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チャンネルAJER  更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k    
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 昨日は宮崎で講演でございました(もちろん日帰り)。今度、高千穂に取材に伺います。


 さて、散々に「米朝首脳会談は開催されない」とのエントリーを書いていたわけですが、早くも中止になりました。


『米朝首脳会談中止 トランプ大統領が発表
https://mainichi.jp/articles/20180525/k00/00m/030/161000c
 6月12日に予定されていた米朝首脳会談について、米ホワイトハウスは24日午前(日本時間同日夜)、トランプ米大統領が中止を告げる金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長宛ての書簡を公表した。北朝鮮側が示した最近の「怒りとあからさまな敵意」を理由に、首脳会談を「この時期に開催するのは適切ではない」としている。米朝対話の行方は一気に不透明になり、朝鮮半島の非核化の進展は困難になった。 』


 早いよ!

 来週発売の週刊実話の連載のタイトル(昨日、入稿)が「米朝首脳会談は開催されない」で、チャンネルAJER(一昨日収録)のタイトルも「米朝首脳会談は開催されない」でございました。


 実話の連載やAJERの番組がリリースされる前に、米朝首脳会談が中止になってしまいました。

 実話の連載も、AJERも、本日のトランプ大統領の発表「前」に書き上げ、収録したものになります。


 さて、日本の諸悪の根源(財務省)の手下である財政制度等審議会が、またもや意味不明なことを言い出しています。


25年度までに「黒字安定」=早期の収支改善を-財政審建議
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052300979&g=eco
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は23日、新たな財政健全化計画に関する建議を麻生太郎財務相に提出した。国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB)については「遅くとも2025年度までに黒字を安定的に確保」するよう要請した。政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に反映させたい考えだ。
 財政審の榊原定征会長は23日の記者会見で、行政文書の改ざん・廃棄や福田淳一前事務次官のセクハラ問題などの不祥事が相次ぐ財務省に対し、「国民の理解を受けて財政健全化を進めるために信頼回復の努力をお願いしたい」と述べた。(後略)』

 


 財政審の「頭の弱い人たち(悪いのではなく、弱い)」が決定的に理解していないのは、この地球上では、
「誰かの黒字は、誰かの赤字」
「誰かの資産は、誰かの負債」」
「誰かの資産積み上げは、誰かの負債積み上げ」
 といった、"物理法則”に誰も逆らえないという冷徹な真実です。


 財政審は、政府に対し「黒字安定」を求めています。ということは、その分、誰かが「赤字安定」にならなければなりません。


 普通の資本主義国では、赤字=負債積み上げを担うべき存在は「企業」です。というわけで、財政審の会長にして「経団連」の会長でもある榊原定征氏は、
「日本政府を黒字にするために、わが社が赤字を拡大する!」
 と、宣言しなければなりません。さもなければ、筋が通らないのです。


 特定の経済主体が、年間を通して黒字となり、資産が積みあがった状況を「資金過剰」。逆に、資金が不足し、負債が増えた状況を「資金不足」と呼びます。


【図 日本の非金融法人企業、一般政府、家計、海外の資金過不足(億円)】

http://mtdata.jp/data_60.html#kabusoku


 図は、1998年以降の主たる四つの経済主体、すなわち非金融法人企業(一般企業)、一般政府、家計、そして海外の資金過不足をグラフ化したものです。ちなみに、他にも金融機関、対家計民間非営利団体といった経済主体が存在しますが、本エントリーでは省略します。


 図の通り、経済がデフレ化した1998年以降の我が国では、主に政府と海外が資金不足、つまりは「赤字」になり、逆に家計と一般企業が黒字、資金過剰が続いています。ちなみに、海外の資金不足とは日本にとっての「経常収支の黒字(海外から見ると赤字)」を意味しています。
 図のグラフを90度傾けてみてください。ほぼ、左右対称になるのがわかるはずです。


 誰かが資金過剰(=資産を増やす)反対側で、誰かが資金不足(=負債が増える)になっている。資産と負債が裏表の関係にある以上、当然なのです。この世界のすべての経済主体が「全員」資産を増やすことなど、できるはずがありません。

 さて、経団連や財政制度審議会の会長にして、東レ株式会社相談役である榊原定征氏は、政府のPBについて「黒字を安定的に確保」するように要請しました。この事実は重要ですよ。


 政府が黒字安定になるということは、その分、民間企業が「赤字(※資金不足、という意味)」を増やさなければなりません。



 もちろん、言い出しっぺである榊原会長が相談役を務める東レが、率先して「赤字」を増やしてくれるんですよね。

 何しろ、政府が黒字になった分、誰かが赤字にならなければなりません。旗振り役である榊原会長の東レが、真っ先に赤字を担うのは当然です。


 東レの株主さんたち、23日の建議は、榊原会長が「我が社は率先して赤字になる」と宣言したも同然なのです。要注目ですよ。


 要は、「あなたたち、経済について何も理解していないでしょ」というお話。

 

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