崎新幹線でFGTが成功してしまうと、我が国は今後二度とフル規格の新幹線の整備計画化ができなくなるところでした。何しろ、「あの」財務省がFGTにはしつこく予算をつけてくるのです。


 ただでさえ収支改善効果がなく(というかマイナス)で、かつ日本国のフル規格新幹線に「とどめ」を差しかねなかったのが、FGTだったのです。


長崎新幹線 FGT導入を見送り ミニ新幹線を軸に検討へ
https://mainichi.jp/articles/20180608/k00/00e/020/270000c
 九州新幹線長崎ルートに関する与党の検討委員会は8日の会合で、車輪の間隔を変えることでレール幅の異なる新幹線と在来線を乗り継ぐフリーゲージトレイン(FGT)の長崎ルートへの導入を見送ることを決めた。今後、全線が新幹線のフル規格か、線路の敷設を工夫して在来線でも新幹線が走れるミニ新幹線を軸に検討する。(後略)』

                


 いやいや、FGT見送りは慶事ですが、なぜ「ミニ新幹線を軸」に検討になるのでしょうか


 記事中で、
「国土交通省の検討結果では、全線フル規格が費用対効果の面で最も優位としており、長崎県もフル規格での整備を求めている。しかし、整備費の総額は膨らむため、佐賀県が過大な財政負担などを理由に反対。与党検討委は今後、佐賀県の負担軽減についても検討する方針。 」
 と書いていながら、勝手に「ミニ新幹線」が軸といった見出しを掲げる。


 毎日の記事を隅から隅まで読んでも、「ミニ新幹線」が軸になるという根拠は書かれていません。記者による、明らかな印象操作です。



 ミニ新幹線とは、既存の鉄道路線の線路の横に、もう一本線路を敷き、新幹線が「通行可能」とする手法です。実際に、秋田新幹線、山形新幹線はミニ新幹線方式です。


 秋田新幹線も山形新幹線も、車両は新幹線車両なのですが、線路は普通の鉄道です。というわけで、ミニ新幹線は「新幹線」と名前はついているものの、速度は時速110キロ程度しか出ません。


 新幹線で東京から秋田に行ったことがある人は、気が付くはずです。東京から盛岡まで速い速い! そして、盛岡から秋田まで遅い遅い!


 実は、福島から山形を経由し、秋田に至る「奥羽新幹線」」の基本計画は存在します。ところが、整備計画にはならない。


「とりあえず、新幹線車両で秋田や山形に行けるから、奥羽新幹線はもういいや」
 となってしまったわけでございます。


 一旦、長崎新幹線の新鳥栖-武雄温泉間が「ミニ新幹線」方式で整備されてしまうと、同区間のフル規格化は二十三世紀になっても実現しないでしょう。


 同区間がフル規格で整備されると、長崎-博多間が51分。佐賀-博多間が20分に短縮されます。


 無論、フル規格の場合は佐賀県の負担が800億円ほど増えます。とはいえ、フル規格新幹線整備の経済効果は、間違いなく800億円どころでは済みません。


 何しろ、新幹線整備の投資は一時的なものですが、効果は何十年も続くのです。


 長崎新幹線は、フル規格で整備しなければなりません。そのために「政治」が動かないのでは、日本に政治家は不要、という話になります。

「長崎新幹線 フル規格軸に検討を!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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