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『国土経済論(後編)①』三橋貴明 AJER2018.2.27
https://youtu.be/d1Wb6lbcE4I
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一般参加可能な講演会のお知らせ

これからのワークスタイルの変革~中堅・中小企業のピンチをI o T でチャンスに~

【日時】平成30年3月28日(水)14時30分~17時00分(14時より受付開始)
【会場受付】オークラフロンティアホテル海老名(海老名市中央2-9-50)
【定員】先着80名(定員になり次第、締切となります)

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 先日、彩図社から刊行した「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」の前半は、現在の人間社会に鵺のように覆いかぶさる「グローバリズム」の歴史について語ったものです。


 人間は、政治的な問題が解決できな際に、
「問題を引き起こしている悪玉」
「問題を解決してくれる救世主」
 の双方を求めるわけですが、現実には分かりやすい悪玉も救世主も存在しません


 グローバリズムと総称される、「自己利益最大化のために、各国の国民を苦しめる」政治勢力にしても、単に人間の欲望の集合体に過ぎません。


 コロンブスが西に向かい、サン=サルバドル島に漂着したのも、ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を回り、インドに到達したのも、「香料(スパイス)」を求める欧州人の欲望が理由でした。


 欧州人のスパイスに対する欲望が、世界の歴史を大きく変えてしまったわけですが、「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」で書いた通り、歴史は英雄物語ではありません。コロンブスやガマがいなかったとしても、欧州の誰かがアメリカ大陸、インドにたどり着いたことでしょう


 欲望あるいは「人間の考え」といった抽象的な概念が、歴史を動かします。欧州人のスパイスに対する欲求は、まだしも理由がありましたが(詳しくは「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」をお読みください)、そうではない考え方もあります。


 明らかに間違った考え方であっても、修正できない。結果的に、1憶人を越える日本国民が犠牲となる。


 先日、藤井先生が三橋経済塾講義で、
「財務省がPB黒字化を求めるのは、PB黒字化を求めているため」
 と、巧いことを言っていましたが、まさにその通りで、財務官僚はPB黒字化を達成するためにPB黒字化路線を追い求めます。そこに、論理的な理由はありません。

                                                       


 財政破綻、といったPB黒字化目標を正当化するレトリックは、すでにことごとく破綻してしまっています。特に、アベノミクスの金融政策で、日本銀行の国債を買い取りが続いているため、我が国の「政府の負債」、具体的には国債、財投債、国庫短期証券の合計ですが、すでにピーク(2012年9月)から200兆円近くも減少してしまいました。


【日本銀行所有の国債・財投債・国庫短期証券と日銀以外保有分(億円) 】

http://mtdata.jp/data_59.html#nichigin


 今更ですが、日本銀行は政府の子会社であるため、「日銀所有の国債・財投債・国庫短期証券」については、政府の負債に含めるべきではありません。何しろ、連結決算で相殺です。


「日銀が保有する国債とはいえ、借金は借金じゃないか!」
 と、叫ぶ「おバカさん」に対しては、ならば日銀保有の国債を政府が新たに発行する「無期限・無利子国債」と交換してしまえば済む話じゃん、でおしまいです。

 日本の「国の借金!」とやらは、この程度の問題に過ぎないのです。


 無論、政府の負債は増えるもの、という事実は、わたくしは承知しています。ここでは、財務省のPB至上主義に対抗するためのレトリックを書いているのです。


 日本に財政問題などありません。


 常日頃、「国の借金! 国の借金!」と煽りまくっているマスコミは、なぜ「国の借金を(実質的に)200兆円近くも減らした!」安倍政権を礼賛しないのでしょうか。もちろん、マスコミの記者たちが、「国の借金」「債務、債券」「資産、負債」「おカネという債務」といった基本概念について、全く無知であるためです。


 彼らは、わたくしが本エントリーで書いた「少し考えれば誰でも理解できること」を理解するための知識、知性、知能を持ちあわせていないでしょう。持ち合わせていたとしたら、彼らは長年、国民を騙し続けた「嘘つき」ということになります。


 さて、財務官僚が上記のロジックを理解できるのかといえば、それはもちろんできるでしょう。日本の義務教育を受けたレベルの知性があれば、誰でも理解できる話です。


 それにも関わらず、彼らは不要どころか、日本国民を貧困化し、我が国を小国化させ、将来的には中国の属国へと追い込むPB黒字化目標に固執する。


 なぜなのでしょう。


 もちろん、「PB黒字化を求めている」ためです。他に理由はありません。


 細かい話をすると、PB黒字化のための政策を推進すると、省内で評価され、出世するという事情はあります。つまりは、日本国を衰退させ、中国の属国に追い込む「何か」は、財務省内の空気、あるいは文化なのです。


 逆に言えば、明確な「悪の帝王」はいないのです


 財務省の○○氏(誰でもいいですが)を誅殺したところで、状況は変わりません。悪の帝王は、いないのです。


 だからこそ、厄介なのです。

 もっとも、その財務省が、個人的には興味がない「森友問題」とやらで窮地に追い込まれているのは、これは非常に面白い状況と表現せざるを得ません。


 明日に続きます。

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