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チャンネルAJER  更新しました。
  『米朝首脳会談は行われない①』三橋貴明 AJER2018.5.29
https://youtu.be/CVXG-PjHMD0   
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 本日はチャンネル桜「Front  Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651


 3月の総選挙で(政党としては)五つ星運動と同盟(旧北部同盟)という、反グローバリズム政党が勝利し、両党の連立が模索されていたイタリアですが、両党が首相として推した法学者のコンテ氏を、マッタレッラ大統領が拒否。(イタリアでは、大統領は首相承認権を持ちます)


 理由は、コンテ氏が推薦した財務大臣候補のパオロ・サボナ氏が、EU懐疑派で、過去にユーロ圏からの離脱を表明していたためとのことです。


 つまりは、
反EUの政権樹立は許さん
 というわけで、五つ星運動と同盟は猛反発しています。


イタリアは秋にも再選挙へ-大統領、財政規律派に暫定政権の組閣要請
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-28/P9FPVK6JTSEA01
 イタリアのマッタレッラ大統領は28日、エコノミストのカルロ・コッタレッリ氏に再選挙までの暫定政権の組閣を委ねた。ポピュリスト政党は連立政権樹立失敗について大統領への批判を強めており、早ければこの秋にも選挙となる可能性がある。
 元国際通貨基金(IMF)財政局長のコッタレッリ氏(63)は記者団に、イタリアはユーロ圏にとどまると明言。また、欧州連合(EU)との「建設的対話」を呼び掛けた。「大統領は私に、この国を新たな選挙に向かわせるプログラムを持って議会に臨むよう求めた」と語った。(後略)』


      


 同盟のサルビーニ書記長は、フェイスブックで、マッタレッタ大統領がイタリア国民の意思よりもEUを尊重した。民主主義にとって問題だ。

 と、猛烈な批判を展開しています。

 確かに、3月の総選挙でイタリア国民は「票」をもって、反EU色が強い五つ星運動や同盟を支持したのです。当然、反EU派の政権が樹立されるべきところを、大統領権限で「首相承認せず」とやるのは、民主主義に反しています。

 マッタレッタ大統領にとって、グローバリズム(EU)は民主主義よりも尊しなのでしょうか。


 今更ですが、母国語を話、その国から離れられない国民を中心とした国民主義(ナショナリズム)と、国境を意識せず、どこの国に住んでも構わず、グローバル言語(英語)を話し、共通する価値観は「カネのみ」というグローバリズムとは、利害が真っ向から衝突します


 グローバリズムは、国家の制度を「自己利益最大化」のために「改革」しようとします。具体的には、規制緩和、自由貿易、緊縮財政というグローバリズムのトリニティを推進するのです。


 とはいえ、グローバリズムのトリニティは国民を貧困化させ、苦しめます。まともに民主主義で戦った場合、数に劣るグローバリズム側は敗北必至なのです。


 だからこそ、グローバリズムはマスコミを操り、情報をコントロールし、民主主義により「改革」を実現しようとするわけです。その際には、カリスマ的に人気がある政治家が巧みに利用されます。


 マーガレット・サッチャー、ロナルド・レーガン、ビル・クリントン、小泉純一郎、李明博、エマニュエル・マクロンなど、多くの政治家がグローバリズムの手先として活躍しました。


 もっとも、さすがに現在の欧州の状況、特にヒトの移動の自由というグローバリズム(移民問題)が、国民にとって耐えがたいレベルになっています。結果的に、イタリアで「民主的な選挙」により反移民、反グローバリズムの政党が勝利したと思ったら、大統領が待ったをかける。

 もちろん、違法ではないのですが、グローバリズムが民主的プロセスを尊重しないという現実が、如実に理解できます。


 グローバリズムが民主主義を尊重しないといえば、我が国は世界の先頭を走っており、経済財政諮問会議や規制改革推進会議、未来投資会議といった「首相の諮問機関」に入り込んだ民間人(民間議員ではありません)がトリニティの政策を提言し、それが閣議決定され、国会を通されるという、民主主義をパススルーする制度が成立してしまっています。

 上記を理解したとき、日本とイタリアが抱える問題の「根っこ」が同じであることがわかるはずです。


 グローバリズムが民主主義よりも尊いはずがありません。とはいえ、「いや、そんなことはないよ」と信じる連中が、手練手管を駆使し、国民を貧困化させるグローバリズムの政策を推進。ナショナリズムの方向に国家、政治が向かうのを阻止しようとするわけです。


 別に、わたくしは民主主義の全面的な信奉者でも何でもありませんが、少なくとも、
「主権の行使たる民主主義は、自己利益最大化追求のグローバリズムよりは尊い」
 ことだけは確信しています。


「民主主義はグローバリズムよりは尊い」にご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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