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チャンネルAJER  更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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 南北首脳会談が開かれ、「朝鮮半島の完全非核化」と年内の朝鮮戦争終戦を共通の目標として掲げる板門店宣言が発表されました。


『「完全な非核化実現」「年内に終戦表明」南北共同宣言
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2994263027042018MM8000/
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は27日、軍事境界線のある板門店で会談し「板門店宣言」に署名した。南北共通の目標として、朝鮮半島の「完全な非核化」を実現すると明記したものの、その道筋や方法は示さなかった。年内に、休戦状態にある朝鮮戦争の終戦宣言をすると表明。南北首脳会談の定例化で合意し、文大統領は今年秋に平壌を訪れる。(後略)』


 例により、日本のマスコミでは、
「これで平和が訪れる」
 的な報道で溢れかえっていますが、とんでもない。

 例えば、半島非核化については、
「南北は完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」 
 とあります。


 これを読み、日本国民の多くは、
「ああ、北朝鮮が核を放棄するのか」
 と、受け止めることでしょう。とはいえ、非核化の対象は「朝鮮半島」であり、「北朝鮮」ではないのです。

 北朝鮮は、「朝鮮半島の非核化」のためには、「在韓米軍の撤退が必要」と主張しています。

 在韓米軍は1991年まで核兵器を装備していました。その後、ブッシュ政権が戦術核兵器の撤去を表明。


 現時点では、在韓米軍は核を保有していないことになっています(真実は分かりません)。

 2017年4月8日、NSC(アメリカ国家安全保障会議)が、対北朝鮮政策の見直しの一環として、戦術核兵器を在韓米軍い再配備するべきとトランプ大統領に提言しました。

 というわけで、北朝鮮側としては、
「我が国が核を放棄しても、在韓米軍が存在する限り、朝鮮半島の非核化はなされないではないか! ならば、我が国も核を放棄しない」


 というレトリックが使えてしまうのでございます。

            


 そして、当初から「北朝鮮のスパイ」のごとく、親北派の色が濃かった文在寅大統領は、北の金王朝のレトリックに乗っかるでしょう。


 朝鮮戦争を「終結」させ、半島非核化を言い訳に在韓米軍を撤退させ、北との「連邦国家」樹立宣言。


 ちなみに、朝鮮戦争を終結させるためには、北朝鮮軍、中国軍、国連軍の三司令官の合意が必要ですが(そもそも、停戦合意が三者で行われたため)、韓国には何もできないのでございますが。

 それはともかく、在韓米軍が撤退し、連邦国家という形で「北主導」の統一がなされたとして、当たり前ですが北朝鮮が核を放棄しているなどということはあり得ず、
「核武装した半島国家」
 が誕生する。韓国国民も「核保有国になれる!」といことで、むしろ事態を歓迎するという、日本にとっての「悪夢」が見えてしまうのでございます。

 そんな中、およそ一か月後に開かれる予定の米朝首脳会談において、
「アメリカ側が米朝首脳会談が決裂した場合、武力行使に踏み切るしかないとの意向を日本側に伝えていた」
 と、「政府関係者」が語ったとFNNが報じています。


 「政府関係者」とは、誰なのか。リークが本当にあったとして、アメリカ側の意向なのか。まさかとは思いますが、日本サイドの「チョンボ」なのか。


 あるいは、日本にとっては韓国も北朝鮮も「仮想敵国」です。特に、韓国は「竹島」という我が国の領土の不法占拠を続けています。

 安全保障をリアルに考えるならば、仮想敵国同士は衝突してくれていた方が、我が国にとっては都合が良いのです。

 もちろん、建前は「両国の平和と安定を願う」と言いつつ、韓国と北朝鮮が対立しあえば、その分、日本の安全保障が強化されるという「現実」も理解するのが安全保障です。


 逆に、仮想敵国と仮想敵国が日本のお隣で「手を結ぶ」ことは、それ自体が我が国の安全保障に対する脅威なのです。


 この手の「リアル」な安全保障を考えることを放棄し、
「朝鮮半島の完全な非核化を目指すんですか! 素晴らしい! 金正恩は平和の使者だ!」
 などとやっている以上、我が国の未来は暗澹たるものにならざるを得ません。


 何しろ金正恩は、自らの叔父であるチャンソンテク(張成沢)を殺し、実の兄である金正男を暗殺させた独裁者なのです。


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