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  『米朝首脳会談は行われない①』三橋貴明 AJER2018.5.29
https://youtu.be/CVXG-PjHMD0   
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月刊リベラルタイム 2018年07月号 」に「「財務官僚」の出世の道具と化した「消費増税」」を寄稿しました。


 自民党の安藤裕衆院議員ら「日本の未来を考える勉強会」が、官邸に消費増税凍結やプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下P)目標の撤廃などを柱とする大規模な財政拡張政策を主張した提言を提出しました。


『自民党の若手議員、消費増税凍結・PB目標撤廃など提言
https://jp.reuters.com/article/ldp-policy-idJPKCN1IW0CR
 自民党の若手議員が31日、当面の消費増税凍結や基礎的財政収支(プライマリーバランス)目標の撤廃などを柱とする大規模な財政拡張政策を主張した提言をまとめ、西村康稔官房副長官に手渡した。9月の自民党総裁選を控え、主要派閥リーダーが相次いで財政健全化の重要性を唱えるなかで異色の内容。ただ、首相官邸内には今回の提言を歓迎する向きもあるとされ、今後議論を呼びそうだ。(後略)』


 ロイターの記事で、
「首相官邸内には今回の提言を歓迎する向きもある」
 と、ありますが、これは事実です。


 首相官邸内の「誰」なのかもわかっていますが、本稿では書きません。


 首相官邸が「勉強会」の提言を歓迎しようがしまいが、PB目標が骨太の方針に残ってしまえば、結局は「緊縮財政」路線は変わらないのです。



 政治とは、結果が全てです。


      


 興味深いのは、「勉強会」の提言、


【デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言】

 には、「金融政策」については語られていないにも関わらず、ロイターは、
「大胆な金融緩和と財政出動を掲げるリフレ派の主張を列挙した内容」
 と、勝手に決めつけている点です。


 浜田教授や岩田教授など、いわゆるリフレ派の主張に「財政出動」が含まれていれば、我が国はとっくにデフレから脱却していました。


 もちろん、「勉強会」は別に金融政策を「やめろ」などとは言っていません。金融政策「のみ」では、我が国のデフレ脱却は果たせないという、過去五年間の「事実」に基づき、財政拡大を主張しています。


 それにも関わらず、ロイターは「勉強会」を「リフレ派」に含めてしまっているわけで、記事を書いた記者のレベルの低さがうかがい知れます。


 安藤先生や勉強会のメンバー、ついでに我々も「リフレ派」などと名乗ったことは一度もありません。


 ちなみに「勉強会」の提言で、「金融」という文字が使われているのは、
「金融所得税」
 のみになります。


 生産者がモノやサービスを生産し、消費、投資として支出され、所得を稼ぐ。一連の所得創出のプロセスではなく、「金融」の世界でキャピタルゲイン、インカムゲインを得る人がいれば、そこの課税を強化するべきではないか、という話であり、勉強会が「実体経済=所得創出のプロセス」を重視している姿勢がわかります。


 それはともかく、ロイターの記事からは、財政拡大を主張する自民党議員たちが「異色」であるかの印象を受けてしまいます。


 そして、実際に財政拡大を主張する国会議員は異色なのでしょう。これこそが、我が国の根本的問題です。


 デフレという総需要不足である以上、政府が需要拡大の財政出動をするのは当然です。


 その「当然のこと」ができなかった結果、我が国は20年間、デフレーションが継続し、世界の「落第生」と化してしまったのです。


 世界の主要国のGDP(国内総生産)について、日本がデフレに陥った97年より前と比べると、背筋が凍り付く思いに駆られます。


【図 主要国の2016年のGDP(対96年比、倍)】

出典:IMF


 中国は96年と比べ、GDPを13倍に増やしました。インドは5.7倍。
「中国やインドは新興国だから、GDPが伸びて当然だ」
 などと、思ってはいけません。


 先進国の代表であるアメリカにしても、GDPを対96年比で2.3倍に増やしているのです。カナダは2.4倍、イギリスは1.9倍。


 GDP成長という点でみると、「劣等生」はフランス、イタリア、ドイツの三カ国になります。何しろ、GDPが二十年前と比べて1.4倍、1.5倍にしかなっていません。

 まことに、情けない国々です。


 というわけで、我が国がどこに位置しているかといえば、何とダントツの最下位で「1倍」。二十年前と比較し、GDPが増えていない。日本は劣等生ではなく、落第生なのです


 落第生の国が、「亡国」を回避できるはずがありません。世界はそんなに甘くありません。


 日本に「国の借金問題」「財政問題」など、存在しない
 デフレーションである以上、政府が需要創出の財政拡大をするのは当然だ。


 この手の「常識」を日本国民は早急に取り戻さなければならないのです。


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